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その薄毛の原因は甲状腺の病気かも?!
薄毛の原因はストレスや生活習慣、女性だと加齢やホルモンバランスの乱れなどが知られています。
しかし、それ以外にも病気が原因で、病気の症状のひとつとして薄毛の症状が現れる場合もあります。
今回は薄毛の原因になる病気の1つである、甲状腺疾患について詳しくご紹介したいと思います。
病気が原因で薄毛になる?
一見、頭髪とは関係のない病気が原因で、薄毛の症状が出てくることがあります。
薄毛や抜け毛が増える、などの症状です。
男女ともになる病気もありますが、中には女性の発症率が圧倒的に多い病気もあります。
そのうちの1つが甲状腺疾患です。
この甲状腺疾患について、ここから詳しく説明していきたいと思います。
薄毛の症状が出る甲状腺疾患って何?
甲状腺疾患とは、甲状腺ホルモンのバランスが崩れ、形に異常をきたすと起こってしまう病気です。
甲状腺は喉仏の位置にあり、蝶々のような形をしている臓器です。
臓器というと一般的に内蔵を想像してしまいますが、喉にある甲状腺も立派な臓器の1つです。
正常なときは外側から触ることが出来ませんが、腫れたり炎症を起こしたりしている時、しこりがある場合などは外からでも触診で確認できるほどになります。
このホルモンは全身の各器官の働きを活発にしたり、新陳代謝をよくするという働きを持っていますので、甲状腺に異常があると、分泌されるホルモンの量が増減したり、不安定になったりして全身の疾患を招いてしまうことがあります。
全身の器官の働きや代謝をよくするなら、分泌が増えても問題はないのではないか、と思ってしまいますよね。
しかし、過剰部分泌されすぎてもよくありません。
甲状腺ホルモンはいわば、各器官の栄養ドリンクのようなもの。たくさん摂りすぎると、常にダッシュで頑張っているような状態で
・息切れ
・動機
・手の震え
・微熱
・多汗
などの症状が出てきます。
そして疲れやすくもなり、だるい、体が重い、などの症状がでることも。
甲状腺疾患にも、色々種類があり
・甲状腺ホルモンの分泌が減少し、不足してしまう「甲状腺機能低下症」
・甲状腺ホルモンが過剰分泌されてしまう「甲状腺機能亢進症」
・甲状腺にしこり(腫瘍)ができる「結節性甲状腺腫」
があります。
甲状腺機能低下症の主な病名は橋本病、甲状腺機能亢進症の主な病名は、バセドウ病や甲状腺炎などがあります。
結節性甲状腺腫にはしこりが良性のものと、悪性のものがあり、良性のものはそのまま特に何も治療が必要ありませんが、悪性の場合はそのほとんどが甲状腺がんで、手術が必要となる場合が多い病気です。
甲状腺疾患セルフチェック
ここまで説明すると、もしかして自分の薄毛は病気なのではないか、と心配になりますよね。
薄毛の原因は色んな原因が重なってでてくることも多いので、自分の髪の毛や体の状態を把握することが大切です。
病気が原因の場合、薄毛や抜け毛だけではなく、他の症状も一緒に出てくることが多いのでこの機会にぜひ、セルフチェックをしてみてください。
甲状腺機能亢進症
・異常に汗をかくようになった
・以前より暑がりになった
・脈拍数が増えた
・ちょっとしたことで息切れするようになった
・イライラしやすい
・眠れない、寝付きが悪い
・便の回数が増える
・手足がふるえ
・食欲が増えた
・微熱が続く
・眼球が出てくる(突出してきた)
・甲状腺が腫れる(大きくなった感じがする)
・疲れやすくなった
・抜け毛が増えた
更年期の症状にも似ているので、見過ごされてしまうこともあります。
甲状腺は鏡でも、自分で触っても確認できます。
以前より腫れてきた、大きくなって目立つようになってきた、それに加えて上記の症状がある場合はすみやかに受診しましょう。
甲状腺機能低下症
・むくみやすくなった
・汗をかかなくなった
・寒がりになった
・いつも眠い
・脈拍が少なくなった
・便秘気味になった
・乾燥肌になった
・物忘れが多くなった
・疲れやすくなった
・力が衰えてきた
・抜け毛が増えてきた
・甲状腺が腫れる
肌の乾燥や物忘れ、抜け毛や汗をかかなくなったり、筋力の衰えなど、誰しもが加齢によって起こる症状です。
ですので、見過ごしてしまうことも・・・。
甲状腺の腫れは重要なチェックポイント。
気になる症状もある場合は速やかに受診しましょう。
結節性甲状腺腫
・甲状腺にコブのようなしこりがある
・のどに違和感がある
結節性甲状腺腫は甲状腺機能にはほとんど異常がないため、自覚症状もほとんどありません。
ですので、気がついた時には腫瘍が大きくなっていることが多い病気です。
甲状腺部分にしこりを発見した際はなるべく早く、病院を受診しましょう。
甲状腺疾患は何科?
甲状腺疾患かも、と思った時に何科を受診たらいいのでしょうか。
甲状腺の病気は主に
・内分泌内科
・耳鼻咽喉科
・甲状腺外科
・頭頸部外科
を受診してください。
病院によって扱う科が違う場合もあり、検査なども行うので出来たら総合病院や専門医が望ましいですね。
総合病院の場合は、受付をする際に症状を伝えると、最適な科を紹介してもらえますので、どの科に行けばいいのかわからないという場合は、総合受付で相談しましょう。
効率をよくするために先に血液検査など、検査科に行くこともあります。親切な場合はドクターに問い合わせをしてくれたりします。
病気がよくなれば薄毛の症状も改善する?
薄毛の症状は甲状腺の病気が改善すれば治るのでしょうか?
病気が治っても、薄毛はそのままだと悲しいですよね。
甲状腺機能低下症や甲状腺機能亢進症の場合は、投薬治療などで病気の症状がよくなれば抜け毛も減り、新しい髪の毛も生えてきます。
結節性甲状腺腫で悪性だった場合は殆どが甲状腺がんなので、
・手術をして切除
・放射線治療
・投薬
などの治療法があります。
放射線治療の場合はその副作用でも髪の毛が抜けますが、放射線治療が終了すればまた少しづつ髪の毛が生えて戻ってきます。
甲状腺の注意点
甲状腺はストレスに影響されやすい器官です。
なるべくストレスを溜めないように、溜まったらこまめに解消してガス抜きをすることが必要です。
また、生活リズムを整えることも甲状腺疾患には大切なことになります。
好きなことや、リフレッシュ方法など普段自分が楽しいこと、リフレッシュできることなどを覚えておくといいですね。
バセドウ病の場合などは情緒が不安定になって、落ち着きがなくなったりイライラしやすいなどの症状がでることがあります。
自分自身も辛いですが、病気のせいでお友達や家族との人間関係にヒビが入ってしまうことも・・・。
そうならないように、早期に発見、治療をすること、そして自分の病気を受け入れることに大切なことになります。
また、高齢になると若い人よりも症状が出にくいことがあります。うつ病やその他の持病の一貫だと見過ごしてしまうこともあるので、些細な変化にも気をつけて、気になることがあったら受診しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
加齢やストレスかな、と思ってもその薄毛の影には病気が潜んでいることもあります。気にあることがあったらすぐに受診することが大切です。
そのためには、普段から自分の髪の毛の状態、体の状態を気にかけてく必要があります。
自分の体をいたわることが、気にかけることにもなりますので週末やちょっとした時間があるときに、自分の体の声を聞いてあげたいですね。