女性の中には貧血に悩んでいる方が多いと言われていますが、実はそんな貧血が、抜け毛や薄毛、また白髪の原因になる可能性があるのをご存じでしょうか。
そこでここでは、貧血と抜け毛などの関係性や、貧血を改善して抜け毛を予防するためにはどうすれば良いかなどについて、詳しく見ていきたいと思います。
Contents
そもそも貧血とは?
貧血は、血液中の赤血球の成分のひとつであるヘモグロビンの濃度が低下することにより、立ちくらみやめまい、動悸や息切れ、倦怠感などが起こる症状です。
そのほとんどは、鉄分不足により起こる鉄欠乏性貧血であり、ヘモグロビンは鉄分を元にして合成されるため鉄分が不足するとヘモグロビンが作れなくなってしまいます。
ヘモグロビンは身体中に酸素を運ぶ働きを担っているため、ヘモグロビンの量が少なくなると体内の組織が低酸素状態になり、貧血を引き起こします。
隠れ貧血にも注意が必要
隠れ貧血は正式には潜在性鉄欠乏症といい、たとえ血液検査のヘモグロビンの量が正常範囲内であっても、このままでは鉄欠乏性貧血になる可能性が高いという、いわゆる鉄欠乏性貧血予備軍のことを言います。
実は人間の体内の鉄分の約60~70%は血液中のヘモグロビンに含まれていますが、残りは貯蔵鉄として肝臓や脾臓などに存在しています。
貯蔵鉄は血液中の鉄が足りなくなった時に使われますが、隠れ貧血とはこの貯蔵鉄が使われている状態のことを指して言います。
ですから貯蔵鉄がなくなると鉄分を補うことができなくなり、やがて貧血の症状が起こります。
貧血になりやすい人の特徴とは?
鉄分不足による貧血になりやすいのは、圧倒的に女性が多いと言われています
それは女性に月経があり、そのために毎月多量に出血し、鉄分も一緒に体外に排出してしまうためであるとされています。
実際に月経によりヘモグロビンを作るために必要な鉄が足りなくなり、鉄欠乏性貧血になる方が非常に多く見られます。
また女性の場合、月経の他にも出産を経験したり授乳中にも多くの鉄分を失うため、貧血になりやすいと言われています。
さらに鉄分だけではなく、無理なダイエットや不規則な食生活、また偏食などが原因で体内のたんぱく質が不足している場合も、ヘモグロビンの生成量が少なくなり貧血になるため注意が必要です。
さらに亜鉛不足も、貧血の原因になるとされています。
亜鉛不足による貧血は、ベジタリアンや過剰なダイエットを行っている方、また飲酒の量が多い方がなりやすいと言われています。
亜鉛は赤血球の膜を作る際に必要であり、さらに細胞分裂や増殖、たんぱく質の再合成などにも欠かせない栄養素であるため、亜鉛不足になると、やがてヘモグロビンや赤血球も作られなくなってしまいます。
ちなみにトレーニングなどにより多量の汗をかくことによって亜鉛を大量に排出してしまうアスリートや、亜鉛の吸収を阻害するポリリン酸などの添加物が入っている加工食品をよく食べる方も貧血になりやすいため、普段から気をつける必要があります。
貧血が抜け毛や薄毛の原因になるのはなぜ?
髪が成長するためには、多くの酸素やさまざまな栄養素が必要となります。
しかし鉄分不足のために貧血になると、酸素を運ぶヘモグロビンが少なくなり、頭皮が酸欠状態となってしまいます。
また栄養バランスの偏った食生活が貧血の原因となっている場合は、酸素だけでなく栄養素も不足しているため、健康的な髪を作ることができません。
すると髪の成長が抑えられ新たな髪が作られなくなるため、抜け毛が増え薄毛になってしまいます。
貧血になると白髪も増える?
先程も述べたように、貧血になると頭皮に酸素が行き届かなくなり、血行も悪化します。
頭皮には、健康的な髪を保つための細胞が多く存在しています。
その中には髪を黒くする細胞もあり、そのため貧血になると細胞の働きが悪くなり、髪が抜けたり白髪になりやすくなります。
また貧血になると体が冷えたり、むくみやすくなったりします。
体が冷える場合心臓に遠い箇所ほど体温が低くなるため、心臓から離れている頭皮は特にその影響を受け白髪になりやすい状態となります。
また自分の頭皮を触ってみてブヨブヨしていると、白髪になりやすいと言われているため注意が必要です。
貧血による抜け毛を防ぐ方法とは?
ここでは、貧血が原因で起こる抜け毛や薄毛を防ぐためにはどうすれば良いかについて見ていきたいと思います。
まずは貧血の原因を突き止めることが大切
すでに何らかの貧血の症状があるという場合には、何が原因でそのような症状が起こるのかをはっきりさせる必要があります。
もし抜け毛以外にも倦怠感や息切れなどの症状が強いという場合には、単なる鉄分不足ではなく、消化器系の病気や再生不良性貧血などの病気である可能性があるため、一度病院で血液検査を受けてみることをおすすめします。
血液検査では、ヘモグロビンの値が成人男性の場合13g/dl 、女性は11g/dl以下で貧血と診断されます。
治療は主に鉄剤の内服が一般的となっています。貧血の症状は、風邪や疲れ、低血圧と症状が似ているため見過ごされがちになります。
ですから少しでも体調の変化を感じたら早めに病院へ行き医師に相談するといいでしょう。
貧血予防にはやはり鉄分を摂ることが重要
実は人間の体に必要な鉄分には、主に肉や魚などの動物性食品に含まれるヘム鉄と、いも類や豆類などの植物性食品や卵、また乳製品に含まれる非ヘム鉄の2種類があります。
ヘム鉄は体内への吸収率が高く、非ヘム鉄は吸収率は少し低いですが、良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に取ると、吸収率をアップさせることができます。
鉄分以外の栄養素を摂ることも必要不可欠
貧血を防ぎ抜け毛を予防するためには、もちろん鉄分だけではなく、髪を作る元となるたんぱく質や亜鉛などの栄養素の摂取も必要です。
ですから、毎日の食事からできるだけ良質なたんぱく質を摂るように心がけ、吸収率が低い鉄分や亜鉛は毎日摂るよう心がけましょう。
またこれらの栄養素の吸収率を高める効果のある、ビタミンCを一緒に摂ることもとても大切です。
さらに1日3食、規則正しく食べることも重要であり、日々の食事内容をしっかり見直し貧血改善に努めましょう。
軽い運動もおすすめ
貧血の方はウォーキングや軽いジョギングなど、毎日続けてもあまり体の負担にならないぐらいの軽い運動をするのもいいでしょう。
例えば一日20分ほどのウォーキングでも、これまであまり運動をしたことのない方が行うと、意外と早く効果が現れます。
休息や睡眠をしっかり取る
仕事や家事などの忙しい合間をぬって、しっかり休息を取ることも貧血予防には大切です。
また睡眠不足は血行不良を悪化させ髪の成長を妨げたり、むくみを起こし白髪の原因にもなるため、毎日きちんと睡眠を取るようにしましょう。
まとめ
今回は貧血が抜け毛の引き金となる原因や、その改善方法について詳しく見てきました。
貧血はそのまま放置しておくと、日常生活にも影響を及ぼす可能性があるため、くれぐれも注意が必要です。
ですから抜け毛を予防するためだけではなく、健康的な毎日を送るためにも鉄分を意識的に取ることはもちろん、食生活などに注意してできるだけ貧血予防を心がけましょう。
また軽い運動を習慣化したり、しっかり体を休めたり睡眠を取ることも大切ですよ。