髪はヘアサイクルがあります。
肌の新陳代謝があるように、髪にも生えてくる抜けるというサイクルがあるのです。
このサイクルが正しく働いているからこそ、髪は薄くなりません。
だからこそ、薄毛にならないためにも、ヘアサイクルというものがどのようなもので役割を持っているのかを知っておく必要があるでしょう。
人間の髪が作られていくヘアサイクル
朝起きて枕を見たら髪が抜けているという状況がありますが、何か珍しいわけではないのです。
髪にはいくつかのプロセスがあり、その一つとして抜ける時期がやってきます。
その髪が枕についているだけのことで、自然な流れといえるのです。
ですが、抜けたままではいつか髪がなくなってしまいます。
ところが、通常の状態であれば、そんなことは起きません。
つまり、抜けるプロセスと同様に生えるプロセスがあるのです。
このバランスが取れているから、髪はふさふさの状態を維持できます。
このプロセスをヘアサイクルと呼びますが、大きく分けて3つの時期に分けられます。
・髪の毛が成長する成長期
・活動が徐々に弱くなっていく退行期
・活動が完全に停止している休止期
の3つです。
それぞれに役割が違いますが、成長期が約4年から6年、退行期が2週間から3週間程度、休止期が数ヶ月となっています。
このサイクルが繰り返されているからこそ、健全な髪が生えてくるのです。
この時に必要なのは栄養素であり、不足してるようでは髪が生えてきません。
ヘアサイクルは、全ての髪が同じような時期を過ごすわけではなく、それぞれがバラバラにサイクルを持っています。
そのためボリュームも一定量を保つことができるのです。
プロセスの特徴
それぞれのプロセスは特徴があり、かなり違いが出てきます。
髪が成長する成長期は、どんどん頭を使って伸びてきます。
毛根が細胞分裂を起こし新たな髪を作り出しながら押し出すように伸びて行くのが特徴です。
たくさんの栄養を使って少しずつ伸びていきますが、抜けてもその下の毛根で髪が作られていきます。
この時期には大量の栄養を使っているため、栄養不足になると健全な髪が作り出すません。
成長し続けていくわけではなくやがて止まる時期が来ます。
退行期に入ると、毛根にある毛母細胞の活動が徐々に弱まる時期に入るのです。
約2週間から3週間で髪は抜け落ちてしまいます。
新たな髪が作られない状況で、やがて完全に成長が止まる休止期が訪れるのです。
この休止期は、3ヶ月ほど続きますが、ただ成長しないわけではありません。
新しい髪を作り出すための力を蓄えてる時期で、次に待っている成長期にバトンを渡すのです。
とても大事な時期であり、この時に力を蓄えていたければ、成長期が短くなってしまうなどの問題も起こします。
ヘアサイクルの乱れ
薄毛になってしまう原因の一つとして、ヘアサイクルの乱れがあげられます。
様々な影響によってヘアサイクルが乱れて行きますが、その一つになるのが成長期の短縮です。
成長期が短くなれば、当然のことですが、長く伸びている髪が少なくなります。
伸びて行く時間が短くなるため、抜けても次に生えてくる髪が少ないのです。
充分に成長していない段階で抜けてしまう髪が出てくるので、全体のボリュームも少なくなります。
抜け落ちた紙を見てみると、柔らかく力のある髪が抜けているのが分かるのです。
産毛のような髪が生えてきているだけの状態の時も、成長期に問題がある可能性が出てきます。
女性ではあまり見られませんが、男性型脱毛症の場合には髪の成長が著しく遅くなり、早い段階で抜け落ちてしまうのです。
そのため力のない産毛のような髪しか生えてこないといった状況が出てきます。
女性でもこの可能性はゼロではなく、女性男性型脱毛症FAGAとも呼ばれているのです。
ヘアサイクルが乱れてもあまり変化がないのは退行期です。
元々成長期から休止期までの間の期間であり、あまり変化は見られません。
問題は休止期の方で、ヘアサイクルが乱れ長くなると、成長期とのバランスが取れないのです。
そのぶん薄毛に繋がっていってしまうと言えるでしょう。
原因は血行の問題が多く、毛母細胞が力を蓄えるまでの栄養が足りないといった状態です。
ひどい場合には新しい髪が生える下地が作られず、そのまま薄い状態が出来上がってしまいます。
ホルモンや血流の乱れがヘアサイクルを狂わす
ヘアサイクルが狂いだす原因はいろいろとありますが、ホルモンバランスの影響はかなり大きなウェイトを占めます。
特に女性の場合には、女性ホルモンの分泌が落ち、男性ホルモンの強さが出てくるとヘアサイクルが乱れてしまうのです。
女性の場合には、あまり強い影響は出ませんが、それでもホルモンバランスの影響はかなり注意しなければいけません。
加齢とともに訪れるホルモンバランスの変化は、びまん性脱毛症として現れてきます。
避けられない部分があるのは間違いありませんが、バランスを保てるように注意しておく必要があるでしょう。
栄養が送られてこなければ、髪を作り出すことができません。
その原因が血行不良であり、様々な要因によって引き起こされます。
運動不足はよく知られていますが、なぜ頭皮と関係するのか考えてみる必要があるでしょう。
人間の血液を送り出しているのは心臓の役割ですが、これだけでは全身に巡らせるだけの力がありません。
そこで身体の各所にある筋肉が血液のポンプの役割を果たしています。
筋肉が動くことによって、発生した熱と共に血液が送り出されてきますが、運動不足の人はこの力が弱いのです。
筋力が低いというのは、薄毛にもつながる原因になるのを理解しておく必要があるでしょう。
同時に引き起こされやすいのが冷え性で、血行不良とともに起こって行きます。
末端が冷えてしまう冷え性は、筋肉からの熱が伝わっていない状態です。
つまり、血液が熱を運んで来ていない状態で、栄養不足にもつながります。
頭皮でも固くしまったような状態が出来上がるため、ヘアサイクルが狂ってくるのです。
ヘアサイクルを正す方法は
ヘアサイクルを正常化させるために必要なのは、習慣化した運動であるのは間違いありません。
運動をすることによって血液の流れが変わり、変化が生まれてきます。
ですが、何も運動強度の高いハードなトレーニングを繰り返す必要はありません。
必要なだけの筋肉を身につければいいだけなので、日常的にできるようなことの繰り返しが大切です。
例えばウォーキングをしたりする習慣をつけるほうが、ハードなトレーニングをするよりもヘアサイクルの改善につながります。
特に足を使う運動は、体の中でも最も大きな筋肉を動かすため、血液を強く送り出すようになるのです。
運動を習慣化することにより、ヘアサイクルにに影響を及ぼしやすいストレスの解消にもつながります。
ストレスがかかると血管を収縮させるため血流が悪化します。
交感神経と副交感神経のバランスも壊れていくため、睡眠が取りにくくなりヘアサイクルにもにも影響が生まれるのです。
軽い運動を繰り返すと、すっきりとした気分になりますが、これがストレス発散であり、ヘアサイクルの健全化にもメリットがあります。
睡眠も取りやすくなり成長ホルモンの分泌も促しやすくなるため、様々な面でヘアサイクルを健全化できるのです。
まとめ
薄毛という状況を考えた場合、ヘアサイクルという髪の毛が育つ環境と順番を理解するのが大切です。
状況が悪化しないようにコントロールしながら対処していけば、適切な薄毛対策ができるようになるでしょう。