ヘアケア

古来の女性も愛用!日本の整髪料の歴史

美しい髪の毛を保つために使われるリンスやトリートメントなどの整髪料は、現代では髪とは切っても切れない縁となっています。

歴史をたどってみると、今のようなリンスのように有効成分がたっぷり入った物などはもちろんなく、自然の天然油などを用いて髪の毛を整えていました。

そこでこの記事では日本の整髪料の歴史を紐解き、古代の女性が美しい髪の毛を保つために使っていた整髪料を時代ごとに見ていきましょう。

中には現代にも使える隠された整髪料があるかもしれません。

時代の変化と共に変わる整髪料

日本ではすでに上代から、サネカズラと呼ばれる植物の茎を細かく刻み、その粘液に水を加えて髪油似ていたことが分かっています。

そこから時代が進むにつれて、整髪料もどんどん変化していきます。

女性の在り方なども時代によって異なりますので、当時の美髪の基準に照らし合わせたヘアケアが行われていたのです。

時代別に一気に見ていきましょう。

奈良・平安時代

奈良時代にはイノシシの油を使って髪の毛を整えていたこともありますが、ほとんどはサネカズラの植物油を抽出して髪の毛を整えていたそうです。

平安時代に入ると、貴族の女性たちは洗髪にも使った米のとぎ汁でそのまま整髪にも使っていたようです。

平安時代の女性の髪の毛は垂髪ゆえに、あまりカチッと整髪する必要がなかったためか、髪油はさほど使われていませんでした。

室町・江戸時代

男性だけでなく、女性も結髪になっていく室町から江戸時代にかけて、髪油は飛躍的に発展を遂げていきました。

ゴマ・チョウジ・椿・くるみなどの油が使われ、中でもクルミ油は最高級品とされていました。

また江戸時代には、ロウと松やに、それに香料を混ぜて作った練り油の一種であるビン漬け油が売り出され、まず遊女立ちの人気を博しました。

江戸時代中期

江戸時代中期には一般の女性の間にまでおよび、ついには男の人たちも使うようになりました。現在でも力士は大銀杏やちょんまげを結うときに使っています。

両国国技館などにい行くと、整髪料の甘い匂いがプーんとして、相撲気分を満喫させてくれるそうです。

明治時代

明治時代に入り、男は短髪、女性も日本髪洋風な髪型に代わっていく中で、ビン漬け油の利用はどんどん減っていきました。

対象の末頃には、日本髪の女性も一部柳界などを除いて、ほとんど見られなくなったのと同時に、ビン漬け油の現役生活も終止符を打ちました。

代わりに良く使われるようになったのは水油。日本風の洋髪である「束髪」には、この手軽で衛生的な水油の方が、ゴテゴテして、しかも使うのに不便な「練り油」より、浮いていたのだと思われます。

この水油に香料を加えた製品も生まれ、ほのかな香りを人々は楽しみました。

昭和時代

昭和に入って台頭してきたのが油性のポマードです。洋髪の浸透とともに次第に男女ともに用いられるようになり、同時期に登場したチックを大きく引き離して、一時期は生活料といえばポマードと呼ばれるほど人気を博していました。

そして戦後、リーゼントブームが巻き起こった頃です。

濡れたような艶をあたえつつかっちりとした髪型に仕上げるには、ポマードがぴったりでした。セット力に関しては現在でも群を抜いています。

ただし、油っぽくてべたべたするし、ほこりを吸収しやすいという弱点はあります。

そのため、現代では前ほどあまり使われなくなり、整髪にはムースなど、より新しい商品が使われる傾向が強いです。

平成、そして令和へ、最新整髪料のあれこれ

平成が終わり、令和へと突入した現代では、髪の毛を柔らかかくまとめ、艶感を園主できる女性用のヘアワックスが主流となっています。

一昔前までは人工整髪料として化学成分がたくさん配合されているもが使用されていましたが、最近では自然由来の原料のみを使った整髪料が人気です。

シアバターやミツロワなどの成分が豊富に入った商品が流通しているので、古来の知恵などを活用した新しい整髪料が日々生まれています。

艶と動きのバランスが取れる「クリームタイプ」、みずみずしく固定させる「ジェルタイプ」、瞬時に髪の毛に馴染んでいく「ムースタイプ」、エアリー感を醸し出す「スプレータイプ」など、理想のヘアスタイルに合わせて整髪料の種類も多種多様です。

美髪を目指すために

整髪料の歴史について解説してきましたが、どれだけ良い成分が豊富に配合されていて使い勝手がよくても、土台となる髪の毛が傷んでいては、キレイなヘアスタイルを演出することができません。

そこで美髪を目指すための正しいヘアケア・頭皮ケアを行う必要がありますので、整髪料を使用する前に日々実践していきましょう。

まずはシャンプーを正しく行う

髪の毛を美しく保つためには、まずは日々の洗髪を正しく行うことが大切です。

シャンプーは毎日皆さんすると思いますが、シャンプーの役割は、髪の毛を洗うのではなく頭皮環境を整えることにあります。

なので髪の毛だけを洗っている方は、頭皮環境が次第に悪化していく可能性がありますので、シャンプーをする際はしっかり泡立てて頭皮を清潔にすることが大切です。

そこでおすすめなのがアミノ酸系のシャンプー。頭皮の成分はアミノ酸と似た成分ですので、同じ成分のシャンプーを使うことで優しく浸透してくれます。

また、低刺激ですので必要な皮脂を残しながら汚れを洗浄。頭皮環境を改善して元気でハリのある髪の毛を育毛することができます。

リンス・トリートメントをうまく活用

リンスやトリートメントは、髪を保護するキューティクルを作りだすために必要なものです。

リンスやトリートメントをしないでいると、髪が乾燥し、バシバシした状態になってしまいますので、毎日適宜を行うようにしましょう。

髪の毛の艶を出し、指どおりを良くするためにリンスやトリートメントを使用して、髪の内部にしっかり成分が浸透するまで待つことが重要です。

髪を乾燥させる

髪の毛を洗ったら、自然乾燥で乾かすのだけはNGです。水分が残った髪の毛は雑菌が繁殖しやすく、かゆみやフケの原因になってしまいがち。

洗髪後は、タオルでしっかりと拭き取り、ドライヤーで乾かすことが大切です。タオルでふき取るのは7割ほど乾燥させるように意識しましょう。

残りの3割はドライヤーで乾かすのですが、あまり近づけすぎないように、また長時間しないようにしましょう。

仕上げに冷風機能があれば髪をサラサラに仕上げることができるので、全体的にさっと冷風をかける事をおすすめします。

頭皮マッサージ

美しく元気な髪の毛を育てるには、健康的な頭皮であることが大切です。健康的な頭皮を作り上げるには、頭皮の血行を良くして髪の毛に必要な栄養素を十分に毛母細胞に行き渡らせることが大切なのです。

なので毎日5分~10分程度でいいので頭皮マッサージをして血行を促進しましょう。

指の腹を使って頭全体をマッサージすれば、血流が促進され、育毛効果が期待できます。

はるか昔の女性は天然油を整髪料として使っていた

いかがでしたでしょうか?この記事では女性が使う整髪料の歴史について解説してきました。

古来の日本では植物から抽出する油などで髪の毛に艶を出し、美しい髪の毛を維持していましたが、時代の変化に合わせて整髪料も変化していることが分かりました。

最近では様々な天然成分が豊富に配合されている整髪料がありますので、原点に返れば古代のヘアケア成分とあまり変わっていないのかもしれません。

良い整髪料を使っていても、髪の毛があれていたら美しさを演出できませんので、まずは日々のヘアケア習慣を正しく実践し、整髪料でオシャレを楽しみましょう!