女性の薄毛

薄毛女性も知りたい!髪が語る歴史

2億年以上も前、哺乳類の進化に伴って発生した「毛」。

初期には感覚器官や保護構造として機能していましたが、進化した人類にっては社会的装飾という役割も果たします。

現代には女性の髪の毛は様々なトラブルや悩みが蔓延していますが、髪の毛の歴史やその構造を知ることで、原因が解明され、様々な悩みに対処することができます。

この記事では髪の毛はいかに育み、病み、何を語るのか、単純そうで複雑なその物語を解説していきます!

人をはじめ哺乳類だけに生える毛

毛はもともと、動物の進化に伴って発生したものです。地球上に生命体が現れたのは今から約35億年前のことで、地球の誕生から10億年くらいしか経っていません。

毛髪への変化は複雑で、脊椎動物の登場とともに、皮膚の構造に劇的な変化が現れることになりました。

原始の海を捨てて陸に上がったときに、皮膚はまったく新しい環境、つまり乾燥や外傷、強い光などから身を守る必要に迫られたのです。

爬虫類は魚類と同じ鱗を形作り、鳥類や哺乳類は皮膚表面を超えて伸びる繊維を形成しました。

鳥類は繊維が枝のように分かれて羽に変化し、哺乳類は糸のような状態で繊維芽のころ、それが最初の毛になりました。

毛包とは

毛包は実は、毛幹細胞の工場といえるものです。細胞の集合体によってできており、胎児のころに原始的な表皮の底で芽のように形成されます。

この細胞の集合体の芽が、皮膚の下で指のような形に伸びてきて、その中心が毛幹となるのです。

毛包は、毛包を取り囲んでいる真皮の血管から養分を得ています。

人間の毛包と動物の毛包の違い

多細胞の毛包を持つのは哺乳類だけで、魚や蛇、鳥などには見られないものです。哺乳類の毛包には、基本的に大きな違いはありません。

顕微鏡で覗くと、マウスの毛も、ライオンの毛や羊の毛とほとんど同じように見えます。

ただ、個々の毛包は、身体の場所によって大きく異なっていますし、哺乳類同士でも同じことが言えると思います。

例えば、人間の眉毛の短い毛と長い毛、わきの下の縮れ毛と頭皮の直毛、馬のたてがみと羊の軟らかい縮れ毛などを思い浮かべるとイメージしやすいかもしれません。

毛包のメカニズム

全ての毛包は、毛幹が急速に成長する時期や毛幹がまったく成長しない休止期、そして、毛幹が抜ける時期を減ることになります。

毛のある動物ほとんどにとって、毛の成長の始まりと終わりは、太陽の周りを公転する地球の軌道上の位置、つまり季節と関係しています。

年間を通じて、1本1本の体毛が近くにある体毛と同時に成長したり、抜けたりしているのです。

そして、毛のある動物ほとんどは、年間の季節に応じて毛包が成長しています。

ビーバーから猫に至るまで、動物の毛包は成長するか、休んでいるか、抜けようとしているかのいずれかの状態にあります。

春も終わりに近づくころ、飼っている猫の毛並みの手入れをしていると、他の季節よりもはるかに多い毛が服についたりするのは、大半の毛包が抜ける段階にあるからです。

毛包の成長周期

人の頭髪の毛包は、他の動物の毛包と違って、周期はあるものの天体の事象とは無関係です。

2年から6年の間、毛を生み出してやがて成長は止まりますが、体外・体内のあらゆるリズムと関係はないらしいといわれています。

ですから、頭髪の場合は、成長中のものや抜けかけているものがある一方で、しっかり根を下ろして休んでいるものもあったりします。

ただ、人によっては、あるシーズンになると、より多くの毛が抜けることもあるのです。

ストレスは脱毛の原因!?

ストレスは、毛髪の成長サイクルに影響を及ぼしうるもので、結果的に毛幹を失う事に繋がる可能性もあります。

ストレスを与えられた髪の毛は、毛包の成長が止まって、成長期の休止期に入ってしまいます。休止期は通常、脱毛機へと移行し、毛幹も失われることになってしまうのです。

毛包の成長周期は、医学的な原因でも乱される場合もあります。血中ホルモンの変化が毛髪の成長サイクルに影響を与える出産では、多くの女性が出産から3か月後に、それまで経験したことがない大量の抜け毛を経験しますが、異常な脱毛が生じます。

例えば外科手術や深刻な心的外傷、大切な人との別離、失業などですが、そのようなストレス信号が、毛に送る可能性があることもわかっています。

キューティクルとケラチンの重要性

シャンプーのCMなどでよく言われる「キューティクル」と「ケラチン」。実は髪の毛を健康的に保つうえで大切な層、成分なのです。

キューティクルとケラチンの重要性について詳しく解説していきます。

キューティクル

毛幹の表面は、ケラチンという物質で満たされた薄い細胞の層で覆われていて、この薄い細胞の層がキューティクルと呼ばれるものです。

家の屋根の瓦が屋根の上の方に向かって並んでいるものに対し、毛幹の表面ではキューティクル細胞が皮膚の表面に向かって並んでいます。

ケラチン

ケラチンそのものは大きな繊維状のタンパク質で、ほかのケラチン分子や細胞構造にしっかりと結びついています。

ケラチンは丈夫な物質で毛幹を形成している細胞を満たしており、毛包の構造に固有の強固さをもたらしているのです。

人の毛が果たしてきた歴史的役割

毛髪が人類史において果たしてきた役割は、社会的な役割です。第一には社会的なメッセージを送るということです。

社会的メッセージには、時代や社会を問わず、支配・受容・宗教・性認識・健康・疾病など、実に様々な分野に及んできました。

第二には、多くの人々が、個人の本質は毛髪と結びついていると考えてきました。たとえば髪を傷つけると、それが肉体から切り離されていたとしても、肉体に災厄を及ぼすといった考え方は、世界各国にみられるものです。

西アフリカのヨルバ族は、髪に宿る魂が悪人の影響にさらされることのないように、切った髪の毛を守るといわれています。

また、様々な文化において、魔法使いや魔女が手に入れた髪に媚薬を塗って、髪の毛の持ち主の分別を失わせて惑わすという言い伝えもあるようです。

さらに、髪は神への奉納にも利用されており、日本ではかつて、女性が愛する人の無事な帰還を祈りつつ、髪の束を奉納していました。

インドでは現在も、女性の罪を償うためとして、髪の毛を寺院に寄進するということが行われています。

歴史深い髪の毛を健康に保つ方法

健康な頭髪は、健康な身体に反映するものです。よく食べ、よく休み、適度に運動を行いながら、ストレスフリーな状態と幸せな人生を実現できるように努力すれば、頭髪の美しさは維持されます。

美しい黒髪をもつ日本女性の皆さんは、是非健康なライフスタイルが維持できるように細心の通意を払って生活していきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?この記事では髪の毛が物語る歴史や、その深い構造について解説してきました。

髪の毛を含む毛は、様々な機能を兼ねそろえており、私たち人間が生活する上でも欠かせないものとなっています。

女性の髪の毛で美しくあるためには、まずは内面から整えることが大切です。規則正しい生活や食習慣などが積み重なって健康的な髪の毛は作られます。

また、ケラチンやキューティクルなど髪の毛を美しく保つために必要な成分などを理解し、自分の髪質に合ったヘアケアをすることが重要です。

この記事を参考に、髪の毛に対する理解を深め、自分に合ったケア方法で美しい髪の毛をぜひ保っていきましょう。