最近、男性に負けずバリバリ仕事する女性が増えています。男性社員と対等にやり合う姿はちょっとかっこいいですよね。
しかし、そんな女性たちの間で、「ヒゲが生えて来た」「眉毛が太くなった」「鼻毛が目立つ」と男性化している人が増えているのです。
中には、男性の薄毛のように頭頂部が薄くなってしまったという女性も。
今回は、女性の男性化の原因とその対処法について解説しましょう。
女性が男性化するとは?
女性は、加齢とともに男性化する傾向があります。それは、体内でこのような変化が起きているからです。
女性の中にも男性ホルモンはある
女性が男性化するとは、男性ホルモンの影響が強くなるということです。
女性にも男性ホルモンがあります。というより、女性ホルモンの一部は男性ホルモンから作られるのです。
女性ホルモンの代表的なものがエストロゲン(卵胞ホルモン)ですが、エストロゲンには3種類あります。
その中で一番強力なのがエストラジオールで、これが男性ホルモンから作られているのです。
つまり、卵巣は女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)だけでなく男性ホルモン(テストステロン)も作り出しているのです。
エストロゲンの分泌量は一生でティースプーン1杯程度と非常に少なく、男性ホルモンのほうが多く作られています。
しかしほんの少量のエストロゲンに男性ホルモンの働きを抑える強力なパワーがあるため、通常女性が男性化することはないのです。
もちろん、人によって分泌量が違うため、砂糖菓子みたいな女性もいればちょっと男らしい女性もいますが、これは個人差の範囲内です。
加齢とともに女性ホルモンの分泌量が減る
女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量のピークは30歳前後で、それ以降は緩やかに減っていきます。
これは、卵巣の機能が加齢によって低下していくからです。
一気に減り出すのが45歳前後で、これが更年期の始まりとなります。
これ以降、約10年かけてさらに減っていくため、体内のバランスが崩れやすくなります。これが更年期障害です。
男性ホルモンの分泌量はそれほど減らない
その一方、男性ホルモンの分泌量も減ってはいくものの、女性ホルモンほど急激ではありません。
そのため、徐々に男性ホルモンの影響が強くなり、特に閉経後は女性が男性化しやすくなるのです。
とはいうものの、女性ホルモンの分泌量がゼロになることはありません。
わずかですが80歳以降も分泌されるといわれ、この量によってかわいいおばあちゃんや男前なおばあちゃんになっていくのです。
最近男性化する若い女性が増えている理由
このように、女性は最終的には男性化するようにできています。
しかし、中には20代30代でヒゲが生えたり、すね毛が太くなったりと、男性化する女性がいます。その原因は何なのでしょうか。
男性と肩を並べて働いていると男性ホルモンが増える
事務職で男性社員の補佐をしている場合、求められるのは女性の細やかさです。
しかし総合職で男性と競うように働いている女性の場合は、男性に負けない強さが必要となります。そのため、男性ホルモンの力が強くなるのです。
男性ホルモンは交感神経が活性化すると、分泌量が増えます。
仕事で常に緊張してストレスが溜まって来ると交感神経の働きが強くなるため、女性でも男性ホルモンが増えてしまうのです。
家事や育児でてんてこ舞いの女性も男性ホルモンが増えやすい
家庭に入っていても、髪を振り乱すような状況ってありますよね。
例えばイヤイヤ期や反抗期の子供がいると、どうしてもイライラしやすくなります。
義両親とうまく行かず、ストレスが溜まることもあるでしょう。
こういった状況も、男性ホルモンを増やしてしまいます。
ハードな運動のし過ぎも男性ホルモンを増やす
女性に筋肉がつきにくいのは、女性ホルモンの働きによるものです。
本来このホルモンは女性が子供を産みやすくするためのものなので、皮下脂肪がつきやすいのです。
しかし、ハードな運動を続けると筋肉がついてきます。筋肉は男性ホルモンと深い関係があり、筋肉が増えるほど男性ホルモンの分泌量も増えてくるのです。
極端なダイエットが女性ホルモンを減らす
女性ホルモンの原料となるのは、コレステロールです。コレステロールは脂肪を多く含む肉、卵、乳製品などに多く含まれています。
そのため、ダイエットでこれらを極端に制限してしまうと、女性ホルモンが作られなくなってしまいます。
よく、女性アスリートが男性並みの体脂肪になると生理が止まるといわれますが、それはこのことが原因です。
男性化が女性の薄毛を招く!
ここからは、男性化がなぜ女性の薄毛の原因になるか解説しましょう。
男性ホルモンが増えるとまずは毛が増える
男性ホルモンのテストステロンは、体毛を太くする働きがあります。
全身どこでもということではなく、髪の頭頂部や側頭部、眉やひげ、腋毛、鼻毛、胸毛、すね毛などが男性ホルモンの支配する部分です。
そのため、テストステロンの分泌量が増えると、これらの部分の体毛が太くなっていきます。
テストステロンの分泌量が減ってくると
女性も男性も、テストステロンの分泌量は20代前半がピークとされています。
しかし、テストステロンは筋肉を作るために大切なホルモンです。
そのため、テストステロンが減ってくると5α-リダクターゼという酵素と結びつき、DHT(ジヒドロテストステロン)という非常に強力な男性ホルモンに変化します。
このホルモンに、強力な脱毛因子があるのです。
DHTは特に前頭部や頭頂部に増えやすいという統計があります。
男性が加齢とともにその部分が薄くなっていくのは、その部分のDHTの働きが非常に強いからです。これを男性型脱毛症(AGA)といいます。
女性でもDHTが増えてくると、ヒゲやすね毛はテストステロンの影響が残って太く多くなり、髪の毛だけDHTの作用で薄くなってしまうことがあるのです。
女性でありながら男性ホルモンの影響で薄毛になるため、女性男性型脱毛症(FAGA)と名付けられています。
男性ホルモンを必要以上に増やさないために
体毛が濃くなったり髪の毛が細く抜けやすくなったりしないよう、できるだけ男性ホルモンの分泌量を抑えることが大切です。
具体的な方法としては、主に以下の対策が挙げられます。
ストレスに対処する方法を見つける
最も大切なのが、できるだけストレスを溜め込まず、うまく解消する方法を見つけることです。
・週末はひたすら眠る
・週最低1~2回は、入浴中ぬるめのお湯に15~30分浸かる
・気の置けない友人と思い切り話したり食事に出かけたりする
・ビュッフェで食べまくる
・カラオケで歌いまくる
・アニマルカフェで動物に癒される
・森林浴をする
・ヨガやストレッチをする
・ストレスとなることをノートに書き出す
方法は人によって違うため、自分に合ったやり方でないとかえってストレスが増えてしまいますから、気をつけましょう。
栄養バランスの良い食事を心がける
無茶なダイエットで女性ホルモンが減ってしまうと、薄毛の危険性が増えることになります。
コレステロールが多めの肉類や乳製品も適度に摂りつつ、野菜もたっぷり食べて代謝を良くし、余分なものは溜め込まないようにしましょう。
また、大豆にはイソフラボンという、エストロゲンに似た働きをする成分が含まれています。
味噌や醤油、豆腐、厚揚げ、煮豆、納豆、湯葉、きな粉、豆乳などを積極的に摂りましょう。
質の良い睡眠を取る
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、脳内を整理してストレスとなる情報を消し去ってくれます。
朝すっきり起きられると、前の日に悩んでいたことに前向きになれますよね。
質の良い睡眠中は副交感神経が活性化するので交感神経とのバランスが良くなり、ストレスが解消されてホルモンバランスも正常になっていくのです。
しかし、成長ホルモンは入眠後30分~3時間の間の、熟睡中にしか大量分泌されませんから、布団に入ったらすぐにぐっすり眠れるようにすることが大切です。
そのためには、就寝前に脳を興奮させないことが一番。スマホやゲーム、SNSなどは脳を活性化してしまい、質の良い睡眠が取りにくくなります。
1~2時間前には止めて、ゆっくり入浴したり、ストレッチやヨガで心身をリラックスさせたりするのが、質の良い睡眠を取るポイントです。
まとめ
最近髪が抜けやすくなった、細くなった、でも顔の産毛が太くなった、すね毛が増えたという場合、男性ホルモンの力が必要以上に強くなっている可能性があります。
ストレスの解消や栄養バランスの取れた食事、質の良い睡眠で改善されますから、まずは試してみてはいかがでしょうか。