女性の髪の毛や頭皮の悩み、「薄毛」や「細毛」。
「もう年だし仕方ないのかな…」と諦めていませんか?
薄毛や細毛の主な原因は、頭皮環境の乱れ。
この頭皮環境を改善させることのできるかもしれない成分に、「酢酸DL-α-トコフェロール」があります。
この記事では、元カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、「育毛成分酢酸DL-α-トコフェロール」について、解説していきます。
Contents
酢酸DL-α-トコフェロールとは
酢酸DL-α-トコフェロールとは、ビタミンE(トコフェロール)誘導体の一種です。
血行促進をすることで肌荒れを防止したり、皮膚の酸化を防ぐなどの抗酸化効果をもちます。
「誘導体」とはビタミンEなどのもともと不安定な成分を物質化することでその成分が本来もつ効果を十分に発揮させることができるような形に形成したもので、「若返りビタミン」とも呼ばれるビタミンEの効果をしっかりとお肌に浸透させることができるようになります。
酢酸DL-α-トコフェロールの効果
薄毛や細毛の主な原因のひとつに、「頭皮環境の乱れ」があります。
酢酸DL-α-トコフェロールには、この頭皮環境の乱れを改善させてくれる効果があります。
頭皮環境が乱れた頭皮は、血行不良の状態になっています。
本来髪の毛が生成される工程としては、摂取した栄養素が毛乳頭まで浸透することで新たな髪の毛となりますが、頭皮環境が乱れて頭皮が固くなり、血行不順の状態になった頭皮では、必要な栄養素を十分に毛乳頭まで届けることができません。
酢酸DL-α-トコフェロールは、この頭皮の血行不良を正常に戻し、毛乳頭までしっかりと髪の毛を生成するために必要な栄養素を届ける効果があります。
副作用はある?
髪の毛や頭皮が弱っていることを実感している状態であれば、これ以上悪化するようなことはしたくないと思っているはずです。
せっかく育毛を頑張っていこうと思っているのであれば、副作用の心配があるのかも重要なポイントです。
酢酸DL-α-トコフェロールには、皮膚刺激の報告がほぼありません。
それだけ肌に優しい成分ですので、多くのスキンケア商品や、育毛アイテムに配合されています。
販売されている商品の種類は?
酢酸DL-α-トコフェロールは、育毛アイテムを始め、薬用スキンケア化粧品、薬用リップケア用品、日焼け止めや洗顔料などに配合されています。
育毛アイテムとしては主に「育毛剤」や「育毛シャンプー」に使用されます。
副作用の心配が少なく、お肌に優しい成分ですので、育毛アイテム以外にも多くの化粧品に使用されている成分です。
毛周期(ヘアサイクル)とは?
酢酸DL-α-トコフェロールが改善してくれるとしている頭皮環境ですが、これは髪の毛や頭皮が加齢やストレスなどの影響によって乱れていってしまいます。
正常な場合の頭皮は、女性であれば約4~6年で髪の毛1本1本の寿命がくると言われています。
これを毛周期(ヘアサイクル)と呼びます。
頭皮環境が乱れてしまうと、このヘアサイクルが短くなってしまい、1~2年ほどでその寿命を迎えてしまう恐れがあります。
ここではヘアサイクルについて解説していきます。
成長期(早期、中期、後期)毛
髪の毛が新しく生まれて最初の期間。
早期~中期~後期成長期毛と呼ばれ、髪の毛1本1本の寿命としてはヘアサイクルのなかで一番長い期間です。
この期間にしっかりと栄養を蓄えた髪の毛たちが、約4~6年の長い期間を生き抜くことができますが、ヘアサイクルが乱れて頭皮環境が悪くなってしまった状態だと、この成長期の期間に寿命を迎えてしまうことになります。
多くの育毛成分はこの期間の髪の毛にどれだけしっかりと栄養を与え、後述する休止期の期間を狭めることができるかを目的としたものです。
移行期毛
後期成長期毛が過ぎ、髪の毛の成長が緩やかになった段階です。
この時の髪の毛は通常であれば、しっかりとした太く、丈夫な髪の毛になっているはぜですが、ヘアサイクルが乱れている頭皮だと全体的に細い髪の毛が多くなってしまっています。
ヘアサイクルが乱れていると、前述した成長期毛の間に脱毛してしまう髪の毛もたくさんある状態なので、そもそもの髪の毛の本数が少なくなっていることも分かりやすくなっています。
休止期毛
髪の毛の成長が止まり、脱毛するのを待つだけの状態です。
ブラッシングやシャンプーをしたときに自然に抜ける髪の毛を見たことがあると思いますが、その時に抜けたことによる痛みは感じなくなります。
これが休止期に突入している状態の髪の毛。
この休止期の期間を狭める為にも、血行促進効果をもつ酢酸DL-α-トコフェロールなどの育毛成分をしっかりと使用することがとても大事になります。
脱毛
休止期を終え、自然に抜け落ちる状態の髪の毛です。
風が吹いただけでも落ちるほどに頭皮から今にも抜け落ちそうになった髪の毛の状態で、抜け落ちた時に痛みは感じません。
ここまでを通常であれば約4~6年という長い期間をもって行うことがヘアサイクルであり、これが縮まって短くなってしまうことを頭皮環境の乱れと呼びます。
初期脱毛はあり得る
頭皮環境を改善し、ヘアサイクルを整えることを目的とした酢酸DL-α-トコフェロールには、初期脱毛が起こる可能性があります。
初期脱毛とは、育毛アイテムを使ったことで逆に抜け毛が増える現象です。
実際には古い髪の毛が新しい髪の毛に生まれ変わる工程の中で、古い髪の毛を新しい髪の毛が押し上げることで脱毛していることが原因ですが、知らずに育毛アイテムを使ったことで「逆に抜け毛がはげしくなった…」となる可能性もあるので、注意が必要です。
初期脱毛自体は髪の毛が生まれ変わっている証とも言えますから、「この成分は自分に合わないのでは…」と、使用をやめてしまっては勿体ないです。
ある程度古い髪の毛が抜け落ちると、初期脱毛も治まってきますので、様子をみることが大事になります。
美容成分としても優秀
酢酸DL-α-トコフェロールは、多くのスキンケア用品にも配合されている成分です。
女性にとって頭皮のケアと同等に大事な顔やお肌へのアプローチにも、酢酸DL-α-トコフェロールは効果的です。
夏場の紫外線対策としても日焼け止めや、冬場の乾燥対策などにも、酢酸DL-α-トコフェロールは優秀な成分だと言えます。
効果がでるまでには時間がかかる
数ある育毛アイテムのなかでも、育毛剤はしっかりとした効果が期待できると言われています。
ただし、その効果が出るまでには時間がかかり、平均して3か月~半年は見た方がいいでしょう。
頭皮内部に浸透された育毛成分がしっかりと成果として実感できるようになるには、現在気になっている生え際やつむじ周辺に十分に新しい髪の毛が生えてきてくれるようにならなければなりませ。
また、せっかく出てきた効果を維持させる為には、その育毛剤をその後も使い続ける必要があります。
酢酸DL-α-トコフェロールに限った話ではありませんが、根気よくしっかりと育毛を励んでいくことが必要です。
まとめ
ビタミンE自体が頭皮のみならず、お肌全般にとって優秀な成分ですが、上記したように大事なのはやはり「継続する」ことです。
育毛アイテムは基本的に価格面でも高価になりやすいジャンルのものですし、そもそも髪の毛にはお金がかかります。
無理なく、続けられるご自分に合った育毛アイテムを探してみていただければと思います。