脱毛の形の一つに、円形脱毛症があります。
一部であっても髪が抜けてしまうという状況が、女性にとって強いストレスになることは間違いありません。
問題は、この円形脱毛症の原因が、非常に特定しにくいところにあるのです。
原因を追求し解決したくても、なかなか難しいのが現状と言えるでしょう。
予測がつく原因であれば、普段から対策をしておくことが大切です。
円形脱毛症とは
円形脱毛症とはその名前の通り、頭部に円形の脱毛症状が見られることから呼ばれるようになりました。
困ったことに初期症状がほとんどなく、気がついたときには脱毛しているのがほとんどです。
それも、まとめて抜けてしまうことから、ほとんど予測ができません。
最初のうちは500円玉一個ぶんぐらいの面積でも、だんだんと広がり進行するときも見られます。
進行の速度は早く、気が付いた時には綺麗に抜け落ちているのです。
女性だけではなく、男性でも起きないわけではありません。
年齢や属性などによって発症しやすいといったこともなく、前触れもほとんどないことから発見が遅れることもよくあるのです。
女性の場合には、長い髪に隠れて気がつかないことが見られます。
髪をかきあげてみたら、円形脱毛症になっていたということも珍しくないのです。
一箇所から抜けるわけではない
円形脱毛症と一口に言っても、実は色々な種類があります。
種類によって進行の状況の判別に利用されることもありますが、非常に深刻な問題につながるケースがほとんどです。
一般的な円形脱毛症と言われるものが、単発型と呼ばれる状態です。
起きている場所は一箇所のみで、大きさもいろいろとあります。
発症していても気がつかないこともありますし、自然に回復することも珍しくありません。
すぐに治る人もいれば、かなり時間をかけて戻していかなければいけない場合もあります。
2箇所以上に起きる円形脱毛症を、多発型と呼びます。
この多発型の場合には、単発型から移行することが多く、状態が悪化している可能性が高いと言えるでしょう。
そのため自然回復は難しいと考えられることが多くなります。
円形ではなく、帯状に蛇行しながら脱毛が起きる状態を蛇行型と呼んでいます。
蛇がうねって進むように、後頭部や側頭部から頭頂部へ向かって帯状に脱毛が起きるのが特徴です。
逆に頭頂部から後頭部や側頭部に向かって進行する場合もあります。
蛇行型の場合には、どうしても面積が大きくなるのが特徴で、女性でもすぐに判別出来てしまいます。
一見すると円形脱毛症には見えませんが、これも類型の一つです。
帯状になるのではなく頭部全体の至る所で起こるのが、全頭型と呼ばれる症状です。
さらに進行していた場合には、髪だけではなく眉毛や睫毛などにも現れることがあります。
これを汎発型と呼び、体毛のいたるところで発症する可能性がある状態です。
問題は非常に大きく、簡単に治るような状態ではなくなります。
女性でも起きる可能性がある脱毛症の一つです。
複雑な原因が絡む
円形脱毛症の原因ははっきりしないことがほとんどです。
何が原因になり発症するのか、人によって大きな差があります。
一般的に円形脱毛症の原因として認識されているのがストレスです。
人間の体にストレスがかかると、交感神経が優位に立ちます。
興奮状態となって異常をきたしている状態になると考えて良いでしょう。
交感神経に異常をきたすと、体を守るために血管が収縮していきます。
末端に血液を流すより、生命活動に重要な内臓に重点を置くためです。
毛根のような場所にも血液の流れが悪くなり、ヘアサイクルが狂い脱毛などの症状が起きることがあります。
ストレスであれば、普段から解消できるように心がけることで予防ができますが、実際に原因になることはこれだけではありません。
原因として注目されているのが、自己免疫異常による症状です。
自己免疫異常自体がはっきりとわからず、なぜ起きてしまうのかが解明されていないことから対処が難しい病気といえます。
自己免疫異常は、 ウイルスや病原菌といった異物を撃退する人間の機能が、異常な働きを見せて誤って自分を攻撃してしまう状態です。
こうした抵抗は自分自身に向かないように働きますが、何かをきっかけにを認識したことで、毛根がダメージを受けて円形脱毛症になるのではないかと考えられています。
異物とみなしている状態になりますが、なぜ毛根を異物として認識しなければいけないのかもわかっていません。
非常に問題の大きな病気の一つであり、対処の難しい状態と言ってもいいでしょう。
ストレスも自己免疫異常を起こす原因ではないかと考えられているため、日頃から解消できるようにしていかなければいけません。
ホルモン分泌による円形脱毛症も確認されています。
女性の場合、出産後にホルモンの分泌に変化が見られるようになることから、円形脱毛症につながるのではないかと考えられている状態です。
女性ホルモンの分泌が下がることで、発毛を促す力が下がり、髪全体が薄くなってしまうことはよく知られています。
分娩後の脱毛と呼ばれる状態ですが、いくつかのケースでは円形脱毛症になることが確認されているのです。
出産後のストレスとの関係も指摘されていますが、時間とともに回復する可能性の高い状態と言えるでしょう。
日常生活からできる予防方法は
円形脱毛症の予防は原因がはっきりしないため、確実にできる方法はありません。
確証のある決め手はありませんが、 ストレスを溜めてしまうことは、どのような病気に対しても悪影響を与えます。
ストレスの軽減により、薄毛になりにくくなるのは間違いないのです。
自覚症状がないのもストレスの問題と言えます。
体の不調を訴えてから、ストレスが溜まっていたと感じることもあるでしょう。
溜め込んでしまう前に、解消できる生活を構築することが、円形脱毛症に対する予防としても大切です。
ストレスの解消方法には、運動が一番手早くできるのは確かです。
運動することによってストレスを解消するだけではなく、血行の改善にも役立ちます。
運動をしながら筋肉を鍛えることにより、血液を送り出すポンプとしての力が強くなるからです。
血液を送り出す力が強くなれば、頭皮にも血液が運ばれ、栄養を供給できるので、薄毛改善に効果を発揮してくれます。
もちろん、円形脱毛症に対してもプラスに働くことは間違いありません。
頭皮の状態を改善するという意味では、頭皮のマッサージがいいでしょう。
マッサージをすることによって、凝り固まった頭皮を柔らかくし、血液が流れやすくなります。
血液が流れやすくなれば、やはり栄養の供給がスムーズとなり、薄毛の改善に働きかけてくれるのです。
マッサージをすると気持ちよく感じるはずです。
これは、ストレスによって刺激された交感神経が優位な状態から、副交感神経が優位な状態へと変化させてくれます。
リラックスする状態を作り出せるので、やはり薄毛解消にメリットが出てくるのです。
常に体調を整えることも予防には欠かせません。
喫煙しているのであれば禁煙し、深酒などはやめて、ゆっくりと眠れる時間を作ることが薄毛対策には必要です。
遺伝などによって円形脱毛症になる可能性もわかっています。
検査して確認するのも方法ですが、他の要因で発症するケースも理解しておかなければいけません。
実際に円形脱毛症を発症した場合、病院で治療するのが一番です。
自然治癒する傾向が強く、気がついたときには治っていることもあります。
しかし、放置したことで多発性に発展するようなことも考えられるため、早めに専門家に相談することが大切です。
まとめ
円形脱毛症は、誰にでも起きる可能性がありますが、原因によっては簡単に治るとは限りません。
ひどい状況に発展する可能性も出てきますので、気がついたときには専門医に相談して対処方法を考えるのがいいでしょう。
そうなる前に、ストレスなどをためない生活を送るようにしなければいけません。