髪の毛は女の命と呼ばれるほど大切なものといわれています。
人の第一印象を決めるうえで大切な髪型。
また髪型は容姿を左右する美的な価値づけ役を努めているのですが、髪の毛の本来の役割やその構造についてご存じでしょうか?
美しい艶のある髪の毛を目指すために、髪の毛がもたらす意味についてこの記事で解説していきますので、髪の毛の基礎知識を付けていきましょう!
髪の毛の役割
髪の毛は1本1本はとても細くて頼りなさげです。
しかしそんな髪の毛は私たちの頭の上に集まっているのですが、いったい何のためにあるのでしょうか?
その役割についてまずは見ていきましょう。
髪の毛は何のためにある?
髪の毛の役割は大きく2つあるといわれています。その一つは身体を保護する役割です。私たちの大切な頭部を、直射日光や、暑さ寒さから守っています。
また、外部から何らかの衝撃を受けたとき、クッションにもなってくれています。
更に頭部を守るだけでなく、身体に必要のない水銀などの重金属を、身体から排泄する機能も持っています。
2つ目の役割は美容上のもの。
ヘアスタイルや髪の毛の色が違えば、同じ人でもまったく違った印象を受けることがあります。
このように髪の毛は、頭部を保護したり、外見や美容の上で、必要な役割を持っているのです。
髪の毛の形状
髪の毛の形状を外観を大きく分けると、直毛・波状毛、縮毛の3種類に分けることができます。
日本人のようにまっすぐな髪の毛(直毛)は、その断面が真円に近く、欧米人にような波状毛は楕円形、赤道付近の人などの縮れた巻き毛(縮毛)はおむすび形をしています。
波状毛や縮毛は、毛根の形状が曲がっていて、髪の毛が伸びるにしたがって自然にねじれが生じ、直毛にならずウェーブがかかってきます。
髪の毛の色
髪の毛の色は人種差が大きく、オーストラリア型人種やアフリカ型人種では黒色・黒褐色が主ですが、ヨーロッパ型人種では黒色・黒褐色・ブロンド・赤色と多彩です。
この毛髪の色を決めるのがメラニン色素で、色素細胞内のメラノサイトでの合成過程でユーメラニンとフェオメラニンの2種類ができます。
合成されたメラニンは角化細胞に渡され、皮膚や毛髪に色がつくことになります。
黒色・黒褐色・ブロンドはいずれもユーメラニンが多いですが、ブロンドは成熟したメラノサイトが少ないため金色になります。
赤色はフェオメラニンが優位とされています。
髪の毛の太さや密度
毛髪の形態や太さは、その毛髪を支えている毛乳頭細胞の数によって決まると考えられています。
毛包の下にある毛乳頭が重要な役割を果たしているわけです。
人の髪の毛は、頭皮のどのあたりにあるか、身体がどの程度発育しているか、ほかにも性別・人種などの違いによりその発育程度が異なってきます。
▼硬毛
硬毛は肉眼で認識できる長く硬い通常色素を有する毛で、頭の毛・眉毛・まつ毛・ひげ・わき毛・陰毛および体部の粗大毛はいずれも硬毛となっています。
硬毛は軟毛より成長するスピードが早く、成長期の期間も長いです。ヨーロッパ型人種では四股にある軟毛も思春期以降に高確率で硬毛化します。
特に女性で顕著で、オーストラリア型人種の女性では多毛はあまり見ることはありません。この軟毛と硬毛の違いは個人においても年齢による変化が大きいものです。
▼軟毛
幼児の頭髪には軟毛を認めることが多いのですが、思春期以降ほとんど見られなくなります。
わき毛、陰毛などのいわゆる両性毛や、ひげ、胸毛などの男性毛は思春期に軟毛より硬毛へ変化していきます。
髪の毛の成分
髪の毛は爪と同じく皮膚が変化したものというのは上記でも解説してきましたが、髪の毛の主成分も皮膚と同じく「タンパク質」が主成分です。
▼髪の毛のタンパク質「ケラチン」
同じ「タンパク質」でできているといっても、髪の毛のタンパク質と皮膚のたんぱく質は、少し性質が異なります。
一口にタンパク質といっても様々な者がありますが、髪の毛や皮膚を構成しているのは「ケラチン」というタンパク質です。
ケラチンはタンパク質の一種ですが、その中でも硬ケラチンと軟ケラチンに分かれます。
髪の毛や爪などは硬ケラチンからできているので硬く、一方皮膚の表皮角質層は軟ケラチンからできているので、比較的軟らかいのです。
しかし髪の毛の硬ケラチンもタンパク質であるため、熱による変性やある仮に弱い性質は共通です。
▼キューティクル
キューティクルは髪の毛の外側を取り巻いている厚さわずか1ミクロン程度の薄い膜です。
非常に丈夫で外部の刺激から髪の毛の内部を守ってくれるのです。
キューティクルの表面はなめらかで、髪の毛に艶を与えたり、櫛通りをよくするといった働きもしています。
それでキューティクルが傷むと髪の毛はツヤを失うとともに、髪の毛の中も傷み、裂けたり、切れたり、また抜け毛の原因になったりします。
▼コルテックス
コルテックスとは、細いタンパク質の繊維が束になったもので、繊維同士がばらけないためにやわらかいタンパク質が繊維と繊維の隙間を埋めて繋ぎの役割をしてます。
従ってキューティクルが正常であればコルテックスも丈夫ですが、キューティクルが傷んでいる場合には、例えば洗髪時などに繊維間のたんぱく質が流れ出し、繊維のまとまりが悪くなってコルテックスの強度や弾力性が失われてしまう事になるのです。
正しいヘアケアで美しい髪の毛を維持!
髪の毛の基礎的な知識が頭に入ったら、髪の毛についてのトラブルや頭皮トラブルになってしまわないように、正しいヘアケアで美しい髪の毛を維持することが大切です。
▼洗髪
脱毛などのトラブルを予防・改善するためには頭皮と毛髪を清潔にすることが第一です。
毛穴の奥の皮脂腺から分泌される皮脂は、洗い流しても4~12時間で再び頭皮にたまってきます。
この皮脂が毛穴をふさぎ、頭皮にいる常在細菌によって脂肪酸などに分解されると、頭皮の炎症やにおいの原因になるのです。
ですから毎日洗髪するのが理想です。
1日の汚れを翌日に持ち込まないためには、朝より夜洗うほうが良いといえます。
毎日洗髪する場合は一度洗いにし、すすぎを十分にすれば、洗いすぎによって頭皮や毛髪を傷める心配はありません。
▼スカルプケア
スカルプとは頭皮のことを指します。頭皮は人間の体の中で最も皮脂の分泌が盛んなところです。
したがって汚れ方も激しく、不潔にしておくと脱毛の原因となります。
頭皮を清潔に保つことがスカルプケアの大前提です。
通常、1回のシャンプーによって汚れの70%は落ちるといわれていますが、より効果的に汚れを落とすには、シャンプーをする前に、お湯で頭皮を良くマッサージしながらすすぎ流すといいでしょう。
そして洗髪後には育毛剤を用い、良くマッサージすることによって、頭皮の血行が良くなり、髪の性徴を促します。
まとめ
この記事では髪の毛の構造やその役割について解説してきました。
髪の毛は皮膚と同じタンパク質と水分で構成されており、頭を守るため、また一人一人の印象を表すためにあります。
髪の長さや数は日本人ならではの特徴がありますが、全て構造に仕組化されているのがわかったと思います。
美しい髪の毛を見出すためには、髪の毛の基本知識を付けておくことでそのケア方法なども効率的に行うことができるのです。
是非この記事を参考にして、髪の毛のスペシャリストを目指してみてはいかがでしょうか?