女性の薄毛

その薄毛、女性の日常習慣が原因かも?すぐに見直したい5つのポイント

統計によると、女性が薄毛を意識し出すのは30代後半が最も多いそうです。

この時期は女性ホルモンの分泌量が減る時期と一致しているため、それが最も大きな原因と考えられています。

しかし、近年は10代や20代でも薄毛に悩む女性が増えており、ホルモン以外の原因が大きく関係しているようです。

薄毛に悩む方は、自分に当てはまる原因がないかチェックしてみてくださいね。

薄毛は遺伝?女性の場合その可能性は高くない

日本人の髪の本数は6万~15万本といわれ、毛穴の数によって決まってきます。

毛穴の数は遺伝なので、元々薄毛の方は残念ながら遺伝による部分が大きいでしょう。

しかし、加齢とともに薄毛が目立ってきたという場合、遺伝の可能性は少ないです。

毛穴の数は遺伝でも、そこから生える本数は生活習慣が大きく影響するからです。

頭皮が健康な人の場合、1つの毛穴から3~4本生えていますが、状態が悪い人は1本からせいぜい2本、しかも髪の太さにばらつきがあります。

男性の場合、母方の男性親族の遺伝子によって薄毛になりやすいことがわかっていますが、女性は女性ホルモンの作用が強いため、影響は弱いといわれています。

女性の薄毛は加齢と女性ホルモンが原因?

女性は30代後半頃から髪に大きな変化が現われます。

その原因といわれているのが、加齢と女性ホルモンです。

加齢と女性ホルモンの関係

女性の髪の毛は太さが40歳前半、本数は30歳前後がピークという研究結果があります。

そのため、加齢が薄毛の原因であることは間違いありません。

また、この時期はちょうど女性ホルモンの分泌量の減少と重なるため、ホルモンの影響が強いと考えられます。

女性ホルモンには、髪を健康に保ち寿命を伸ばす働きがあります。

しかし、女性ホルモンは一生のうちにティースプーン1杯分しか分泌されないといわれており、ほんの少しの減少でも髪に影響が出てくるのです。

また、生涯の女性ホルモン分泌量が決まっているということは、どこかで大量に使ってしまうと髪への影響も早くなるということです。

例えば妊娠中はホルモンの血中濃度が最高で妊娠前の100倍になるため、妊娠回数が多いほど薄毛になりやすい傾向があります。

女性ホルモンを増やせば良い?残念ながら増えません。

女性ホルモンは卵巣で作られますが、加齢とともに機能が低下します。

脳はホルモンを作るよう指令を出し続けますが、卵巣にはその力が残っていません。

そのため、よほど卵巣の健康状態が良い人でない限り、女性ホルモンは減るのみなのです。

薄毛に悩む若い女性も急増!5つの原因と対策法

最近は若い女性でも卵巣の状態が良くなく、女性ホルモンの分泌量が減っている人が増えています。

しかし、薄毛の原因はそれ以外にもたくさんあるのです。

ここでは、代表的な原因とその対策法を解説します。

原因①:偏食や極端なダイエット

髪の主成分はタンパク質ですから、食事で充分摂取しなければなりません。

偏食や間違ったダイエットで肉や魚を極端に制限すると、タンパク質が不足してしまいます。

タンパク質は全身の組織に必要なものなので、不足すると髪に届く前にすべて使われてしまい、髪がパサパサになったり抜けやすくなったりしてしまうのです。

また、今流行りの糖質制限はタンパク質を中心に摂取するので、髪に良いと思われるかもしれません。

しかし、糖質(炭水化物)は効率の良いエネルギー源で、不足するとタンパク質が分解されてその代わりをします。

すると髪の毛まで届かなくなるため、髪質が低下したり抜けやすくなったりしてしまうことがあるのです。

さらに、炭水化物や甘い物が好きな女性も要注意です。

最近注目されている「糖化」は、糖質とタンパク質が結合して劣化し、蓄積されてしまうというものです。

この物質をAGEといい、AGEが頭皮に集まると頭皮の柔軟性を保っているコラーゲンやエラスチンが変質して硬くなります。

すると血行が悪くなり、薄毛の原因となるのです。

<対策法>

タンパク質だけでなく、ビタミンやミネラルを意識して摂取しましょう。

生野菜は見た目は豪華でもビタミンは全く足りていませんから、温野菜や煮野菜などを中心に、大根やニンジン、ゴボウなどの根野菜や青菜、果物をたっぷり摂りましょう。

また、食事では難しいという場合は、ビタミンやミネラルのサプリがお勧めです。

1日1~2回の摂取で充分な量が配合されている商品がたくさんあります。

原因②:運動不足や悪い姿勢

頭皮に栄養を届けるのは血液ですが、女性は元々血流があまり良くありません。

男性に比べ女性のほうが身体の構造が複雑になっている上、筋肉が少ないからです。

血液は心臓のポンプと筋肉の動きによって全身を回るため、筋量が少ないと血行も悪くなってしまうのです。

さらに、運動不足は筋量や筋力をますます低下させるため、血液が頭皮まで送られなくなってしまいます。

もう一つ、パソコンやスマホの長時間使用によっても血行が悪くなります。

同じ姿勢をずっと取っていると筋肉が硬くなり、その部分の血管が潰されて痛みを発します。

これが肩こりや首こり、眼精疲労で、この状態になった時にはかなり血行が悪くなっており、薄毛が進行している可能性大です。

<対策法>

「運動」と構えず、駅まで早足で歩いたり、早朝近所を散歩したり、階段を使うといったことでも十分です。

筋肉の7割は脚に集まっているので、足を動かすことを意識しましょう。

また、パソコンやスマホの使用が多い人は時々腕を上にあげて全身を反らすなど、悪い姿勢が固定しないようにすることが大切です。

原因③:質の悪い睡眠

スマホが生活の一部になっている女性は少なくありません。

しかし、パソコンやスマホは脳を興奮させ、交感神経を活性化させてしまいます。

するとベッドに入ってもなかなか寝付けなくなったり、深夜目が覚めてしまったりして、眠りが浅くなります。

睡眠時には成長ホルモンが分泌され、細胞を修復し新陳代謝を助けています。

しかし、このホルモンは眠りについてから3時間程度の間「熟睡」していないと、充分分泌されません。

そのため、寝るまでスマホが手放せないという人は、若くても薄毛が進行しやすいのです。

<対策法>

パソコンやスマホの使用は入眠の1~2時間前に切り上げ、入浴やストレッチなどで心身をほぐしましょう。

特に入浴は全身の血行を良くし、副交感神経を活性化させて質の良い睡眠をもたらします。

普段はシャワーという人も、週に1~2回は38~40℃前後のお湯にゆっくり浸かる時間を取りましょう。

原因④:アルコールの飲み過ぎ

アルコールは一時的にリラックス効果をもたらしますが、依存性が高いため禁断症状も起きやすく、交感神経が活性化してしまいます。

すると血管が収縮して血行が悪くなるため、薄毛の原因となるのです。

さらに、アルコールはアセトアルデヒドという物質に変化した後に分解される際、ビタミンCや亜鉛を大量に消費します。

これらの栄養素は、食べたタンパク質を頭皮や髪の毛のケラチンタンパク質に変化させるために必要な成分です。

そのため、アルコールの摂取量が増えるとケラチンタンパク質が減り、頭皮環境の悪化や細毛、抜け毛などにつながるのです。

<対策法>

日本人は、世界で最もアセトアルデヒドを分解する酵素が少ない人種だといわれています。

日本人の約44%は分解酵素を全く持たないか、あるいは分解力が非常に弱い酵素しか持っていないのです。

アルコールの摂取はできるだけ控えめにしましょう。

どうしても飲みたいという場合は、1口飲んだら水を1口というように、できるだけ薄めると良いですね。

また、タンパク質には肝臓を守り、アセトアルデヒドの量を抑制する効果があるので、お酒を飲む時はチーズや卵、肉類などタンパク質を合わせて摂りましょう。

原因⑤:パーマやカラーリングのし過ぎ

パーマやカラーリングに使われているのは、アルカリ剤や過酸化水素です。

アルカリ剤は髪のキューティクルを開いたり髪を柔らかくしたりするために使われていますが、頭皮は弱酸性で、アルカリ剤が残留すると頭皮に刺激を与え、毛母細胞を変質させてしまいます。

美容室でアルカリ剤をしっかり洗い流してくれると良いのですが、特殊な薬剤を使用しないといけないため、おざなりなところが少なくありません。

また、過酸化水素は髪の脱色やパーマのカール作りのために使われますが、皮膚につくとやけどを起こし、細胞のDNAを破壊してしまいます。

<対策法>

最近、アルカリ剤や過酸化水素不使用、または少量使用のパーマ剤やカラーリング剤が増えています。
美容院で相談すると良いでしょう。

また、自宅で染める場合は、ヘアカラー剤よりカラーワックスやカラートリートメント、ヘアマニキュアなど髪と頭皮を傷めにくいものがお勧めです。
リタッチだけでもこういったものを使うと、髪と頭皮へのダメージが小さくなります。

まとめ

女性の薄毛は男性と違い、一つのことが原因ということがあまりありません。

そのため原因を少しずつでも改善すれば、髪の成長を助け健康な髪を蘇らせることが可能なのです。

今回の記事で思い当たることがあれば、そこから見直していきましょう。