人間の体は、その半分以上が水分でできています。ですから体内の水分量が低下すると、体の各機能は働きにはもちろん、髪や頭皮にも悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
また水分不足は、薄毛や抜け毛のの原因につながることがあると言われていますが、それは本当なのでしょうか。
そこでここでは、薄毛や抜け毛など、水分不足が頭皮に与える影響などについて詳しく見ていきたいと思います。
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人間の体と水分の関係性とは?
先ほども述べたように、人間の体の半分以上、6~7割ほどは水分で成り立っています。
体内の水分量は新生児の頃がが8割と最も高くなり、老年期になると5割以下に減少すると言われています。
このように、年齢を重ねるごとに体内の水分量の割合も少なくなってきますが、それは加齢とともに食事量や水分の摂取量が少なくなるためであるとされています。
また男女を比較すると、男性よりも女性の方が皮下脂肪が多いため水分の割合が少ないと言われています。
水分は血液やリンパの流れに全身に運ばれ、血液をサラサラにしたり体液の流れをスムーズにする働きがあります。
さらに体内で不要となった老廃物や毒素を、汗や尿とともに体外に排出するという重要な役割を担っています。
ですから水分が不足すると、血液がドロドロになり血流が滞ったり、肌の潤いやハリや失われシワやシミの原因にもなります。
また頭皮まで髪の成長に必要な栄養素が行き届かなくなってしまい、薄毛や抜け毛などを招く可能性があるため、十分に注意が必要です。
水分不足になると薄毛になるのはなぜ?
髪は、頭皮の中にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことによって作り出されています。
またそのために必要な栄養素は、頭皮に張りめぐらされている毛細血管内を流れる血液により運ばれます。
しかし水分不足になって血液の流れが滞れば、毛母細胞まで十分な栄養が行き届かなくなり、髪の成長に影響を与えます。
このように血液は頭皮に髪に必要な栄養素を運んでいますが、水分が不足するとその機能が衰えてしまうため、髪が栄養不足にならないよう水分補給をきちんと行うことがとても大切です。
血液の流れがスムーズになれば髪に栄養素が行き渡りやすい状態となり、頭皮環境の改善や薄毛や抜け毛の予防につながります。
人間の髪は、その重量に対してその11〜13%ほどの水分を含んでいるとされています。
ですから髪に十分な水分があり潤いがあると、ツヤやハリがあり美しい髪を保つことができます。
しかし水分が減少すると、髪の潤いが失われパサパサした髪となります。
人間の髪は肌と同様に年齢とともに水分量が少なくなると言われていまるため、加齢とともに髪がゴワつくようになるのは、若い頃に比べて髪の水分が不足することもその原因のひとつとなっています。
さらに水分不足は頭皮そのものの環境を悪化させる原因となります。
潤いがあり健康的な頭皮は適度な脂分がありますが、水分不足になると頭皮が乾燥し、フケや発疹、炎症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
頭皮の乾燥が招くトラブルとは?
頭皮は、一定のリズム髪が新しく生まれ変わる成長サイクルを繰り返すことで髪の成長を促しています。
この成長サイクルのリズムが崩れてしまうと、頭皮の潤いが失われ乾燥を招いてしまいます。
また頭皮の水分不足により頭皮の血行が悪くなると、頭皮トラブルが起こりやすく頭皮環境の悪化につながります。
そんな時には頭皮のマッサージで血行を促進したり、適度に運動することで血行が改善され、頭皮にも血液により栄養素や水分が行き渡るようになります。
さらに髪の水分量を最適な状態に保つには、髪のダメージを最小限に抑えるためのヘアケアが非常に重要です。
それぞれの髪質に合わせたシャンプーやトリートメントを選んだり、規則正しい生活習慣を心かげることも大切となります。
十分な睡眠やバランスのとれた食生活、適度な運動やストレスを溜めない生活なども心がけるといいですよ。
熱中症による脱水症状も薄毛の引き金に
水分不足になると、体にさまざまな悪影響を及ぼします。その半分以上が水分で成り立っている人間の体は、たった5%の水分を失っただけでも脱水症状を起こしてしまうと言われています。
特に温度や湿度が上がる夏場は、水分不足やミネラル不足などによる脱水症状から、熱中症になる方が急増するため十分な注意が必要です。
熱中症による脱水症状が起こると、喉の渇きや大量の発汗、さらにはめまいや吐き気などが起こります。
屋外だけではなく室内にいても熱中症になり、重症化すると意識を失い命に関わることもあるため、普段からこまめに水分補給するように心がけましょう。
このように命に関わるような重度の脱水症状が起こると、新陳代謝や自律神経の乱れが起こります。
そうするとヘアサイクルにも乱れが起こり、脱毛が起こる場合もあるためくれぐれも気をつけましょう。
多くの方は喉が乾いたと思った時点で水分を取ると思われますが、実はもうその時には、すでに体は水分不足になっていることが多いようですので、喉の渇きを覚える前に定期的に水分を摂取するようにしてください。
睡眠中の水分不足にも注意が必要
実は睡眠中にも多くの水分が失われているのをご存知でしょうか。寝ている間は自分が思っている以上に汗をかき、500mlもの水分が失われるとも言われています。
おすすめなのは寝る前にコップ一杯、約200mlの水を飲むことです。また朝起きた際にも体の水分が不足していますので、必ず水分補給をしてください。
またできればなるべく常温の水を飲むようにすると、胃腸に負担をかけずに水分を取ることができます。
冷たい水を一度に多く飲んでしまうと、体や頭皮が冷えて血行不良になるため気をつけましょう。
特に運動したりサウナを利用した際などには、血液をドロドロにしないようにより多くの水分を取るように意識してくださいね。
実はあまり汗をかかないと思われる冬場にも、空気の乾燥や暖房などの影響により想像以上に多くの水分が失われているため、寒い冬でも水分補給は重要であると言えるでしょう。
一日の適切な水分の摂取量とは?
一日に摂取する水の量は、だいたい2~3リットルを目安にして取るようにしてください。
なお普段から定期的に運動をしているという方は、さらに多くの水分と塩分などのミネラルの補給が必要となります。
ただし、体が一度に吸収できる水の量は250ml程度と言われており、それ以外は尿や汗となり体外に排出されてしまうため、一度に大量に飲むのはNGです。
効果的に水分を体内に取り込むためには、一日に何回にも分けて水を飲むようにしましょう。
なおアルコールやお茶、コーヒーなどカフェインが含まれている飲み物は、胃腸に負担がかかり利尿作用もあるため、逆に多くの体内の水分を失ってしまう可能性があります。
ですからこれらを一杯飲んだら、最低でも2杯は水を飲むようにしましょう。
まとめ
水分は体や髪を健やかに保つためには、必要不可欠なものです。
普段の生活の中でも水分をこまめに取ることは薄毛や抜け毛などを防ぎ、健康的な髪を育てるためには欠かせないものですので、ぜひ適切な水分補給により頭皮や髪に栄養を行き渡らせるように心がけましょう。
また熱中症による脱水症状や睡眠中に失われる水分についても、普段から十分に注意する必要があります。
さらに水分は一度に多く摂取しても体内に留まる量は限られているため、意識して少しずつ何度も水を飲むようにしてくださいね。