女性は35歳を過ぎると、「エイジング世代」と呼ばれ、身体が衰えてきてしまう時期に突入します。
特に髪の毛や頭皮にはその影響が顕著に出てしまい、薄毛や細毛といった変化として表れます。
「グリチルリチン酸」という育毛成分をご存知ですか?
もしかしたらあなたが今、気になっている頭部の状態を改善するために、とても有効な成分かもしれません。
この記事では、元カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、「育毛成分グリチルリチン酸」について解説していきます。
Contents
グリチルリチン酸とは
グリチルリチン酸とは、甘草の根茎から抽出された誘導体です。
抗アレルギー作用や抗炎症作用、解毒作用などを持つことが確認されています。
医療の面では風邪薬や抗アレルギー薬、慢性肝炎、ウィルス性肝炎、肝機能障害の予防や治療薬として幅広く使用されています。
グリチルリチン酸の育毛は?
頭皮にグリチルリチン酸を塗布した時の効果としては、主に炎症を抑える役目として使用されています。
頭皮が乾燥したり、頭皮環境が乱れたりしてくると、皮膚が荒れ、フケやかゆみとして表れることがあります。
グリチルリチン酸にはこの炎症を抑えてくれる効果があるので、多くの育毛アイテムに配合されています。
女性にも使える?
グリチルリチン酸は、もちろん女性にも使うことができます。
35歳を過ぎたエイジング世代以上の女性は、ホルモンバランスの乱れなどもあり、お肌が弱くなり敏感肌になる方が多い傾向があります。
グリチルリチン酸はそういった炎症やかゆみ、フケなどが起きやすい方にオススメな成分です。
副作用はある?
頭皮やお肌につけるものですから、やはり副作用があるかどうかも心配なことです。
グリチルリチン酸は育毛アイテムとして使用した場合、特に副作用が起こったという報告はありません。
肝機能系の薬として使用した場合は、腹痛などの副作用が起こる可能性もあるようですが、これもかなり稀なケース。
比較的安心して使用することのできる成分と言えます。
育毛アイテムの種類は?
グリチルリチン酸が配合されている主な育毛アイテムは、
育毛剤
育毛シャンプー
の2種類です。
頭皮の炎症を抑える目的で配合されている成分のため、頭部に直接塗布するタイプのこの2つの育毛アイテムに配合されています。
サプリメントタイプはない
現在、グリチルリチン酸配合の育毛サプリメントはありません。
ニキビやお肌トラブルの改善を目指す目的で作られている粉末状の商品はありますが、あくまでも経口タイプではありません。
医療面で使用されている肝機能系の薬としても、腹痛などの副作用の心配がある成分ですから、やはり皮膚に直接つけるタイプのものをしっかり使う方がいいでしょう。
どこで買える?
グリチルリチン酸配合の育毛アイテムは、インターネットやドラッグストアーなどで購入することが出来ます。
その際注意することは多々ありますが、一番重要なことは「他に配合されている育毛成分」です。
また、育毛シャンプーであれば「アミノ酸系」の洗浄成分を選ぶようにしましょう。
安価な「石油系」の洗浄成分が配合されている育毛シャンプーを使ってしまうと、髪の毛や頭皮のバリア機能が損なわれてしまう恐れがあります。
アミノ酸系の洗浄成分であれば、バリア機能となる油分を適度に残してくれるので、頭皮や髪の毛に刺激が少なく洗い上げることができます。
一緒に配合されていると効果的な成分
グリチルリチン酸は抗炎症作用や抗アレルギー作用などをもち、その効果によってフケやかゆみを抑えて頭皮環境を正常にしていく成分ですが、「育毛」を望むのであれば選ぶ育毛アイテムには他にもどんな育毛成分が配合されているか?が重要になります。
ここでは、グリチルリチン酸と一緒に配合されていた方がより効果的な成分について挙げていきます。
ピディオキシジル
「ミノキシジル誘導体」とも呼ばれ、ミノキシジルと同等以上の効果を持ちながら副作用の心配が少ないとされる成分です。
血行促進作用や毛母細胞の活性化、グロスファクターによる毛母細胞の再生など、強い育毛効果を有しています。
主に育毛剤や育毛シャンプーに配合されることの多い成分で、女性向けの商品も多く販売されています。
リデンシル
乱れたヘアサイクルを整え、休止期の期間を狭めて脱毛本数を減らすことを目的とした成分です。
「バルジ領域」と呼ばれる毛母細胞に向けて髪の毛を生やす命令を出す組織にアプローチし、多くの命令を出させるように活性化することで育毛を促します。
一般的な育毛成分は頭皮の血行促進をすることで髪の毛の育毛を促すことを目的としますが、リデンシルはバルジ領域に向けてアプローチすることのできる新しい発想の育毛成分です。
こちらも女性向けの育毛剤や育毛シャンプーとして多くの商品が販売されています。
センブリエキス
「千回振っても苦い」ということから名付けられたほど強力な苦味をもつ成分で、日本では室町時代から胃薬として漢方で使用されています。
育毛効果としては皮膚の温度を高めることによって頭皮環境を整え、同時に毛細血管の増強も行うことを目的としています。
育毛剤や育毛シャンプーに多く使用され、女性向けの商品も数多く販売されています。
サプリメントタイプのものは漢方としての扱いのみとなっており、育毛サプリメントはありません。
フラーレン
強力な抗酸化力と高い持続性、保湿力をもつ美容成分です。
その強力な抗酸化力の効果により、頭皮のヘアサイクルを整えることが期待できます。
「フラーレンマーク」と呼ばれる専用のマークが数種類あり、この記載がある商品はフラーレンを必要量配合している、という目安となります。
ムーミン谷のモデルともなった谷で発見された成分であり、古くからその存在は知られていましたが、近年になってアメリカとイギリスの大学の共同研究によって科学的に認められ、その後ノーベル賞も受賞しました。
育毛剤、育毛シャンプーに配合され、スキンケア用品にも多く配合されています。
化粧品を購入する際に注意すること
インターネットやドラッグストアーで購入することの出来る育毛剤や育毛シャンプーはそのほとんどが「化粧品」です。
効果が認められているものから順に
医薬品
医薬部外品
化粧品
となり、「医薬品」と「医薬部外品」は基本的には医師から処方されるものが多くを占めます。
なのでご自分で購入することのできる育毛アイテムはそのほとんどが化粧品になるはずで、その際にはきちんと表記されている内容成分を確認する必要があります。
この表記の中に上記したような育毛成分が配合されているかを確認しますが、注意しなければならないのが「表記されている順番」です。
例えばシャンプー類であれば、多くの商品が最初に「水」が表記されています。
その後、界面活性剤と呼ばれる洗浄成分が入り、表記の中頃から育毛成分となります。
配合されている成分が多いものほど先にくることになるので、上記した育毛成分などが最後に少ししか表記されていなかったりすると、その商品にはあまり多くの育毛成分は入っていないことになります。
細かい部分ですがしっかり確認しないといけないことになりますので、注意して見るようにしましょう。
まとめ
多くの育毛アイテムに使用されているグリチルリチン酸ですが、使われている商品が多過ぎてなにを選べば良いのか分からなくなる成分でもあります。
一緒に配合されている育毛成分も見極めながら、ご自分に合った育毛アイテムを選んでいただけたらと思います。