女性の薄毛

市販のヘアカラーや白髪染めは危険!薄毛に悩む女性は絶対NG

若い女性は色を楽しむヘアカラー、白髪が気になってきたら白髪染めと、今は髪の毛の色を簡単に変化させることができます。

美容院で染める人が多いのですが、市販品でセルフする人もかなり増えています。

しかし、染めること自体髪にも頭皮にも良くない上、ホームカラーはもっとダメージを与えてしまいます。

今回は、市販品で髪を染めることの危険性について解説します。

ヘアカラーや白髪染めの仕組み

まずは、髪の毛が染まる仕組みについて、簡単に説明しましょう。

・髪の毛の構造
髪の毛は表面からキューティクル、コルテックス、メデュラに分かれています。

髪の毛の色を決めるメラニン色素はケラチンタンパク質や脂質、水分などと一緒にコルテックス内にあり、層になったキューティクルによってしっかり守られています。

・髪が染まる仕組み
髪を染める場合はメラニン色素を破壊し、代わりに染毛剤を入れます。

ヘアカラーや白髪染めにはアルカリ剤、過酸化水素(漂白剤)、酸化染毛剤が配合されており、1液にはアルカリ剤、2液には過酸化水素と酸化染毛剤が入っています。

この2つを使用直前に混ぜて髪に塗ると、まずアルカリ剤の作用でキューティクルが開きます。

すると過酸化水素がコルテックスに入り込み、メラニン色素を破壊して地毛の色を少し明るくします。

それと同時にアルカリ剤によって酸素が発生し酸化染毛剤を発色させ、髪を染めるのです。

酸化染毛剤は分子が小さいのですが、発色してコルテックスに入り込むと分子同士がくっつき、大きな分子になります。

するとキューティクルの隙間から逃げることができなくなり、染毛剤が定着して髪色を変化させるのです。

一度染まった髪はすでにメラニン色素がなくなっているため、時間が経っても元の髪色に戻ることはありません。

また、最近の酸化染毛剤は紫外線にも強くなっているため、日光によって色が褪せることも少なくなっています。

2剤式ヘアカラーや白髪染めはここが問題!

髪を染め続けていると、段々髪がゴワゴワになったり、毛先のほうから色が白っぽくなってきたりしませんか?

それには、このような原因があるのです。

・アルカリ剤はキューティクルを開きっぱなしにする
キューティクルを開かせるために使用するアルカリ剤は、髪に残留しやすいという性質があります。

そのため、一度染めると数週間は髪に残り、キューティクルが開きっぱなしになります。

するとブラッシングやドライヤー、シャンプーなどの刺激で剥がれやすくなるため、中のケラチンタンパク質や脂質、水分が逃げ出しやすくなります。

その結果、髪の健康が損なわれ、枝毛や切れ毛、クセ毛などが出てくるのです。

バッファー剤という、アルカリ剤を除去する薬剤がありますが、使用している美容院はそれほど多くないといわれています。

もしカラーリングするごとに髪のダメージが大きくなるという場合は、バッファー剤を使用してくれていない可能性が高いです。

・過酸化水素はタンパク質を変質させる
過酸化水素とは酸素系漂白剤のことで、地毛を染めるには元の髪色を薄くしたほうがきれいに染まるため、配合されています。

しかし、タンパク質を変質させる働きがあるため、アルカリ剤同様キューティクルが閉じにくくなったり剥がれやすくなったりして、髪に大きなダメージを与えるのです。

よく染め続けていると毛先の部分だけ色が明るくなってしまうことがありますが、これはダメージによって染毛剤がなくなってしまい、漂白された髪色が出てくるからです。

・酸化染毛剤はアレルギーを引き起こす
アルカリ剤や過酸化水素の害は、適切な施術を行なえば最小限にすることが可能です。

しかし、酸化染毛剤は洗っても落ちないため、最も長く髪に留まります。

そこで問題となるのが、酸化染毛剤によるアレルギーです。

かなり明るい色に染めるヘアカラーや白髪染め以外には、「パラフェニレンジアミン」という黒褐色系の染毛剤が配合されています。

この成分は古くからアレルギー反応が出やすいことがわかっており、旧表示指定成分となっているほど危険性のある成分です。

肌がデリケートな人ほど反応が出やすく、最初は頭皮のかゆみや炎症が起こり、それが顔全体や首、染毛剤が触れていない部分にまで広がっていったり、最悪の場合アナフィラキシーショックを起こしたりする場合もあるのです。

また、パラフェニレンジアミンが配合されていない場合でも、~ジアミン、~フェノールという名称の染毛剤は構造が近いため、同じような症状が出やすくなります。

市販のヘアカラーや白髪染めはとても危険!

美容院の場合、技術があるスタッフであればできるだけ頭皮につけないようにしたり、髪質や状態に合わせて薬剤の量を調整したりしてくれます。

そのため、ダメージがなくなることはないものの、少なくすることは可能です。

セルフで染めると危険な理由

しかし市販品の場合、「誰がやってもキレイに染まる」ことを最も重視しているため、薬剤の量が多かったり濃度が濃くなったりしています。

また、自分で塗る場合頭皮にはつけず根元から数ミリ離して…ということは困難で、頭皮から塗ってしまいます。

特に白髪染めの場合は根元が染まらないとすぐに目立ってしまうため、頭皮にもしっかり塗り込んでしまいがちです。

すると、アルカリ剤や過酸化水素によって頭皮のケラチンタンパク質や毛穴奥の毛母細胞まで変質してしまうのです。

セルフカラーしていると段々髪が抜けるようになった、切れ毛や枝毛が増えて来たという場合、間違いなく強い薬剤が原因です。

セルフカラーで死亡した例も

美容院で染める場合、もし気分が悪くなった場合はすぐに洗い流したり適切な処置を取ったりしてくれます。

しかしセルフの場合、頭皮がかゆくなったり炎症を起こしたりしても、そのまま我慢してしまうことがほとんどです。

すると突然アナフィラキシーショックを起こしてしまうこともあるのです。

実際、英国の17歳の少女が市販のヘアカラーを塗ってから数分後に呼吸困難を起こし、死亡した例があります。

日本でも、原因は深く追求されなかったものの、50代の女性が白髪染めの最中に体調を崩し、入院したが亡くなったというケースがあります。

アンモニア臭がしないものや短時間で染めるものはさらに危険

最近は、アンモニア臭がしないものや短時間で染まるという商品が増えています。

しかし、そちらの方がもっと危険なのです。

アンモニア臭はアルカリ剤から出ているもので、それをモノエタノールアミンなど別の薬剤に変えることで臭いを抑えているのです。

しかし、これらの薬剤はアンモニアに比べて髪や頭皮に残留しやすくなっています。

市販品にバッファー剤などは付属されていませんから、完全に落ちるまで髪と頭皮にダメージを与え続け、フケやかゆみ、抜け毛や薄毛の原因となってしまうのです。

また、短時間で染めるものはその分薬剤が強くなっています。

特に強くなるのが過酸化水素で、濃度を6%近くまで上げています。

過酸化水素は6%を超えると毒物及び劇物取締法により一般人が扱えなくなるため、その制限を超えないリミットまで配合しているのです。

しかし、過酸化水素は遺伝子を変質することが判明しており、毛母細胞のDNAを破壊して健康な髪が育たなくなってしまうのです。

まとめ

髪の毛の色を変えて楽しみたい、老けて見えないようにしたいというのは、多くの女性が願っていることです。

しかし、そのために薄毛になってしまっては、いくらカラーがきれいになってもちっとも映えませんよね。

さらに頭皮が荒れて慢性的にフケやかゆみが出たり、枝毛や切れ毛が増えてお手入れ不足に見られたりと、良いことはありません。

できるだけ染める頻度を減らし、染める時は技術力のある美容院で染める、あるいはヘアマニキュアやカラートリートメントを使うなど、できるだけ髪と頭皮にやさしい方法でカラーリングしてくださいね。