シャンプーした時やブラッシングした時など、驚くほど髪が抜けて何らかの病気ではないかと心配になったという経験のある方も多いのではないでしょうか。
しかし髪は毎日かなりの本数が抜けるのが一般的であり、ほとんどの場合は心配する必要はありません。
しかし、まれにですが抜け毛や薄毛が何らかの病気のサインとなっているケースもあるため、注意しなければならないこともあります。
そこでここでは、薄毛や抜け毛を引き起こす病気の種類について詳しく見ていきたいと思います。
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髪は1日に何本ぐらい抜けるの?
人間の髪は、1日にだいたい50~100本ぐらい抜けると言われています。
髪の量は平均10万本ぐらいであると言われているため、ですから1日に全体の0.1%が毎日抜けていると考えればよいでしょう。
また抜け毛の本数は季節によっても異なります。
1年の中でも最も抜け毛が多い季節は秋であるとされ、1日200本以上抜けることもあるそうです。
しかし通常であれば1ヶ月もたたないうちに抜け毛の量は元に戻るため、あまり心配する必要はないでしょう。
一番抜け毛が多いのはシャンプーした時
1日の中で一番抜け毛が多いのはシャンプーした時であると言われており、1日の抜け毛の半数以上はこの時に抜けるとされています。
またブラッシングをした後も髪は抜けます。
ブラッシングではすでに抜けている毛が浮いてくることもありますが、無理やり髪をとかすと途中で切れてしまったり、余計な髪まで抜けてしまうためくれぐれも注意しましょう。
さらに急に髪全体のボリュームが減ってきたり かゆみやフケなどが伴い気になるという場合は、すぐに何らかの抜け毛対策を行うべきであると言えます。
まずは生活習慣の見直しや食生活の改善、睡眠不足などを解消すれば、徐々に抜け毛は減ってくするはずです。
また頭皮の血行を促進するために適度に運動したり、頭皮マッサージをすることもおすすめですよ。
女性のひどい抜け毛の種類とは?
加齢や不規則な生活習慣などが原因となる薄毛や抜け毛と違い、ある意味病的な抜け方をする抜け毛の症状は、一般的に脱毛症と呼ばれています。
厳密に言えば病気ではないと言えますが、何らかの治療が必要な場合もあるため、病院を受診した方がよい場合もあります。
そこで以下では、主に心身の不調が原因となり起こる特に女性に多い脱毛症について見ていきたいと思います。
びまん性脱毛症
女性の薄毛や抜け毛の原因で最も多いと言われているのが、このびまん性脱毛症です。
髪が細くなり全体的に薄くなるのが特徴であり、見た目が変わるため悩んでいる女性が多いと言われています。
その原因としては加齢の他にも過度のストレスや無理なダイエット、間違ったヘアケア方法などが挙げられます。
円形脱毛症
以前はストレスが主な原因とされていた円形脱毛症ですが、現在は自己免疫疾患のひとつであると言われています。
円形脱毛症は、何らかのきっかけで自分の健康な毛根の細胞を敵と見なし、攻撃することで細胞がダメージを受け抜け毛を引き起こす脱毛症となっています。
脂漏性脱毛症
栄養の偏った食生活や間違ったヘアケア方法などで皮脂が過剰分泌しされると、皮脂に汚れが不調して細菌が繁殖しやすくなり、頭皮が炎症を起こして抜け毛や薄毛になるのが脂漏性脱毛症です。
粃糠性脱毛症
シャンプーのし過ぎなどにより頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうと、乾燥したフケが発生して抜け毛や薄毛につながります。
またフケが毛穴に詰まると、頭皮が炎症を起こしてしまいダメージを受けるため健康な髪が育たなくなってしまうため注意が必要です。
鉄分欠乏症貧血よる脱毛症
女性に多い場合鉄分不足が、薄毛や抜け毛の原因となるケースもあります。
鉄分は体内に酸素を運ぶという重要な役割を担っているため、鉄分不足は髪の成長にも大きな影響を及ぼします。
特に女性は生理があるため、鉄分不足による脱毛症にかかる方が多いと言われています。
牽引性脱毛症
お団子ヘアやポニーテールなど、いつも同じ位置で髪を束ねていると、髪が引っ張られることで髪の根元の負担がかかり脱毛症を引き起こします。
分娩後脱毛症
出産後は一時的に女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少するため、抜け毛が増える場合があります。
一般的にはだいたい1年ほどで元に戻るため特に心配はありませんが、まれにそのま回復せず、円形脱毛症などを発症してしまうケースもあります。
また出産年齢が高いためなかなか体力が回復しない場合なども、抜け毛が収まるまで少し時間がかかると言われています。
薬の副作用による脱毛症
抗がん剤や痛風、高脂血症や抗うつ剤、てんかんの薬など病気の治療に使用されている薬の副作用で、抜け毛が起こる場合があります。
女性に多い薄毛や抜け毛を招く病気とは?
ここでは特に女性に多く見られる、薄毛や抜け毛を引き起こす病気について、詳しく見ていきたいと思います。
自己免疫疾患
人間の体には免疫機能が備わっており、体内にウイルスや細菌などが侵入した場合、病原体を攻撃して死滅させる役割を持っています。
しかしストレスなど何らかの原因により、自分自身の組織や細胞を敵と勘違いし、攻撃してしまうケースが見られます。
この状態を自己免疫疾患といい、症状としては微熱や関節痛、倦怠感などの症状が表れます。
難病指定されている膠原病の全身性エリテマトーデス(SEL)やシェーグレン症候群なども自己免疫疾患にあたります。
バセドウ病・橋本病
喉仏の下にある甲状腺は、体の新陳代謝を促すため甲状腺ホルモンを分泌する役割を担っています。
しかし何らかの原因で甲状腺ホルモンが分泌されなくなると、抜け毛や薄毛を引き起こす場合があります。
甲状腺の疾患であるバセドウ病は男性よりも女性に圧倒的に多い病気であり、未だにはっきりとした原因は解明されていませんが、ストレスや喫煙習慣などが引き金になると考えられています。
一方で橋本病は、炎症が起こることにより甲状腺が腫れる病気となっています。
発症しても自覚症状のない方も多いですが、甲状腺機能低下症の症状が見られる場合もあります。
バセドウ病や橋本病が原因で起こる抜け毛は、これらの病気を治療することで改善させることが可能です。
もしも甲状腺の機能が低下している場合には、ホルモン剤の服用により不足している甲状腺ホルモン量を補う治療が行われます。
卵巣のう腫などの婦人科系の病気
卵巣や子宮、乳房などに起こる婦人科系の病気でホルモンバランスが崩れると、抜け毛や薄毛をまねくことがあります。
月経不順や、冷え症、PMSによるイライラなど女性特有の症状がある場合は、婦人科で定期的に検診を受けるようにしましょう。
まとめ
今回は女性の抜け毛が増える脱毛症や、抜け毛や薄毛の原因となる病気について詳しく見てきました。
毎日多くの髪が抜けるのは普通のことであるため、必要以上に不安になる必要はありません。
しかしあまりにも多くの髪が抜けてしまう場合は、生活習慣の乱れの他にも病気である可能性もあります。
自己免疫疾患や内臓の病気が抜け毛や薄毛を引き起こす場合もあり増すし、脱毛症の中にはそのままは放置しておくと悪化してしまうものもあるため、くれぐれも注意が必要です。
ですからそんな場合には、まずは原因を知ることが大切です。
もし何らかの病院が疑われる場合は、早めに病院を受診して医師の診断を受けることをおすすめします。