お風呂から出て、濡れている髪を乾かすのは当然の流れです。
濡れたままにしておくと雑菌も繁殖しますし、髪が切れやすくなってしまいます。
ですが、乾かす時のタオルの使い方を間違ってしまうと、逆に負担を増やすことにもつながるのです。
髪を乾かすのはなぜか
髪を乾かす際に、タオルを使って水分をふき取ります。
これをタオルドライと呼びますが、何気なく行っているものです。
そこまで意識して乾かしていないという人も多いでしょう。
しかし、やり方を間違ってしまうと、抜け毛を増やす原因を作り出すのです。
毎日しているタオルドライが、負担の大きな方法とならないように、注意していかなければいけません。
ダメージがどのようなものになるのか、まずはタオルで水分をふき取り乾かさなければいけない理由に立ち返って見る必要があります。
目的としては、髪と頭皮の環境を適切な状態に保つためです。
水がついているままの状態は、決して良いものではありません。
水分があり、お風呂上がりの温度が高く高い湿度の状態になっていると、雑菌の繁殖を促してしまうからです。
髪や頭皮にはさまざまな菌が生息しています。
常在菌とも呼ばれますが、普段は何か悪さをするわけではありません。
守ってくれるような存在にもなりますが、繁殖し過ぎればダメージを与える存在に変わってしまうのです。
皮膚炎になったりするのも、常在菌が異常繁殖を起こしたことが引き金になるケースがあります。
頭皮だけではなく髪を見てみると、また違った問題が見えてきます。
濡れた状態の髪は非常にもろくダメージを受けやすい状態です。
髪は濡れていると、大事な防御機能であるキューティクルが開きます。
内部が水分を吸い込み膨張していることも理由の一つですが、これが非常に危険です。
紙の中心部は非常に弱いもので、ダメージを受けると回復できません。
その中心部を守るために、キューティクルが根元からうろこ状に並んでカバーしているのです。
キューティクルは丈夫な存在ですが、うろこ状に並んでいることからも、剥がれ落ちてしまう危険性を持っています。
水分を含んでキューティクルが開いていると、綺麗に並んでいるはずが逆立っている状態でもあり、簡単に引っかかりはがれてしまうのです。
剥がれてしまった切れてくるは二度と元には戻りません。
その部分は髪の中心部が丸出しとなり、簡単にダメージを受けてしまいます。
枝毛ができた時に髪を見ると、白い点のようなものが見えますが、これがダメージを受けた部分なのです。
このようなダメージを残さないためにも、髪から水分を拭き取り乾燥させなければいけません。
やってはいけないタオルの使い方と乾かし方
タオルドライの方法として行ってはいけないのは、髪を強くこすることです。
キューティクルの並びの問題からも言って、非常に強いダメージを与える結果となります。
逆立っている状態に対してこすり続ければ、ダメージはどんどんと増えキューティクルも剥がれ落ちてしまうのです。
この摩擦は髪一本で起こるわけではなく、複数の髪同士の摩擦も引き起こします。
ただでさえ力に弱い状態の髪に、複数の摩擦が加われば、ダメージも倍増してしまうのです。
髪にかかる牽引力の問題も考えなければいけません。
髪をタオルで擦るように乾かそうとすると、引っ張ることにもつながります。
この時にかかる力は、髪全体で受け止めるだけではなく、毛根にもダメージを与えるのです。
強く元気な髪は耐えられるかもしれませんが、抜けかけてしまったかすみはそのまま引きずられます。
本来はまだ抜けるはずのない髪が抜けてしまう結果となるため、髪全体で薄くなる可能性が出てくるのです。
タオルで乾かした後の問題もあります。
そのままタオルを巻きつけている人がいますが、これは髪に良くありません。
それどころか大きなデメリットを発生させる方法です。
濡れたままにしておくのはだめですが、濡れたタオルをかぶせておけば、頭皮も髪も高い湿度の環境の中に置かれます。
その間に常在菌はどんどんと繁殖し、異常繁殖して行くのです。
当然皮膚にもダメージを与える結果となり、最悪のケースとしては皮膚炎につながります。
皮膚炎に繋がれば毛根もダメージを受けることとなり、薄毛に繋がるのは他の頭皮の炎症と変わりません。
髪に常在菌から発せられる臭いがついてしまうため、清潔感もなくなります。
髪にタオルを巻いている時間があるのなら、早いうちに乾かしてしまいましょう。
使い古したタオルよりも新品を
タオルの状態の問題もあります。
タオル忘れてったものを使うのが基本です。
ところが何日も使いまわしたタオルを使う人がいます。
3日も使いまわしたタオルを使ったとすると、そこに発生している雑菌の量は雑巾と同じ程度の量まで増えているのです。
雑巾で髪を拭く人はいないはずですが、3日も使いまわしたタオルで拭いている人はいます。
それだけの雑菌を頭にばら撒く事になるのですから、当然炎症を起こしやすくなるのです。
さらに使い古したタオルもリスクがあります。
柔らかさを失った古いタオルは、髪を擦る時に摩擦を増やしてしまう問題があるのです。
タオルの状態が使う頻度によっても違いますが、半年程度で交換するぐらいの気持ちでいるのも必要となるでしょう。
吸水性という面でも新しいタオルの方が効果があります。
それだけ短時間で髪を乾かせるので、時間の短縮にもなるのです。
効率よくダメージを抑えた髪の乾かし方
効率よく髪にダメージを与えずに済む乾かし方は、難しいものではありません。
まずは綺麗に乾かしたできるだけ新しいタオルを用意します。
髪を洗った後に頭にかけてゆっくりと水分を吸い取っていくのがポイントです。
頭皮の水分からついとるようなイメージで指の腹で優しくタオルを使います。
感覚的にはマッサージをするようなもので、爪を立てたりせずに柔らかくするのがポイントです。
根元側の水分が拭き取れたら、毛先までタオルで包みます。
この時に擦らないようにして柔らかく包むようにしましょう。
包み終わったら、手のひらで優しく叩くように水分をぬきとります。
これでかなりの水分が抜き取れるはずです。
ここからはしっかりとドライヤーをかけて乾燥させます。
ドライヤーをかける際にはあまり強い熱をかけるのではなく、できるだけ分散するように使うのが大切です。
美容師が行うようなドライヤーの首振りをしながら乾かす動作を思い出すといいでしょう。
熱を分散してあげるだけで、ダメージはかなり違いがでます。
最後は冷風で使いクールダウンさせておくと、一緒にセットした状態も長持ちするのです。
タオルはできるだけ速乾性のあるものを使うといいでしょう。
速乾性のタオルであれば、紙にかかる負担をさらに抑えることができます。
マイクロファイバーなどのタオルはかなり手に入りやすくなりました。
繊維が細かく吸水性も高められるように作られた専用の生地ですので、吸水性は抜群です。
注意しなければいけないのは水分を吸い取りやすく、そのままにしておくと雑菌の温床となるため、必ず洗濯しましょう。
まとめ
髪の乾かし方一つでも、髪や頭皮へのダメージを抑えられます。
ダメージの蓄積を下げていけば、それだけ薄毛になるリスクは下がっていくのです。
濡れた髪は何よりもダメージに弱い存在なのを理解し、将来の自分の髪に負担がかからないような工夫をしていきましょう。