丁寧にスタイリングしてもパサつき、広がる髪に困っている方は多いのではないでしょうか。
ツヤもなく広がるパサつき髪はやっかいですよね。
ツヤのあるしなやかできれいな髪になるためには、パサつく原因をつきとめ、解消することが大切です。
ここでは、パサつく理由やどのように対応すれば良いかなどについて説明します。
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パサついた髪は内部がスカスカ
髪は、おおまかに次の3層構造になっています。
表面:キューティクル…うろこ状の硬い組織
内部:コルティックス…ほぼたんぱく質で、脂質や水分も含む組織
中心:メデュラ…芯となる組織、産毛などにはないこともある
健康な髪はキューティクルがきれいにそろい、コルティックスもしっかり詰まった状態です。
髪に含まれる脂質や水分によってしなやかさが生まれ、キューティクルがそろっているとツヤが出て手触りもなめらかになります。
ところが、キューティクルが剥がれたり損傷したりして内部の水分やたんぱく質がもれでてしまうと、乾燥してしなやかさを失い、まとまらずに広がりやすくなるのです。
髪の表面も傷んでいるのでツヤもなく、髪内部のコルティックスの分布に偏りがでることでうねりやくせが出てしまうこともあるでしょう。
健康な髪の場合は、うねりやくせがついても濡らして乾かすと偏りが直ってまっすぐになります。
しかし、パサつき髪は内部の組織が偏った状態なので、濡らして伸ばしてもなかなかくせがとれません。
髪がパサつく原因はダメージ
先に述べたように、パサつき髪になる原因はキューティクルが傷んで中身が漏れてしまうことです。
また、毛先がちぎれる「切れ毛」の状態になって、そこから内部のたんぱく質や水分が漏れることもあります。
それでは、どうして髪は傷んでしまうのでしょうか。これには、次のような6つの原因があります。
こすれ
合っていないシャンプー
ドライヤー、アイロンの熱
パーマやカラー
栄養不足
紫外線
それぞれについて見ていきましょう。
こすれ
髪はキューティクルが保護していますが、強い摩擦やこすれによって損傷してしまうことがあります。
特に、髪を洗ったあとに充分乾かさないまま寝るのは厳禁です。
こすれによるダメージが大きく、激しく傷んでしまうおそれがあります。
これは、濡れた髪はキューティクルが広がっていて、引っかかりやすくもろい状態になるためです。
その状態でこすれることで容易に壊れたり剥がれたりしてしまうのです。
このほか、雑なブラッシングによる摩擦も髪に大きなダメージを与えます。
合っていないシャンプー
シャンプーは髪に大きな影響を与える要素の1つです。
市販のシャンプーの多くは洗浄力が強く、すっきり洗えるものの、必要な油分まで落としてしまうことがあります。
その結果、髪が潤いをキープすることができなくなり、パサついてしまうことがあるのです。
ドライヤーやヘアアイロンの熱
髪の主成分はたんぱく質なので、高温に弱い性質があります。
ドライヤーで乾かすとき、同じ箇所にばかり温風をあてていると熱が上がりすぎてしまい、傷めてしまうでしょう。
必要以上に温風を当て続けないようにすることも大切です。
8割程度乾いたらドライヤーをとめましょう。
それ以上かけると髪の水分が飛んでしまい、よりパサパサになってしまいかねません。
ヘアアイロンはドライヤー以上に高温になるため、より慎重に使う必要があります。
使うときは、同じ箇所には数秒以上当て続けないようにすることが大切です。
パーマやカラー
パーマやカラーはアルカリ剤で髪表面のキューティクルを広げて、隙間から毛髪内部にに薬剤や色素をいれる施術です。
そのため、髪に大きな負担がかかることは避けられません。
1度や2度程度なら問題ありませんが、繰り返しかけていると傷みを招き、乾燥するようになるでしょう。
栄養不足
ダイエットしていたり忙しくて食事を抜いたりしていると、栄養が充分に摂れません。
限られた栄養は先に身体の維持に回され消費されるため、髪は後回しとなります。
すると、髪がしっかり育たず、パサつくようになります。
紫外線
年中地球に降り注いでいる紫外線は、肌を黒くしたりシミを生んだりするだけでなく、髪にもダメージを与えます。
特に、夏にプールや海で遊び髪が濡れた状態で紫外線を浴びると傷みがひどくなりやすいため、要注意です。
これは、濡れた髪はキューティクルが開いてもろい状態になっているためで、乾いた髪より大きなダメージを受けてしまいます。
パサつき髪をなんとかするための6つの方法
パサつく髪は、見た目に美しく見えないだけでなく、スタイリングしてもまとまらず困るものです。
髪のパサつきに気づいたら、早め早めにケアしましょう。
2種類のトリートメントを使い分けてケアを
パサついた髪には、トリートメントによるケアが効果的です。
トリートメントには次の2種類があるため、それぞれの特徴を理解して使い分けると良いでしょう。
インバストリートメント
お風呂で使い、髪に塗布したあと一定時間を置いて洗い流すタイプです。
主に、スカスカになった髪の内部に栄養を補給する働きがあります。
内部がつまり、しなやかな手触りになります。
アウトバストリートメント
お風呂からでてから使い、塗布したあとはそのままにするタイプです。
主に、髪の表面をコーティングして外部刺激から保護する働きがあります。
表面を包むことで髪にツヤも生まれます。
髪の傷みが気になるときは、どちらのトリートメントも併用して使うとよいでしょう。
それぞれ補い合って、髪のパサつきを抑えます。
アウトバストリートメントは熱や摩擦などの外部刺激から保護するので、髪がこれ以上傷むの防ぐのにも役立つでしょう。
シャンプーを見直す
すでに、髪や地肌に優しいシャンプーを使っているなら問題ありませんが、適当に買ったシャンプーを使っているという人は、一度見直してみると良いでしょう。
パッケージの裏にある成分表を見てみましょう。
洗浄成分として、ラウリル硫酸Naやオレフィン(C14-C16)スルホン酸ナトリウムなどが使われていませんか。
これらは洗浄力や脱脂力が強すぎるため、地肌に刺激となりやすいだけでなく、必要な皮脂を落としてしまう恐れもあります。
洗浄成分としてアミノ酸成分やベタイン系成分などが配合されたシャンプーを使うと良いでしょう。
ドライヤーやヘアアイロンは熱しすぎないように
髪がパサつくのは、水分が足りていないからです。
そこに熱を加えるとますます乾燥がすすむでしょう。
ドライヤーやヘアアイロンを使う前えは、アウトバストリートメントやヘアオイルで髪を包み、保護するのがおすすめです。
ドライヤーは髪から20cmほど離し、一定の箇所に温風があたりすぎないよう小刻みに動かしながらかけるようにします。
ヘアアイロンをあてるのは、1箇所につき2~3秒程度にしましょう。
また、ストレートにすつときでもヘアアイロンのヘッドに髪をはさみこんだまま引っぱらないようにします。
しっかり食べよう
栄養をしっかり摂らないと、髪の表面を覆うキューティクルが薄くもろくなり、パサつきがちになってしまいます。
髪の主成分であるたんぱく質を中心に、さまざまな栄養をバランスよくとることにしましょう。
たんぱく質は肉や魚、卵、大豆製品などに含まれています。
通常の食生活を送っていれば、まず不足することはないでしょう。
しかし、毎食肉ばかり食べるなど食材が偏っているのはよくありません。
主菜を肉にした次の日は魚にする、大豆製品を多めにとるなど食材を変えることを意識することが大切です。
不足しがちな野菜や海藻類なども食べるようにしましょう。
紫外線対策をきちんとする
日焼け止めで肌の紫外線対策はしても、おろそかになりがちなのが髪です。
先に述べたとおり、紫外線は髪にもダメージを与えてパサつきを助長します。
そこで、なるべく浴びないようにすることが大切です。
髪の紫外線対策としては、外出するときに帽子や日傘を使ってカバーするほか、日焼け止めスプレーもおすすめです。
紫外線は外で日差しを浴びているときだけでなく、窓ガラスを通して室内にもはいりこんでいます。
UVカットスプレーをしていれば、室内にいるときの紫外線も防げるでしょう。
ただし、日焼け止めの効果はクリームでもスプレーでもそれほど長く続きません。
2~3時間おきに1回スプレーすると良いでしょう。
傷んだ部分はカットする
髪は角化した細胞です。角化した細胞は、傷を自己修復することはできません。
指を切ったときなどは、時間が経つと自然に治るでしょう。
しかし、髪は傷んだらそのままです。
トリトーメンでコーティングすることで補修して見た目をごまかすことはできますが、根本的に修復することはできません。
そのため、髪の傷んだ部分は思いきってカットしてみるのも良いでしょう。
伸びてくる髪が傷まないように気をつければ、やがてきれいな状態になります。
まとめ:傷まないようにしてパサつきを防止しよう
髪がパサつく大きな原因は、ダメージによって内部の水分や栄養が漏れてでてしまうからです。
予防するには、こすれや熱、紫外線などの外部刺激によるダメージを受けないように注意しましょう。
パサつく髪は、トリートメントによるケアが効果的です。
あまりにひどいときは、思い切ってカットしてしまうと良いでしょう。