ヘアケア

週末は樹木に囲まれて森林浴しよう!薄毛女性にお勧めする3つの理由

疲れやストレスが溜まってきたと感じた時におすすめなのが、森林浴です。

美しい緑と美味しい空気に包まれると、自然と深呼吸してしまいますよね。

森林浴は身体にも心にも良い効果があることが知られていますが、今回ご紹介するのは髪の毛への影響です。

昔から美しく艶やかな髪を「みどり(緑)の黒髪」と表現したほどですから、とても良い効果が期待できるんですよ。

森林浴とは?

「森林浴」とは、1982年に林野庁が「健康・保養に日本の森林を活用しよう」と提唱して始まったものです。

日本は国土の7割が森林ですが、当時はあまり整備されていませんでした。

そこで国有林を整備して、健康のために活用しようとしたのです。

それ以降、森林の持つ効果が様々な角度から研究され、現在は癒しや病気の予防・改善などの効果が科学的に認められています。

今では海外でも森林浴の素晴らしさが認められ、米国や中国でも行なわれるようになっています。

また、森林浴という名前はついていないものの、自然を病気の予防や治療に利用する方法は特にヨーロッパで盛んです。

ドイツではクナイプ神父が考案したクナイプ療法の中に、森林浴が取り入れられています。

森林浴の効果はフィトンチッドの働き

森林浴には様々な効果があることが実証されています。

これらの効果は、「フィトンチッド」という物質によるものです。

植物が害虫などから身を守ったり、傷ついた部分を殺菌したりするために作るバリア成分で、フィトンは植物、チッドは他の生物を殺すという意味のロシア語です。

フィトンチッドの主成分はテルペンという有機化合物で、メントール、カンファー、リモネン、リナロール、グラニオールなど様々な種類があります。

植物によってテルペンの種類は違い、ヒノキの場合約50種類のテルペンから作られています。

森林浴で得られる効果

森林浴で得られるとされる効果は幅広く、特に以下の作用は科学的に立証されています。

ストレスの緩和
人間はストレスを感じると交感神経が活性化し、心拍数が上がって筋肉が硬くなり、血管は収縮します。

また、内臓の働きも最低限になります。

そのため、交感神経が優位な状態が続くと常にイライラしたり、頭痛や肩こり、動悸などの症状が起こりやすくなったりします。

また、睡眠が浅くなるため内臓の疲労が取れず、身体が弱ってきてしまいます。

森林浴には、交感神経を鎮め副交感神経を活性化する作用があります。

森林総合研究所が実証実験を行なったところ、森林浴をするとストレスホルモンのコルチゾールの濃度が薄くなることが確認されています

やる気の回復
森林浴によって、脳の前頭葉の働きが正常になることがわかっています。

前頭葉は高度な情報誌処理や創造、記憶、コミュニケーションなどを司る部分で、この部分が衰えると物忘れややる気の低下などにつながります。

しかし、活性化し過ぎてもドーパミンという神経伝達物質が過剰分泌され、脳を興奮させてしまいます。

森林浴はドーパミンの量をコントロールし、前頭葉の働きを正常にしてくれるのです。

血圧や血糖値の安定
ストレスホルモンといわれるコルチゾールは副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの一種で、ストレスに対応するために大切なホルモンです。

しかし、血圧や血糖値を上げる働きもあるため、増え過ぎると高血圧や糖尿病などにかかりやすくなります。

そこで森林浴でフィトンチッドを浴びると、コルチゾールの濃度が薄くなるため、血圧や血糖値の上昇を抑えることができるのです。

免疫力強化によるガンの予防効果
ナチュラルキラー(NK)細胞とは人間が生まれながらに持っている特殊なリンパ球で、ガン細胞やウイルス感染細胞など、人間に害を与える細胞を攻撃する役割があります。

通常、リンパ球の1~3割がナチュラルキラー細胞ですが、20歳前後がピークで、40歳頃からどんどん減ったり弱ったりしてしまいます。

ガンが40代から増えるのは、ナチュラルキラーの減少や不活性化によるものだと考えられています。

そこで、森林総合研究所が森林浴によるガン予防効果について、実際に東京のサラリーマンに2泊3日で森林浴をしてもらう実験を行ないました。

その結果、ナチュラルキラー細胞や抗ガンタンパク質が5割以上増加・活性化することが確認されています。

しかも、1ヶ月以上にわたり活性化がある程度持続しており、ガンの予防に一定の効果があると期待されています。

また、フィトンチッドそのものには抗菌・殺菌作用、抗酸化作用、消臭作用などがあります。

例えば、昔はおにぎりを包む時などは竹の皮などが使われていましたが、これはフィトンチッドの抗菌・殺菌作用を先人が体験からわかっていたからでしょう。

東南アジアでは今でもバナナの葉などが屋台で使われていて、高温多湿でも朝包んだご飯が夜まで持つそうです。

森林浴が頭皮や髪にもたらす作用

このように、非常に高い健康効果が期待できる森林浴ですが、最近になって育毛にも効果が期待できることがわかってきました。

毛乳頭が活性化し髪に充分な栄養が届く
日本の森林には、ヒノキが多く生息しています。

ヒノキに含まれるヒノキチオールにはIGF-1と呼ばれるインスリン様成長因子を増やす働きがあります。

IGF-1は、刺激物を食べて知覚神経が刺激されると分泌される物質です。

この成分が血中から毛穴奥の毛乳頭という栄養貯蔵庫の細胞に働きかけることで、毛根部が活性化します。

すると髪に充分な栄養が届くため、髪の成長期が伸び、抜けにくくなるといわれています。

すでにヒノキチオールは薄毛治療クリニックで使用され、育毛剤にも配合されていることから、効果が期待できます。

副交感神経の活性化で血流が良くなる
ストレスには交感神経を活性化させる働きがあることは前述しましたが、それによって血管が収縮してしまうと、頭皮に血液が届きにくくなってしまいます。

特に耳から上の部分は非常に細い毛細血管しかないため、血液が届かない状態が続くと消滅してしまいます。

森林浴には副交感神経を活性化させる作用があるため、血流が良くなります。

その結果頭部にも充分な血液が流れるようになり、髪を太くしっかり成長させてくれるのです。

質の良い睡眠が取れ、成長ホルモンの分泌量が増える
森林浴をすると、睡眠時間が伸び、しかも熟睡時間が増えるという結果が出ています。

入眠後30分~3時間の間の熟睡時間には、成長ホルモンの分泌量が増えます。

成長ホルモンには細胞の修復や新陳代謝を促す効果があり、日中紫外線や外的刺激でダメージを受けた毛母細胞の機能を改善してくれます。

すると健康な髪が生まれ、しっかり根を張った抜けにくい髪になるのです。

森林浴で身体も髪も健康に

ここでは、森林浴の方法を簡単にご説明します。

森林浴を行なう頻度

森林浴の効果をナチュラルキラー細胞の活性度を見ると、1週間後はほとんど変わりませんが、1か月後には約半分まで下がっているという結果が出ています。

もちろん、それでも森林浴を全くしない状態よりはるかに良いのですが、できれば毎週、それが無理でも月に一回は森林浴をすると、健康にも育毛にも効果が期待できるでしょう。

>森林浴に適した天候や時間帯

曇りの日でもかまいませんが、できれば適度に日差しがあったほうが精神的に良いでしょう。

午前中や午後3時以降など、紫外線が強い時間帯を避けるようにしてください。

また、一度の森林浴の時間は、2時間程度が良いとされています。

しかし、仮に30分しかできなくても、リラックス効果は充分ありますよ。

森林浴に適した場所

最も良いのは、一時間程度散策できる程度の広さがある森林公園です。

手入れしていない山奥などは足場が不安定で危険が伴うので、避けたほうが良いでしょう。

また、森林浴を世界に広めている森林セラピストの李卿氏によると、ナチュラルキラーの活性化は無理ですが、街中の公園でも十分リラックス効果は得られるということです。

さらに、自宅ではフィトンチッドを含む植物を置いたり精油を嗅ぐ、あるいは森の音のCDやYouTubeを聴くだけでも、充分リラックスすることができます。

まとめ

森林浴はとても手軽で、しかも健康効果や育毛効果が期待できる素晴らしい方法です。

なかなか行く機会がない、あるいは近くにないという場合は、できるだけ木が多く生えている公園でも大丈夫です。

五感を研ぎ澄ませ、様々な音や匂い、木々の色に触れて自然と一体化しましょう。