女性の薄毛

女性の薄毛に初期症状の病気がある?

薄毛が初期症状の病気がある?

薄毛の原因は加齢や生活習慣の乱れなどの他に病気の初期症状もあることをご存知でしょうか。
加齢による薄毛だと思って放っておいたら実は病気の初期症状だった、ということもあります。
病気の初期症状だった場合、早めに医師の診察を受けることが大切です。

今回は薄毛の症状が現れる病気について説明していきたいと思います。

初期症状に薄毛が含まれる病気

初期症状で薄毛の症状が現れる病気は実は多くあります。
・甲状腺機能低下症(橋本病)
・肝硬変
・糖尿病
・貧血症
・全身性エリテマトーデス(自己免疫疾患・膠原病)
・卵巣嚢腫

などです。

1つずつ詳しく説明していきたいと思います。

甲状腺機能低下症・橋本病

橋本病は甲状腺に慢性的な炎症が起こってしまう病気です。
女性の発症率は男性よりも多く、女性は男性の約20〜30倍の確率で発症すると言われています。
1番多く発症する年代は30代〜40代で、ちょうど女性ホルモンは減少しはじめる時期と重なります。
橋本病は自己免疫の異常で起こりますが、その原因は現在はまだはっきりと解明はされていません。

甲状腺機能低下症も橋本病の症状に含まれます。
甲状腺機能低下症とは血液中の甲状腺ホルモンが不足している状態のことです。

甲状腺ホルモンには代謝を調節する働きがあり、これが不足すると、
・むくみ
・皮膚の乾燥
・寒がり
・食欲減退
・無気力
・徐脈(脈が著しく遅い)
・月経異常
・筋肉症状

などが現れます。

橋本病・甲状腺機能低下症と薄毛の関係は

1,頭皮が乾燥すると、刺激に敏感になります。

2,食欲が落ちてくると必要な栄養を摂取できないため、髪の毛にまで栄養が行き渡りません。

3,脈が遅くなると血行も悪くなり、栄養が頭皮や髪に届きにくくなります。

4,月経異常でホルモンバランスも崩れ、髪の毛の成長を促すホルモンの分泌が減少してしまいます。

5,無気力になると動かなくなるため、運動不足になり血行不良になります。

このように甲状腺機能低下症・橋本病になると薄毛の症状が出ることがあります。

肝硬変

肝硬変はB型・C型肝炎ウィルス感染、長期的の多量の飲酒、自己免疫、営養過多などが原因で起こる慢性肝炎や肝障害が悪化した状態のことを指します。

アルコールの摂取、肝炎ウィルス感染、肥満などの原因により、肝臓に炎症が起こり、肝細胞が壊れてしまい、肝炎となります。

肝炎の状態が長く続くと肝細胞の破壊と再生が繰り返されるので肝臓に線維組織が蓄積されていきます。
この状態を肝臓の線維化といって、悪化すると肝硬変になってしまいます。

肝硬変の主な症状は
・倦怠感
・微熱
・食欲低下
・黄疸
・腹水
・意識障害

があります。

肝硬変と薄毛との関係は

1,倦怠感や微熱によって寝ている状態が長くなり運動不足になってしまうことで血行不良になり、頭皮や髪に営養が行き渡らなくなります。

2,食欲低下により、髪の毛に必要な栄養が摂取できません。

また上記以外でも、肝硬変で代謝に異常が生じると抜け毛や薄毛の症状が出でくることがあります。

糖尿病

糖尿病は血糖値が上がってしまう病気です。
通常でも食事などの後は血糖値が上がりますが、しばらくすると元に戻ります。
ですが、糖尿病は血糖値が通常よりも上がり、元に戻らず上がったままの状態が続きます。

女性特有の原因ではエストロゲンという女性ホルモンの低下があります。
もともと、このエストロゲンのおかげで男性よりも発症率が低いといわれています。
ですが、更年期や加齢でエストロゲンが減少すると、糖尿病の発症率が高まってしまうのです。

エストロゲンは髪の毛の生成や成長にかかせない女性ホルモンです。
その減少は薄毛、抜け毛にも関係してくるのです。

糖尿病の初期は本人が自覚できるような症状がほとんどありませんが、
・喉が異常に乾く
・食欲が異常に増す
・疲れやすくなる
・足がつりやすくなる
・巻爪になる

などの症状が見られることがあります。

また糖尿病患者の3人に1人の割合で頭皮のかゆみなどの症状が見られると言われています。
尿や汗に糖が混じっていて、それが皮膚に接触することでか菌が増えて、かゆみが出てくると考えられています。
かゆみや菌が増えることは薄毛の原因となります。

貧血症

女性に多い貧血症。
貧血症とは、栄養が不足することで起こる症状で、1番多いのが鉄分が不足して起こる「鉄欠乏性貧血」です。

貧血の8割はこの鉄欠乏性貧血と言われています。
貧血の症状には
・倦怠感
・動悸、息切れ
・食欲不振
などがあります。

倦怠感のため、運動不足になり血行不良を招きます。
食欲不振によって、髪に必要な栄養も摂取できなくなってしまいます。

また、血液の中の赤血球に含まれているヘモグロビンは酸素を運ぶ役割を持っています。
しかし、貧血になるとこのヘモグロビンも減少してしまい、頭皮や髪に酸素を届けられなくなります。

それが薄毛の原因となってしまうのです。

全身性エリテマトーデス・自己免疫疾患・膠原病

全身エリテマトーデスとは膠原病の代表的な疾患のひとつで全身の血管や皮膚、筋肉や関節などに炎症が起こる病気です。

全身エリテマトーデスを発症するのは9割が女性です。
20代〜40代に多く発症します。
詳しい原因についてはまだ解明されていませんが、免疫系が自分の体を攻撃してしまうことで発症します。

症状に個人差が大きい病気ですが、主な症状は

・口、鼻の中に腫瘍ができる
・指先が白くなったり、紫になったりする
・ふしぶしが痛い
・足のすねに痣ができやすい
・前頭部から頭頂部にかけての脱毛
・ルーブス腎炎
・足のむくみ

などがあります。

病気の症状にも脱毛がありますが、ステロイド薬を使用する治療方法によっても脱毛が起こってしまいます。

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫とは卵巣内にできる腫瘍のことで、自覚のない無症状であることが特徴です。
そのため、なかなか気づきにくく、腫瘍が大きくなってから気づく場合もあります。

卵巣嚢腫には子宮内膜症によって卵巣内にチョコレートのような古い血液が溜まる「チョコレート嚢腫」水や粘液が溜まる「嚢胞腺腫」皮膚や髪の毛や歯などの組織が溜まる「皮様嚢腫」があります。

卵巣嚢腫になると女性ホルモンが乱れるため、薄毛や脱毛の症状が現れます。

一般的な抜け毛と病気が原因の抜け毛の違い

では一般的な抜け毛、薄毛と病気が原因の薄毛はどう違うのでしょうか。

一般的な抜け毛は、加齢、生活習慣の乱れ、食生活の乱れ、過度なダイエットなどが原因で起こる薄毛です。

女性はこれらの原因の薄毛の場合、量が減ると言うよりは髪の毛がやせ細り、全体的なカサが減ります。
抜け毛があったとしても、病的にごっそりと抜けたりはしません。

しかし、
・部分的な抜け毛
・大量の抜け毛

の症状があった場合、や一般的な抜け毛、薄毛の原因に心当たりがない場合、病気が原因ということも考えられます。
心配だったり、気になったりしたら、一度病院で診察してもらいましょう。

まとめ

いかがでしたか?
薄毛の原因や、薄毛の症状が出る病気がこんなにあったとはびっくりですよね。
抜け毛や薄毛、そして思い当たる症状があるひとは病院へ行くことをおすすめします。

また、今は症状がなくても、症状がでたときに早めに治療することができるように、いろいろな病気の薄毛の症状について参考にしてもらえたら嬉しいです。