髪は年齢を重ねるごとに変化していきます。
変化の内容は個人差はあるものの、髪のパサつきやうねり、抜け毛や薄毛といったものが多く、どれも私たち女性を悩ませるものばかりなのです。
そこで本日は、年齢を重ねた女性がなぜ髪悩みを抱えるのか、またその改善策についてご紹介していこうと思います。
加齢による髪の変化
年齢を重ねていくと、髪もお肌と同様に老化します。
頭皮の水分量や皮脂の分泌量が減少し、乾燥した状態の頭皮の毛穴は歪みが生じていきます。
また髪も頭皮と同じように水分量が減少するため、美しい髪に欠かすことのできないツヤやコシがなくなっていき、次第にパサパサして老けた印象を与える髪へと変化していってしまうのです。
では髪にどういった変化があらわれるのかを、年代別に見ていきましょう。
まず20代の女性は髪トラブルがあまりなく、特別なケアをしなくても美しく健やかな髪を維持することができます。
ヘアカラーやパーマといった施術をし、頭皮や髪にダメージを与えても比較的短時間で修復されるため、頭皮ダメージを自覚しにくい時期でもあります。
しかし、極端な食事制限によるダイエットやストレスなどの影響によって女性ホルモンのバランスが乱れてしまった方は、例え20代であっても抜け毛や薄毛・髪のパサつきといった髪トラブルを抱えるケースもあります。
30代に差し掛かると、次第に髪の老化現象があらわれ始めます。
髪のパサつきやうねり、また早い方は白髪が確認され始める時期でもあるのです。
さらに40代に突入すると、女性ホルモンの分泌量が急激に減少していくため髪のツヤやコシがなくなっていき、髪自体も痩せて細くなっていきます。
また女性ホルモンの減少に伴って頭皮のコラーゲンが生成されなくなり、頭皮は固く乾燥し髪をつくり出す細胞である毛母細胞や毛根に存在する毛乳頭細胞の働きが弱まり、抜け毛を発生させるのです。
さらに髪内部の脂質や水分が少なくなることで髪の潤いがなくなり、何のケアもせずに放置することで徐々に老けた印象の髪へと変化していってしまうのです。
50代になると女性ホルモンの分泌量はさらに減少し、髪のパサつきは悪化していきます。
また女性ホルモンの分泌量の減少とともに薄毛の原因の1つだと言われている男性ホルモン・テストステロンが過剰に分泌されるようになるため、髪全体が薄くなる、びまん性脱毛症を発症するケースも少なくありません。
このびまん性脱毛症とは、男性の薄毛のように局所的な脱毛とは異なり、頭髪が全体的に薄くなる脱毛のことを指します。
髪のボリュームが減少し、つむじの広がりや頭の皮膚が透けて見えるようになるといった症状が多く見受けられるようになるのです。
びまん性脱毛症は見た目の変化が著しいケースも多く、人との接触を避けるようになるなど心理的なストレスの大きい脱毛症だと言われています。
このように私たち女性は年齢を重ねるごとに、髪にさまざまな変化が起こってしまうのです。
女性ホルモンが美しい髪のカギに
アラフォーと呼ばれる年代から髪に変化を感じ始める方が多いようです。
これは、この年代から女性ホルモンの分泌量が徐々に減少し始めるためなのです。
女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2つで構成されており、月経の周期に合わせて増減を繰り返すことでバランスを保っています。
エストロゲンは主に、髪の成長や頭皮の血流の改善といった役割を果たしているため、髪に大きな関りを持っているのです。
またプロゲステロンは成長期の髪を保つ働きをしてくれ、髪の寿命をの延ばす作用があります。
そのためプロゲステロンの分泌量が減少すると髪の寿命が極端に短くなり、抜け毛を増加させ薄毛を招いてしまうのです。
こういった加齢による女性ホルモンの分泌量低下は仕方のないことなのですが、毎日の心がけ一つで女性ホルモンの乱れや分泌量自体の低下を最小限に留めることができるのです。
こちらではその方法に関して、いくつかご紹介していきたいと思います。
まず1つ目に挙げられるのは、食生活の改善です。
お肉や魚・卵といった食材に多く含まれるタンパク質は、髪の主成分であるケラチンという物質の生成に欠かすことができません。
またナッツ類や柑橘系に多く含まれるビタミン類は、豊かで健康な髪が生える際の土台となる頭皮の環境を整える作用があります。
ナッツ類に含まれているビタミンEは頭皮の血流を改善し、栄養素や酸素が頭皮や髪に行き渡る手助けをしてくれるのです。
このビタミンEが不足してしまうと毛細血管の血流が悪化するため毛母細胞の働きを弱め、髪の発育が遅くなってしまうため、意識して摂取する必要があります。
また、レモンやオレンジといった柑橘系の果物に多く含まれるビタミンCは、髪をつくり出す細胞の酸化を防止し新陳代謝を促進する働きがあります。
さらにビタミンCは弾力のある健康な頭皮に欠かすことのできないコラーゲンの生成を促す作用があるため、積極的にとるようにしましょう。
また牡蠣や豚レバーに多く含まれるミネラル、亜鉛も髪にとっては大変重要です。
というのも亜鉛は、髪の主成分であるケラチンの合成に欠かすことのできない栄養素なのです。
さらに豆腐や納豆・厚揚げといった大豆製品もおすすめです。
大豆製品には良質なタンパク質が含まれているだけでなく、女性ホルモンに似た働きをしてくれる大豆イソフラボンが豊富に含まれているため、女性ホルモンの減少を感じ始めたアラフォ―・アラフィフの女性にとってとても嬉しい食材なのです。
ご紹介した、「タンパク質」「ビタミン」「ミネラル」を食事によってバランスよくとることで、女性ホルモンを分泌している器官である卵巣に十分な栄養を送ることができ、女性ホルモンを活性化させることが可能です。
しかし毎日バランスのいい食事をとるのは難しいと感じる方も少なくないと思います。
そういった方は自分が不足しがちな栄養素をきちんと把握した上で、栄養補助食品やサプリメントを上手に取り入れるといいでしょう。
外側からのケアも忘れずに
先ほどご紹介した通り、体の中からケアして行くことは非常に大切です。
それと同時に外側からのケアをしっかりと実践していくことで、5年先10年先の髪が変わってくるのです。
こちらではアラフォーから始めるべき、外側からのケア方法をご紹介していきたいと思います。
まず1つ目にご紹介するのは、紫外線のケアです。
紫外線はお肌だけでなく、頭皮や髪にもダメージを与え老化のスピードを早めると言われています。
紫外線を浴びることによって頭皮は固く乾燥し、血行不良の状態に陥ってしまいます。
すると髪をつくり出す毛母細胞や、毛根に存在している毛乳頭細胞にダメージを与え細胞の働きを悪化させてしまうのです。
髪が生えてくる土台となる頭皮の環境が悪化することで薄毛や抜け毛だけでなく、髪のツヤコシが失われるといった症状はあらわれます。
さらにこの紫外線ダメージが長期間に渡って頭皮に蓄積されていくと、びまん性脱毛症や白髪といった深刻な髪トラブルに発展しかねません。
こういった紫外線による老化現象を予防するためには、帽子の着用やUVスプレーの使用といった紫外線対策を行う必要があるのです。
日焼け止めスプレーは薬局などで手軽に手に入れることができ、頭全体に振りかけるだけと使用方法も大変簡単。
ヘアセットを崩す心配もありませんから、紫外線ケアの初心者でも安心して取り入れることがでるのでおすすめの方法です。
2つ目にご紹介するのは、頭皮用美容液を使用することです。
頭皮用の美容液は、頭皮の保湿や炎症の抑制・フケや痒みの予防といった効果があります。
頭皮を保湿すると同時に頭皮にとって必要な栄養素を与えることで頭皮の環境を整え、老化を最小限にする効果が期待できるのです。
頭皮用美容液を選ぶ際は、コラーゲンやヒアルロン酸といった保湿成分が配合されているか確認するようにしましょう。
また炭酸入りのものは頭皮に適度な刺激を与えることエイジング効果が期待できるため、お肌が強めで、なおかつ頭皮の血行促進をしたい方におすすめです。
このように自分に合った頭皮用美容液を選び、毎日のケアに取り入れることで髪のツヤやコシを保つことができますよ。
いくつになっても美しい髪は女性の憧れですよね。
しかし、きちんとケアをしなければその願いは叶いません。
本日ご紹介した方法を実践して、いつまでもツヤやコシのある髪を保っていきましょう。