女性の薄毛

その薄毛は病気が原因かも?女性の加齢による薄毛との違いをご紹介

女性も40代半ばを過ぎれば、加齢による薄毛も仕方がないかなとお思いつつも…

一方でもしかしたら、その薄毛は病気が原因かもと焦るお気持ちがあるあなた。

家庭や仕事で否応にも責任を感じざる負えない世代です。

不安になるのも仕方ないですよね。

そこで、まずは、女性に起こりうる脱毛症とその原因をご紹介しつつ、その他の疾患が原因の脱毛についてもお話ししたいと思います。

加齢による脱毛症とは?

女性の脱毛は、女性ホルモン「エストロゲン」の減少により引き起こされます。

いわゆるホルモンバランスの崩れが原因で、「びまん性脱毛症」とも言われます。

その場合、「徐々に」頭頂部全体が薄くなっていきます。やがて進行すると、分け目やつむじ透けて見えるようになってしまうのが特徴です。

また、一般的に女性の髪は、4~6年かけて、成長期、退行期、休止期、脱毛を繰り返しています。1日平均100本前後抜けるのが自然です。

これらを基準として考えて、

部分的にごぞっと抜けたり、
短期間で大量の抜け毛が抜けるということは、

何か体に異常が起きている可能性が考えられるのです。

具体的な脱毛症をご紹介(疾患が原因になる場合を除く)

髪の成長期に活動が停止しまった

円型脱毛症
長らくストレスが原因と言われてきましたが、実は自己免疫疾患の一つで、細胞が毛根を敵と勘違いして、攻撃してしまうことが原因です。

部分的にごそっと髪が抜けるのが特徴です。

髪の休止期のまま髪が痩せ細ってしまった

・脂漏性脱毛症
高脂肪高カロリーな食事や、生活習慣の乱れ、喫煙、過度な飲酒、洗髪不足などにより、頭皮に皮脂が過剰分泌されることが原因です。

頭皮が炎症を起こし、髪が生えにくくなることで薄毛が進行します。

・接触性皮膚炎による脱毛症
体質に合わないジャンプーや、カラーリング、パーマ、その他ヘアケア商品の使い過ぎによる、頭皮の炎症が原因です。

やはり、髪が生えにくくなることで薄毛を進行させます。

・粃糠性脱毛症
過剰な洗髪などにより頭皮が乾燥し、やがてフケを発生させたり、炎症が起きることが原因です。

やはり髪が生えにくくなり、薄毛が進行します。

髪の休止期のまま活動が停止してしまった

・分娩後脱毛症
分娩後に、先にお話しした女性ホルモン「エストロゲン」が一気に減少することが原因です。

分娩から2ヶ月経ったころより脱毛が始まり、生え際や分け目、頭頂部が薄くなります。びまん性脱毛症と同じ症状ですね。

半年ほど経つと脱毛が落ち着き始め、徐々に回復していくのが通常です。産後1年ほどで元の状態に戻ります。

ただ、育児によるストレスが強かったり、高齢出産であったりすると、回復が遅れたり、場合により、男性型脱毛症に発展していく可能性があります。

・ピル使用後脱毛症
ピル使用により、ホルモンバランスが崩れることが原因です。

びまん性脱毛症と同じ症状です。

外的要因による脱毛症

・牽引性脱毛症
ポニーテール等、毎日のように一定方向に引っ張り続けることが原因の脱毛です。

・圧迫性脱毛症
きつい帽子を被るなど、頭部を圧迫され続けることが原因での脱毛です。

・トリコチロマニア(脱毛癖)
強烈なストレス等から、自分で髪を抜いてしまうことが原因の脱毛です。

薬の副作用

抗ガン剤や抗うつ剤、また、痛風や高脂血症、てんかんの薬、副腎質ホルモン等の副作用が原因の脱毛です。

疾患が原因の脱毛

疾患の症状の一つとして、脱毛が起こることがあります。

貧血

亜鉛や鉄分が体内から不足することが原因の脱毛です。

鉄分は、体中に酸素を送る役割を果たしており、不足すると、頭皮に充分な酸素が行き渡らず、髪の成育に影響を与えます。

また亜鉛や鉄は、髪の成長に必要なミネラルであるため、不足すれば、やはり髪が育たなくなります。

ただの貧血だからと甘く考えず、内科に受診することが、体のためにも髪のためにも大切ですね。

甲状腺機能低下症

バセドウ病や橋本病などがそれに当たります。

甲状腺には、体の新陳代謝を促すホルモンを分泌する役割があります。甲状腺が異常をきたすと、ホルモンが出されず、抜け毛を引き起こすのです。

ただ、抜け毛以外にも症状はあります。

便秘や発汗減少(高温多湿の夏場でも)、皮膚の乾燥、体重増加(食欲不振にも関わらず)、無力感、抑うつ、過眠傾向(寝ても寝ても眠い状態)、むくみ、月経異常など。その他、喉仏の痛みや声の低下が伴うこともあります。

加齢による抜け毛と決めつけず、先にお話しした症状が合わせて見られる場合は、放置せず、まずは内科を受診して下さいね。先生の判断により、専門の甲状腺科が紹介されると考えられます。

婦人科系の疾患

卵巣のう腫をはじめ、その他の卵巣疾患、子宮、乳房に関わる疾患により、ホルモンバランスが崩れ、抜け毛を招きます。

抜け毛以外にも、月経異常や不正出血、乳房のしこりや出血など様々な症状が出ることがあります。

安易な自己判断をせず、婦人科を受診することをお勧めします。

また、これといった症状がなくても、定期的に検診を受けることが大切ですね。区市町村の助成も大いに活用すべきです!

膠原病

アレルギー疾患の一つです。体が誤作動を起こし、自分の免疫が自分の体を攻撃してしまいます。その結果、炎症を起こし、臓器や細胞組織を壊してしまうのです。

症状としては、抜け毛だけではなく、体重の減少や長期に渡る倦怠感や体調不良が続きます。

まずは、気になる症状がありましたら、内科の受診を受診して下さいね。

感染症による脱毛

・頭部白癬
皮膚糸状菌症の一種です。白癬菌属の真菌が主な原因で、症状には脱毛を伴います。

皮膚科にかかるようにして下さい。

・その他の細菌感染
頭皮が細菌に侵され、脱毛がすることがあります。皮膚科が専門です。

・梅毒
性病である梅毒の主なる症状の一つに、特徴的な脱毛があります。

3~5ミリ程度の円形の脱毛が、側頭部に多数なられるようになるのです。

このような症状が見られたら、迷わず、婦人科に受診することをお勧めします。

2型糖尿病(インスリンの分泌異常である1型糖尿病とは異なります。)

生活習慣病の一つであり、年齢的に心配になる方も多い疾患ですよね。更年期でエストロゲンが減少していくと、体の制御が効かなくなっていくため、特に要注意です!

その症状の一つとして、ホルモンバランスが崩れ、抜け毛が増えてしまうことがあります。

その他、疲労感や皮膚の乾燥・かゆみ、手足の感覚の低下、またほチクチクさすような痛み、感染症にかかりやすくなったり、頻尿、目のかすみ、切り傷やその他の皮膚の傷が治りにくい等の症状があります。

定期的に検診を受けていれば、血圧、体重、腹囲、血液検査等の結果から指摘されることもあるでしょう。

何より、早期発見、早期治療が大切ですね。

受診は内科を想定されると思われますが、場合により、眼科や外科、泌尿器科に診てもらう必要が出るときもあります。

加齢による脱毛以外の脱毛症の特徴は?

改めて、加齢による脱毛症との違いをご紹介します。

・抜け毛がいつもより多く感じられる。
・円形や頭部の一部だけごそっと抜ける。
・一目で分かるような髪のボリュームダウン。
・短期間での大量の抜け毛。

このような脱毛の症状を感じたら、疾患が隠れている可能性があるので、注意が必要です。

加齢による脱毛以外にも、様々な要因の脱毛症があること、また、疾患の症状の一つとして脱毛があることがお分かりいただけたかと思います。

ご自分の大切な体です!

安易な自己判断をして、放置してしまったら、のちのち後悔することになりかねません。

脱毛は、体からのシグナルと感じ取って、他にも気になる症状がありましたら、迷わず医療機関にかかることをお勧めします。