女性にとって髪は大切なのは間違いありません。
抜け毛が目立つようになると、髪の心配をするのは当然です。
ですが、その原因がどこにあるのかしっかりと追求しなければ、早く対処しなければいけない怖い病気が引き起こしているかもしれません。
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その抜け毛は病気の兆候かも
薄毛になるのは、何も年齢や生活習慣が影響しているだけではありません。
髪は体の中で作られる以上、健康な状態でなければ健やかな状態で育たないのは、誰でも理解できるでしょう。
その背景にあるのが病気の問題です。
様々な病気が知られていますが、中には薄毛になってしまう病気も存在しています。
逆に言えば病気になったサインを示してくれている状態です。
抜け毛が増えてきた時には、大きな病気の兆候であると判断できるだけの知識も必要といえます。
知らなければ見逃してしまうことも多いため、ただ抜けたというだけではなく、よく理解し対処していかなければいけません。
原因が分かりにくい膠原病
抜け毛が増えてくる状態は色々とありますが、非常によく知られているのが膠原病です。
血管や皮膚などに症状が現れてくる病気で、炎症が起きるため何か異常が起きていると判断できます。
自己免疫疾患の一つとして考えられており、色々な病気が膠原病の中に含まれているのがポイントです。
全身エリテマトーデスや関節リウマチなども膠原病に含まれています。
原因がよく分からないという病気が多く含まれており、非常に治りにくいのも特徴です。
その中でも全身エリテマトーデスは、女性に多く見られる病気で、両頬に赤い斑点が出てきます。
その形は蝶が羽を広げたような状態で見られるのです。
これが大きなポイントで、疲労感などだけではなく、発熱も伴ってきます。
指定難病にも含まれており、様々な症状が出てくる中で、髪が抜けてしまう状況が生まれるのです。
血管だけではなく内臓などにも影響が及びます。
全身という名前の通り、様々な症状がいっぺんに出てくるため、頬の斑点を含め異常を感じたときにはすぐに病院で診察を受けるべきです。
成長に必要な亜鉛の欠乏症
亜鉛欠乏症は、体の中で亜鉛の濃度が下がって起こる病気です。
体の中で欠かすことができない重要なミネラル成分である亜鉛は、体の中にある300以上の酵素に反応します。
そのため、非常に多くの影響が生まれてくる状態です。
亜鉛不足の症状として現れてくるのが、皮膚炎や口内炎、脱毛症です。
食欲も低下し、髪が成長できないのと同様に発育障害まで出てきます。
味覚の障害や貧血なども見られるようになり、非常にダメージの大きな状態が出来上がるのです。
亜鉛が不足すると細胞分裂がうまくいかなくなるためで、深刻な状態を引き起こすのがわかるでしょう。
皮膚のターンオーバーや傷を直す時にも亜鉛が関わってきます。
肌荒れが見られるようになり、傷も治りが悪くなるのです。
その症状の一つとして、ヘアサイクルの乱れが見られるようになるため、他の症状と合わせて考えてみなければいけません。
亜鉛不足にならないためには、常に意識して摂取していくのが一番です。
認知度の低い病気の一つではありますが、非常に危険な部分を持つため、注意して生活するしかありません。
薄毛にもつながる甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症も薄毛がみられる病気です。
甲状腺ホルモンの量が不足してきた中で症状が継続していく特徴を持っています。
ホルモンの分泌量が低下するような甲状腺の働きの低下が見られている時に出てくるため、体のバランスをとらなければいけません。
甲状腺ホルモンは、脳や胃腸の活性化、体温の調節などにも必要です。
活動するためのエネルギーにも影響を与えるため、低体温が見られるようになります。
むくみやだるさといった部分も出てくるのは、血行に影響が出てくるためです。
女性に発症するケースが多く、40歳以降の約1%にもなるといわれています。
成人前にはあまり見られず、先天性の場合にはクレチン症と呼ばれるのも特徴です。
原因は色々と考えられますが、甲状腺の慢性的な炎症である橋本病が関わっているケースが大半を占めます。
血液検査などでもすぐにわかるようになってきているため、定期的に検診を受けながら、薄毛と共に異常な症状がないか確認しておくのが大切です。
女性に起こりやすい鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は、血液の中にあるヘモグロビンを作るために必要な鉄が不足してしまい起こる病気です。
その名前の通りに貧血の症状が現れていきますが、ヘモグロビンが減少してしまうため、酸素も運びにくくなることが原因になります。
息切れや動悸だけではなく、慢性的な疲労感、頭痛がみられる病気です。
実際に体の中に酸素を送る能力は、ヘモグロビンの量に比例してきます。
そのため、体の調子を見る為の重要なサインとも言えるのです。
女性に多くみられるのも鉄欠乏性貧血の特徴と言えます。
酸素を運ぶ手段が少なくなるため、頭皮でも髪を作り出すのに影響が出てくるため、抜け毛が増えてきて薄毛が見られるようになるのです。
様々な原因が考えられますが、食事による鉄分の摂取量の減少が引き金になるのはわかりやすいポイントです。
その他にも思春期など成長期にあたって必要量が増加してきたため、鉄欠乏性貧血がみられることもあります。
同時にビタミンB6やB12など鉄の吸収を良くするためのビタミンCも含め不足してしまうというのも原因になるでしょう。
貧血の症状が見られるのが大きな特徴ではありますが、爪が割れやすくなったり唇や舌に炎症が出てきた時には注意しなければいけません。
肌が荒れ始め、抜け毛が増えてきた時には鉄欠乏性貧血を疑い検査をしてみると良いでしょう。
命にも関わる怖い梅毒
梅毒も抜け毛が見られる怖い病気です。
梅毒トレポネーマによる感染症なのが特徴で、潜伏期間が数週間あります。
その後全身症状が出てくるようになりますが、初期症状は軽いため発見が遅れやすいのが梅毒です。
非常に怖い病気ではありますが、早く治療をスタートできれば治らないわけではありません。
逆に時間がかかれば重症化しやすく、命に関わることが出てきます。
大人がかかる病気と思われがちですが、母子の垂直感染もある病気です。
梅毒トレポネーマが体内に入ると、数時間後にはリンパ節に感染が見られます。
これで血液にのり全身に広がっていくことになりますが、自覚症状がほとんどないため、すぐには発見ができません。
この状態でも他の人に感染する可能性が高いのも、大きな問題点です。
第1期と呼ばれるのが感染から約3週間、第2期が1か月から3か月、後期になると数年から数十年というスパンで分けなければいけません。
症状が一旦治っても潜伏していることに変わりはなく、徐々に体に進行していきます。
最終的には、大動脈瘤が髄膜炎、神経症状が生じるようになり命に関わっていくのです。
髪の状態もまばらに抜けることで知られています。
髪の成長だけではなく、眉毛なども抜けてくるため、他の症状と共に注意しなければいけません。
治療も抗生物質の服用が基本と確立されているため、少しでも原因に心当たりがあるのであれば、早めの治療が大切です。
まとめ
髪が抜ける病気は様々なものがあり、どれも複合的な症状の一つとして見られます。
髪が抜けるという自体がそもそも問題があるため、異常がないか検査するのは大切なことと言えるでしょう。
ほとんどの病気は対処方法が確立されているため、病気の進行を食い止め回復させていくと、薄毛も改善できる可能性があるのです。