寒い季節を迎えると体がこわばりますね。
そうすると全身が柔軟性を失ってしまい、様々な体の不調を招くことがあります。
特に女性は冷え性の方が多いため、体の不調も辛く重いものになりがちなのです。
冷えは全身の活力を低下させてしまい、免疫力を低下させてしまうだけでなく、頭皮にも悪影響を与えてしまうので対策を取ることが必要なのです。
頭皮と冷えの関係
強いストレスを感じた時には全身が硬直してしまい、血行不良になってしまいます。
冷えも毛細血管を収縮させてしまうため、全身の血管も収縮させて血の巡りを極端に悪くしてしまうのです。
体内から熱の放散を防いで体温を維持するための生命維持作用によるものです。
その中でも外界と接することで、皮膚の血管は体温を逃がさないようにギュっと縮こまってしまうのです。
そうなると、太い血管だけではなく細い頭皮の毛細血管もあるため、容易に血行不良を引き起こしてしまいます。
また、頭皮だけではなく全身の血管は収縮します。
その結果、発毛育毛に必要な栄養がなかなか頭皮に届かなくなります。
届いても頭皮の毛細血管は極度に縮こまってしまうため、さらに毛根までの道のりが遠くなってしまいます。
そうならないためにも、育毛剤や頭皮マッサージをすることで、頭皮の血流を良くすることもあります。
しかし、それだけではなく頭皮へ続く太い血管が通る首や肩を冷えから守ることで、当該部の太い血管の収縮も防ぐ必要があります。
肩と首の冷え防止法
漢方の世界では、風邪は首の後ろの付け根あたりから入ってくると言われています。
首や肩、その周辺の背中あたりがヒヤヒヤしてしまうと、風邪をひきやすいというのはなんとなくイメージができるでしょう。
また、身体への影響だけではなく、冷えにより頭皮も悪影響を受けることになります。
冷えの影響をまともに受けやすい首や肩周辺を冷やさないようにすることで、頭皮への悪影響も回避するように工夫することをオススメします。
首や肩を冷やさないためには、暖かくしておくことが大切になります。
首は神経がたくさん通っていますので、暖めておくことで、全身の血流を良くする役割があります。
それではどのように暖めればいいのでしょうか。
・ホッカイロ
外出時には、首の後ろの付け根あたりに張るタイプのホッカイロがオススメ。
肌着の上から張ることで持続的に体を温めてくれるので寒い冬には効果的です。
・空気の流入を防ぐ
就寝時にどうも首元がスースーして首から冷えるという方が多いのではないでしょうか。
布団や肌掛けのタイプを変えるのもいいですが、空気の流入を防ぐことができる専用のアイテムもあります。
布団関係なく、専用アイテムで首を暖めることができます。
起床中には首回りを重点的にガードするように半ベストのような肩当てや、ダウンショルダーなどを活用すると起床時に冷えなくていいでしょう。
是非チェックしてみてお試しください。
・外出時にマフラー
外出するときも首が暖かいだけで、洋服一枚分くらい暖かさが違います。
洋服を一枚減らして首回りを暖めることで、肩こりも解消しやすく暖かさは倍増します。
・漢方薬を使う
体質的に冷えの影響を受けやすい方もいます。
そのような方は、漢方薬を使ってみるのもいいでしょう。
冷えに有効な漢方として有名なものとしたら、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や八味地黄丸(はちみじおうがん)があるのをご存知でしょうか。
当帰芍薬散とは?
足腰が冷える方、生理不順がある方などに効果的です。
一般的に女性の悩み(月経異常や冷え症など)がある方におすすめします。
血液は全身をめぐって、栄養素や酸素などを運んでいるのです。
漢方の考え方にも、同じ考えがあります。
全身をめぐってからだに栄養を与えるものがあり、「血(けつ)」といいます。
ちなみに、「血(けつ)」と血液は、ほぼ同じ概念であり、栄養素を全身に巡らせるはたらきがあるのです。
血液の循環が良くなることで、頭皮の環境が整いやすく、髪質も変わります。
こんなお悩みに!
体力虚弱で、冷え症。貧血の傾向がありながら、疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などがある。
→月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴りなど、これらの症状がある方は是非お試しください。
これらの症状を抱えていると血液循環が悪くなっているため、なかなか改善に至りません。
漢方を飲み続けることで、日々改善するでしょう。
八味地黄丸とは?
トイレに8回以上行く方に八味地黄丸というお話しを聞いたことはありますか?
八味地黄丸は、一般的に滋養強壮、腰が痛んだり、貧血気味で疲労しやすい方や頻尿、ほてり、耳鳴りによく使われる漢方薬になります。
配合生薬は桂皮、沢瀉、茯苓、牡丹皮、山茱萸、山薬、地黄、炮附子の八つの生薬から成り立っているため八味地黄丸と名がつけられています。
髪を左右する腎とは?
漢方医学では腎臓や膀胱、子宮、卵巣といった下半身すべての臓器を「腎」と呼びます。
腎が冷えなどによってパワーが低下している状態を「腎虚」といいます。
髪の毛もこの腎が司り、「腎虚」になります。
血流が滞ってしまうと、頭皮に栄養が行き渡らなくなります。
すると、抜け毛や薄毛、そして白髪といった症状を引き起こしてしまうのです。
若白髪がある10代20代がいます。
それも原因は冷えなのです。
美しい黒髪をキープするために、この腎のパワーを低下させないことが重要になっているのです。
テレワークも?「白髪」の原因になる
腎の大敵は「冷え」になります。
「冷え性が悩み」という方はとても多いでしょう。
そもそも現代女性のからだは冷えやすい環境におかれているのが現状です。
60年ほど前と比べてみると、日本人の平熱は約1度下がっているという研究結果があるとされています。
冷えの大きな要因は、食生活の変化や筋肉不足、そしてストレス、水分の摂りすぎなどがあります。
昨今のテレワークによって、以前より運動量が減っているのではないでしょうか。
電車や徒歩など自然と通勤で使っていたはずの筋肉が、テレワークになることで、歩いても散歩程度になってきています。
忙しいラッシュ時の歩き方と散歩では筋肉の使い方が違いますよね。
慢性的な運動不足は熱を生み出す筋肉を減少させるため、冷えを招いてしまうのです。
さらに、自粛生活でストレスが増えてしまうと、交感神経が高ぶりすぎて休まらないため、血流が悪化してしまい、体の末端から冷えてきます。
食事や運動は大切ですが、冷え予防にはそれだけではなく漢方など血流を良くするものは欠かせないものになっているのです。
病院に行くまでではない症状の方がほとんどだと思います。
しかし、冷えたままではよくないため、漢方薬局などで気軽に相談に行くことができます。
気になる方は是非、相談してみるのもいいでしょう。
身体のどこかが冷えてしまうことが頭皮や髪に影響が出やすいため、健康も維持しやすくなります。