女性の薄毛

小麦粉の使い過ぎ、食べ過ぎの女性は薄毛の危険が!?

パンやラーメン、うどん、パスタ、天ぷら、お好み焼き、ケーキ、クッキー…大好きな女性は多いはず。

しかし、これらの材料の小麦粉の使い過ぎや食べ過ぎが薄毛になる、という情報があります。
小麦粉製品の食べ過ぎが健康に良くないことは以前から言われてきましたが、薄毛とどう関係があるのでしょうか。

小麦粉の危険性と薄毛の関係について、解説しましょう。

小麦粉の基礎知識

あまりに身近にあるため意識せず使ってきた小麦粉ですが、どんなものなのでしょうか。

小麦粉の種類は大きく分けて4種類

小麦粉は小麦の穂の部分を挽いたもので、胚乳、胚芽、表皮に分かれます。

小麦粉となるのは小麦粒の約8割を占める胚乳で、表皮はふすま、胚芽は栄養補助食品などに配合されます。

主成分の炭水化物のほか、タンパク質やビタミンA、B1、リン、マンガン、セレンなどを含んでいます。

タンパク質の主成分であるグリアジンとグルテニンの割合や、この2つが水分を吸収してできるグルテンの性質によって、3種類に分かれます。

強力粉
タンパク質が12%以上含まれているもので、硬質小麦から作られます。
グルテンが多く弾力性があるため、主にパンや中華麺などに使われます。

中力粉
タンパク質が9%前後のものを指し、中間質小麦から作られます。
日本で作られる小麦の多くはこのタイプで、うどんや即席めん、たこ焼きなどによく使われています。

薄力粉
タンパク質が8.5%以下のもので、軟質小麦から作られます。
粘りがあまりないのが特徴で、ケーキやクッキー、お好み焼き、天ぷらの衣、ムニエルなどによく使われます。

この3種類はすべて精製されたもので、未精製のものに全粒粉があります。

全粒粉
小麦の胚乳、胚芽、表皮すべてを挽いて粉にしたものです。

小麦粉やグルテンは多くの食材に含まれている
小麦粉というとパンや麺類、スイーツなどが思い浮かびますが、実際にはそれ以外のものにも使用されています。
例えば、粘りを利用して加工肉のつなぎ、膨張することを利用して増量材、その他乳化剤や結着剤、防腐剤などにも多く使われています。

さらにはサプリメントや化粧品、石けんなどに配合されていることもあります。

小麦粉の摂り過ぎが健康に良くないといわれる理由

東南アジアでは今でも小麦より米が主食の主流で、お菓子まで米粉製のものが多いのですが、日本では米と小麦の消費量が10:6~7程度と、小麦粉の割合がかなり高めです。

そこで最近取り上げられるようになったのが、小麦粉が原因の健康被害です。
その理由の代表的なものを挙げてみましょう。

グルテンによるアレルギー

小麦粉に水を加えてできるグルテンに対しアレルギーを起こす「セリアック病」がよく知られています。
これはグルテンが免疫システムを刺激し、小腸粘膜を傷つけてしまう自己免疫疾患です。

症状には、慢性の下痢や便秘、脂肪便、腹部の痛み、貧血、不妊、疲労感、神経障害、発達障害(幼児)などがあります。

また、「グルテン不耐症」や「過敏性腸症候群」もグルテンアレルギーの一種です。

食べてすぐ反応が出ることはないものの、遅延性アレルギーを引き起こします。
倦怠感や疲労、胸やけなどが代表的な症状ですが、グルテンが原因だとは気づかない人が多いといわれています。

グルテン以外のタンパク質によるアレルギー
グルテン以外のタンパク質、特に水に溶けるアルブミンやグロブリンに反応してしまうのが、小麦アレルギーです。
この場合、グルテンフリーの食品を摂っても反応が出ます。

即時性アレルギーと遅延型アレルギーがあり、即時型の場合かゆみやイガイガ感から始まり、最悪の場合アナフィラキシーショックを起こし呼吸困難となります。

粉の酸化による活性酸素の増加
小麦は挽いた瞬間から空気に触れ、どんどん酸化が進みます。
そのため、きちんと密封して冷蔵保存するなど気をつけて扱わないと活性酸素が発生しやすく、細胞を劣化させてしまいます。

この場合、突然何らかの症状が出ることはないものの、体内の老化がじわじわ進んでしまいます。

残留農薬による健康被害
日本で消費される小麦粉の9割以上はアメリカやカナダ、オーストラリアなどからの輸入で、粉にした後に殺菌剤や防カビ剤、殺虫剤など(ポストハーベスト)をかけられ、船で運ばれます。

元々アメリカやカナダでは、栽培時に大量の農薬を使用します。
農薬たっぷりで育った小麦を粉にし、さらに農薬をかけるのですから、いくら健康被害を起こさない基準量以下でも安心はできません。

ポストハーベストによる健康被害には、発がん性や催奇形性が指摘されています。

小麦粉が薄毛の原因になる理由

小麦粉の摂り過ぎが健康にあまり良くないことは、おわかりいただけたと思います。
身体に良くないということは、その一部である頭皮や髪の毛にも良くないということです。

例えば、以下のようなことがあります。

グルテンが頭皮にも影響を与える
小腸は胃と大腸の間にある組織で、胃が消化した栄養分のほとんどを吸収する非常に重要な消化器官です。

しかしグルテンは小腸粘膜を傷つける作用があるため、栄養が充分吸収されなくなります。
すると頭皮に回って来る栄養が不足し、薄毛や抜け毛、切れ毛などが増えてくるのです。

酸化した小麦粉によって増えた活性酸素が毛母細胞を攻撃する
皆さんは、封を開けた小麦粉をどのように保存していますか?

密閉できる容器に移して冷蔵庫で保存していない場合、酸化している可能性があります。
特に高温多湿の環境で保存すると、1週間でもカビが生えるなど劣化が早いことが実験で確認されています。

酸化・劣化した食材を食べると、体内に活性酸素が大量発生します。
すると正常な毛母細胞を攻撃し、細胞分裂がうまくできなくなった毛母細胞は髪を正常に成長させることができなくなり、抜けやすくなるのです。

炭水化物の摂り過ぎで血液がドロドロになる
小麦粉の主成分は炭水化物(糖質)で、約7割も含まれています。
炭水化物はエネルギー源として非常に優秀ですが、摂り過ぎると蓄積され、最終的に中性脂肪に変化します。

血中に入り込むと血液がドロドロになったり血管壁にこびりついたりして、血流が悪くなります。
すると頭部まで届きにくくなるため、薄毛の原因となるのです。

炭水化物の摂り過ぎで糖化する
もう一つ、炭水化物の摂り過ぎで危険なのが「糖化」です。

これは余分な糖質とタンパク質が結合し、AGEsという老化物質を生成することをいいます。
AGEsは分解されにくく、蓄積することで皮膚や髪、骨などの劣化・老化を早めてしまうのです。

小麦粉による薄毛を予防改善するには

今や食生活になくてはならない小麦粉ですが、その害を最小限にするにはどうしたら良いのでしょうか。

小麦粉の摂取を減らす
最も単純な方法は、摂取を少なめにすることです。

例えば、毎朝パン食だったのを1週間に2回程度に抑える、パスタやピザ、ラーメン、うどんなどの回数を減らすだけでも違ってきます。

また、そばはそば粉だけを使っているものと小麦粉をつなぎに使っているものがあります。
成分表を確認し、小麦粉がトップに書かれているものは避けましょう。

間食は洋菓子より米粉を使った和菓子や、小麦粉不使用あるいは低糖質の市販のものを中心に食べると良いですね。

また、グルテンを避けたい人は、グルテンフリーの食品を中心に摂りましょう。

原材料表示に「グルテン(小麦を含む)」と書かれていないかどうか、必ずチェックしてください。
なお、スパゲティの多くはデュラムセモリナという小麦由来で、グルテンが多く含まれているので注意しましょう。

アレルギーでない場合は運動で消費する
アレルギーではない場合、摂取量を減らすと同時に運動で消費するという方法もおすすめです。
糖化は糖質が余っていなければ起こりませんから、運動で燃焼させてしまいましょう。

効率の良い運動は、有酸素運動です。

糖質は運動を始めるとすぐに燃焼が始まり、20分後からは脂質のほうが多く燃焼されるようになります。
ウォーキングや早足、ジョギング、サイクリングなど、体力に合わせて短い時間でもできるだけ毎日行なうと良いでしょう。

まとめ

日本の食生活に欠かせなくなっている小麦粉ですが、摂り過ぎは良くありません。

アレルギーがなくても、肥満や酸化、糖化によって薄毛になりやすくなりますから、少しずつ控えていきましょう。