ふと気がつくと肩に白い粉がついていたり、頭をかくとぱらぱらと白いものが落ちたりすることはありませんか。
きちんと髪を洗っているにも関わらず、目につくほどフケが発生するようであれば、頭皮環境が悪化しているサインです。
そのまま放置していると、髪が育たず抜け毛や薄毛を招く可能性がありますよ。
この記事では、フケの正体や種類、対策方法について紹介していきます。
この記事を読んで正しく対処できるようになりましょう。
Contents
フケは頭皮の新陳代謝で剥がれた角質
人の肌は、一定の周期で新しく生まれ変わっています。
肌のもっとも表面にある角質層は、さらに4つの層に分かれています。
一番下の層から新しい肌細胞が生まれ、時間をかけて上へ上へと押し上げられていき、表面にある古くなった角質が剥がれるのです。
これを肌のターンオーバーといいます。
頭皮の場合、この古くなって剥がれ落ちたものがフケです。
つまり、誰でもフケは発生していることになります。
ただし、正常にターンオーバーが行われていれば剥がれた角質はとても小さく、ほとんど目につくことはありません。
フケとして認識できるのは、何らかの原因で角質が大きく剥がれたときです。
フケには2種類ある
フケには、大きく分けて乾性フケと脂性フケの2種類あります。
それぞれ特徴もできた原因も異なります。どう違うかを見ていきましょう。
脂性フケ
頭皮は皮脂の分泌が盛んです。
べたつくからと嫌われがちな皮脂ですが、必ずしも悪いものではありません。
適度に分泌されていれば天然のクリームのような効果を発揮し、肌の水分が蒸発するのを防いで潤いを守る大切な役割があるのです。
ところが、ホルモンバランスの乱れやストレス、洗い残しなどが原因で、頭皮の皮脂量が過剰になることがあります。
すると、地肌に残った皮脂に汚れが絡まったり、皮脂によって増殖したマラセチア菌の刺激によってターンオーバーのリズムが狂ったりして、角質同士がくっつきあって剥がれ落ちるようになることがあるのです。
これを脂性フケといい、べとべとして黄色っぽい見た目をしています。
頭皮や髪にへばりついていることもあります。
乾性フケ
髪を洗い過ぎたり、洗浄力が強すぎるシャンプーを使っていたりすると、頭皮の汚れや酸化した古い皮脂だけではなく必要な皮脂まで落としてしまうことがあります。
先に述べたように、皮脂は肌の潤いを守るために必要なものです。
落ちてしまうと、頭皮が乾燥してカサカサになってしまいます。
すると、頭皮のターンオーバーのリズムも乱れてしまい、まだ未熟な状態の角質が落ちてしまうことがあるのです。
これを乾性フケといい、細かくカサカサしています。
フケが出ると何が悪い?
頭皮のターンオーバーが正常に行われていれば、角質が剥がれても小さくてほぼ気づくことはありません。
目に見えるフケになっているということは、皮脂過剰になっているか乾燥しているかのどちらかです。
いずれにしても頭皮の状態は良くありません。
頭皮は、髪が生える大切な土台です。
作物でいえば土壌にあたり、土の状態が悪ければそこに生えているものはしっかり育ちません。
フケが出る状態を放置していれば、髪もしっかり育たずに細く頼りないままとなり、抜けて薄毛を助長する可能性が高いです。
たとえば、皮脂が過剰になっている場合、常在するマラセチア菌が繁殖して炎症を起こすことがあります。
すると、その炎症が原因で脱毛が起こる脂漏性脱毛症という疾患を招くことがあるのです。
また、乾燥しているとウィルスや細菌に対する抵抗力が落ち、感染しやすくなります。
こうなると頭皮が荒れてしまい、髪が育ちにくくなるのです。
また、あまりに肌の乾燥が進むと、危機感を覚えた肌は水分の代わりに皮脂を分泌して補おうとします。
そのため、肌の内部は乾燥しているのに頭皮はべたつく状態となることがあります。
これも頭髪にとって好ましい状態とはいえません。
フケに気がついたら、それ以上頭皮状態が悪化しないように早めに対策することが大切です。
自宅でできるフケ対策を紹介
正しくヘアケアをする、生活習慣を見直すなどの対策をとることで、フケが治まることがあります。
ここでは、いくつか注意すべきケアのポイントを紹介します。
ヘアケアの基本・シャンプー
さまざまなヘアケアアイテムのなかでも、もっとも注意したいのがシャンプーです。
これは、シャンプーに含まれる洗浄成分が髪や頭髪に与える影響が大きいからです。
既に述べたように、洗浄成分が強すぎると必要な皮脂を落としてしまい、頭皮の乾燥を招きます。
これを避けるために、シャンプーは洗浄力がマイルドなものを選びましょう。
植物オイルやアミノ酸など保湿成分が入っていると、さらに望ましいです。
また、シャンプーするときは、適当に髪を濡らして手にとったシャンプー液を直接髪につけてワシワシと洗うといったことはしてはいけません。次の手順を守りましょう。
丁寧にブラッシングして髪についたほこりや汚れを落とし、絡まりをとっておく。
ぬるま湯で髪をしっかり予備洗いする。この段階で汚れの大半が落ちる。
シャンプー適量を手のひらに出し、ぬるま湯を少し加えてよく泡立てる。その泡で髪を洗う。泡がクッションになり、髪同士の摩擦を防ぐことで傷みが防げる。
ぬるま湯でしっかり洗い流す。耳の裏や額の生え際などを忘れがちなので意識してしっかり落とす。
熱い湯を使うと、皮脂が落ちやすくなり乾燥につながります。洗髪時はぬるま湯を使いましょう。
ドライヤーのかけ方にも注意
ドライヤーは温風がでるため、乾かし方を間違えると髪に熱ダメージを与えたり頭皮の乾燥を招いたりします。そこで、以下の手順を守って使うようにしましょう。
洗髪後は、乾いた清潔なタオルで髪を包み込み、優しく押さえてしっかり水気を吸いとる。髪からぽたぽたと水滴が落ちなくなる状態までタオルドライする。
髪に絡まりがあるときは、優しくほぐす。
ドライヤーは髪から10~20cm程度は離し、小刻みに動かしなら髪を乾かしていく。一カ所に集中的に温風を当て続けない。
全体を8割程度乾かしたら、最後に前髪にも温風をあてて乾かす。
最後は冷風をあて、髪に溜まった熱をクールダウンする。乾かし過ぎを防ぎ、キューティクルが引きしまってツヤがでる
生活習慣を整えよう
睡眠不足で疲れが回復していなかったり栄養が偏った食生活をしていると、免疫力が落ちたり血行不良になったりして頭皮環境が悪くなります。
そのため、生活習慣や食生活を見直すことも大切です。
脂性フケが出る人は、脂っこいものや甘いものの食べ過ぎに注意し、栄養バランスを考えた食事をとるようにしましょう。
毎日なるべくしっかり睡眠時間をとることも大切です。
フケが治まらないときはクリニックの受診も
ヘアケアや生活習慣の見直しをしてもフケが改善しない場合、皮膚科を受診するのがおすすめです。
特に、脂性フケが大量に出ている場合、脂漏性皮膚炎を起こしている可能性があります。
放置していると炎症が大きくなり、抜け毛につながります。
悪化する恐れがあるので、早めに皮膚科で治療を受けることが大切です。
まとめ
フケにはべたついた大きくて黄色っぽい脂性フケと、ぱらぱらと落ちる細かく白い乾性フケの2種類があります。
どちらのフケが出る場合も、頭皮環境が悪化している可能性が高いです。
放置していると、髪がしっかり育たず抜けやすくなり、薄毛になる恐れがあります。
フケに気がついたら、シャンプーやドライヤーのかけ方に注意する、生活習慣を整えるなどの対策をとることが大切です。
フケが出る状態が長引いたり、あまりに大量に出たりするときは、皮膚科を受診しましょう。