女性の薄毛

アロエのすごさを知っていますか?女性の薄毛にも働きかける万能ハーブ

アロエは日本ではそれほど注目されていませんが、欧米では古くから人気のハーブです。

洗顔剤や化粧水、美容液、シャンプー、パック、脱毛剤、シェービングクリーム、などなど、あらゆるボディ・フェイス・ヘアケア商品があります。

さらに、ジュースまであるんです。

アロエのすごさと、髪に働きかける作用について解説しましょう。

アロエは欧米で古くから愛用されているハーブ

欧米ではアロエは万能ハーブとして知られ、自宅に植えている人も少なくありません。

お肌のケアや傷の治療、腋臭のニオイ消しに使ったり、腹痛の時に飲んだりして、家庭の万能薬として知られています。

そんなアロエは、どんな植物なのでしょうか。

アロエとは

アロエは大きく分けて3種類あります。

日本でよく栽培されているのが「キダチアロエ」で、その他欧米で広く使われている「アロエベラ」、南アフリカ原産の「ケープアロエ」があります。

キダチアロエは茎が伸び、枝分かれして葉が広がりますが、アロエベラは茎が非常に短く、根元から葉が伸びているように見えます。

また、キダチアロエが細めなのに対しアロエベラは肉厚で中の葉肉も多いため、様々な製品に使われるのは主にアロエベラです。

ケープアロエは日本薬局方に収載されており、主に医薬品として使われています。

成分は、含有量の差はあるもののどちらもほぼ同じです。

原産地のアフリカやアラビアの砂漠地帯の過酷な環境で生き抜いてきたDNAがそのまま残っていると考えられており、200種類もの有効成分が含まれています。

アロエに含まれる成分

アロエには、ビタミンやミネラルの他、アロエ特有の成分も多く含まれています。

ビタミンA
ビタミンB群(B1、B2、B6、B12)
ビタミンC
ビタミンE
カリウム

ムコ多糖類…保水・保湿作用
アロエシン…殺菌作用・抗炎症作用・メラニン生成抑制作用
ベータババロイン…緩下作用
アロイン…健胃作用・緩下作用
アロエエモジン…健胃作用・緩下作用
アロエマンナン…抗炎症作用
ホモナタロイン…メラニン生成抑制作用
酵素

アロインは苦味成分で、キダチアロエの緑の部分に多く含まれています。

対してアロエベラには少ないため、ヨーグルトやサラダなどに入っているのはすべてアロエベラのほうです。

キダチアロエを食べる時は、アロインが多い緑の葉の部分をきれいに取ると、苦味がかなり減ります。

アロエの健康効果とは

アロエには、多くの有効成分が含まれているため、その作用も多岐にわたります。その中でも代表的な働きをご紹介しましょう。

健胃作用排便作用

アロエの葉の表皮部分に含まれるアロインや葉肉に含まれるアロエエモジンには、胃腸の働きを促進する作用があります。

胃液の分泌を促進し消化を助けてくれるのです。

また、キダチアロエのみに含まれるアロエウルシンは、胃や十二指腸にできた潰瘍を保護し、胃酸の刺激を受けないようにすることで治りを早めるといわれています。

排便作用

アロインは腸の粘膜を刺激してぜん動運動を活発にする作用があるので、排便を促してくれます。

ただし、かなり強力なので医薬品として扱われています。

そのため食品にアロエを入れて販売する場合は、必ず葉の緑の表皮は取り除いたものでなければならないという規則があります。

また、それほど強力でない緩下作用を持っている成分がベータババロインやアロエエモジンです。

これらは葉肉に含まれているので、適量食べるとお通じが良くなります。

腸内環境を良くする作用

体内では、ムコ多糖類は腸壁のヒダを覆う粘膜の内部で作られています。

ここから腸内の善玉菌が生まれ、腸内環境を整えているのです。

悪玉菌が増えると肥満や動脈硬化、糖尿病、大腸ガンなどを引き起こしやすくなるといわれており、悪玉菌より善玉菌を増やさなければいけません。

アロエには多くのムコ多糖類が含まれているので、摂取することで腸内の善玉菌を増やすサポートをし、悪玉菌が増えないようにしてくれます。

殺菌・解毒作用

アロエシンには殺菌作用と解毒作用があるので、ニキビや傷口に塗ると炎症を抑え、治りを早くするといわれています。

また、細菌を殺す働きがあるので、風邪の予防や引き始めに食べたり、葉肉の粘り成分を喉や胸の辺りに塗ったりすることもよく行なわれています。

さらに、食べると肝臓の解毒作用を助けてくれます。

二日酔いの解消

アロエエモジンはファイトケミカルの一種で、健胃作用と解毒作用があることから二日酔いを速やかに解消してくれます。

二日酔いの朝にアロエを食べると、胃腸の働きが良くなるのでアルコールの排出が早くなり、頭痛や吐き気などの症状が緩和するのです。

火傷を早く治す作用

この作用は、アロエベラではなくキダチアロエだけに含まれるアロエウルシンという成分の働きによるものです。

細胞賦活作用があり、火傷した部分の細胞を修復するといわれています。

また、別の研究ではアロエベラの粘り成分にも痛みや炎症を抑える働きがある、という報告があります。

実際、欧米では火傷の手当てにもアロエベラの葉肉液をよく塗ります。

肌のアンチエイジング作用

ムコ多糖類には多くの水分が含まれており、しかもそれを蒸発させないようにする作用があります。

そのため、肌に塗ると高い保湿作用でうるおいがキープされ、しわを出来にくくします。

また、わずかにできた表情じわなら、夜にアロエ液をたっぷり塗れば数日で薄くなっていきますよ。

さらに、2015年に近畿大学と小林製薬の研究で、アロエベラには皮膚のターンオーバーを促進する作用があることが発見されました。

肌のターンオーバーは加齢とともに時間がかかるようになり、20代で約28日だったものが、40代では約45日、60代では約100日かかるようになります。

そこでアロエベラのエキスを塗るとこの速度が早まり、肌のアンチエイジング効果が期待できるのです。

肌の美白作用

アロエシンやホモナタロインには、メラニン生成抑制作用があります。

これらにはチロシンというアミノ酸と結合してメラニン色素を合成する、チロシナーゼ酵素の活性を抑える働きがあるとされています。

さらに、ターンオーバーを促進して、できてしまったシミを排出しやすくしてくれます。

アロエで期待できる髪トラブル予防・改善作用とは

アロエには高い髪トラブル予防・改善作用もあり、以下のような作用から薄毛や細毛の予防が期待できます。

紫外線防止作用

2017年に近畿大学と小林製薬の共同研究で、アロエベラ液に紫外線のUVBを防御する作用が発見されました。

UVBは頭皮に炎症を起こさせ、新陳代謝機能を低下させてしまいます。

すると頭皮に古い角質が残り、どんどん硬くなっていきます。

その結果血管が圧迫されて充分な栄養が届かなくなり、髪の成長が止まり抜けやすくなったり細いままになったりしてしまうのです。

そこでアロエベラ液を頭皮に塗ると、血行が悪くなるのを防ぎ、髪の成長に支障が出ないようサポートしてくれます。

毛母細胞の細胞分裂サポート

前述の2015年の研究で発見されたターンオーバー促進作用によって、毛母細胞の細胞分裂が活発になり、髪の毛の成長を早める効果が期待できます。

頭皮の保湿作用

頭皮は髪に覆われているものの、一年中紫外線や外気に晒されているため、乾燥しやすくなっています。

するとまだ剥がれるべきでない角質が浮き上って剥がれ、フケやかゆみの原因となります。

アロエには高い保湿・保水作用があるので、頭皮に塗ると潤いを守り、良い頭皮環境を維持しやすくなります。その上育毛作用も高まるので、薄毛の改善につながります。

アロエを使用する際に気をつけてほしいこと

アロエの葉を使う場合、注意していただきたいことがあります。

必ずアロエの葉の緑部分やとげを取って使う

特に食べる場合は、表面の緑の部分やとげは使わないでください。下痢を起こす危険性があります。

葉肉を使う前にパッチテストをする

葉肉を使う時は、そのまま肌や頭皮につけたり食べたりすることもできますし、ミキサーなどで液状にして、それを使う方法もあります。

なお、顔や頭皮に使用する場合は、まずパッチテストで異常が起こらないか確認し、塗ってから15分程度で洗い流したほうが安心です。

また、特に傷口に使う場合は、葉肉を熱湯で消毒してから使いましょう。

使わなかった部分は冷蔵か冷凍する

アロエの葉肉は、包丁などで緑の部分と葉肉の部分の間に刃を入れ、横に引けばきれいに剥くことができます。

葉肉を一度に使わない場合は、2~3分茹でて冷蔵庫に保存すれば1週間、冷凍すれば1ヶ月程度ほど持ちます。

妊娠中・生理中は避ける

アロエには、子宮収縮作用が疑われています。万が一の流産を避けるため、妊娠中は食べるのは避けましょう。

また、生理中に食べると子宮が急速に締まり、生理痛の原因となることがあります。

まとめ

アロエは手に入れやすく、育てるのも難しくありません。

土が乾いたらたっぷり水をやり、冬だけ室内に入れればOKです。

1鉢買って外側の葉から取り、葉肉にしてから冷凍すれば長い間使えますし、新しい葉がどんどん成長してきます。

健康に良く、美肌や美髪効果も期待できるアロエをぜひ使ってみてくださいね。