今やシャンプーを買うために、スーパーやドラッグストアといったお店の棚をのぞくと、その数と種類の多さに圧倒されますよね。
見渡していると首が痛くなりそうなくらいです。
かつては、テレビCMで宣伝されているような大手メーカーの定番商品くらいしか置かれていなかったのに、この増え方に驚きさえ覚えます。
しかも、低価格のものが増えているのではなく、いわゆる高級シャンプーといわれる高価格のものが増加傾向にあるのです。
そこで今回は、なぜ、お店の棚に高級シャンプーが増え始めたのか?
その理由をご紹介したいと思います。
それと合わせて、高価格と低価格のシャンプーの違いや見極め方についてもお話ししますよ。
是非、参考になさって、あなたのシャンプー選びに役立ててみて下さいね。
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シャンプー市場の変化
日本でシャンプーが出回り始めた1950年代、その使用頻度は月1程度という貴重品でした。
それが、1980年代に入ると週2~3回になり、90年代にもなると、おしゃれに敏感な女子高生たちが毎日シャンプーをするようになりました。
それが徐々に全世代に広まったことで、シャンプーは、近所のスーパーやドラッグストアで、安価で手軽に買えるものへと変化していったのでした。
ただその当時は、宣伝といえばテレビCMなどに限られており、大手が市場を独占していました。
そのため、お店側も売れ筋のみ棚に並べておけば良く、今ほど数を揃える必要がなかったのですね。
もちろん当時も、特別なケア成分が配合されたシャンプーはありましたが、需用は美容院に限られていました。
2000年に入ると、一般市場向けに頭皮ケアのシャンプーが売り出され始めましたが、当初は売れ行きはあまり良くなかったようです。
それが2004年頃から一気に変化が見られるようになりました。
美容院にしか卸されていなかったような、高価格帯(1本800円以上)のシャンプーが市場に出回るようになったのです。
2011年には、その割合が全シャンプーの20%を占めるようになり、2019年には50%にもなりました。
更にその中でも、1400円以上というかなり高価格帯ものが20%を占めるようになっていったのです。
そして現在、シャンプーはお店の棚に、数段に渡ってずらっと並ぶ光景が当たり前のようになり、価格帯も数百円から3000円にまでにのぼるようになりました。
では次に、なぜ、高級シャンプーが増え始めたのか、その理由をお話ししたいと思います。
高級シャンプーが増え始めた理由とは?
ここ最近、日本の人口は増えていないのに、なぜ、シャンプー市場は拡大し、更に高級志向になっていったのでしょうか。それには、3つほどの要因があります。
①20~30代といった若い女性の要望が多様化してきた。
若いうちから、パーマやカラーといったヘアスタイルを当たり前のように取り入れている世代です。
当然、髪は常にダメージにさらされています。更に、かつてより強くなっている紫外線も無視できません。
それゆえに、ヘアケアをしっかりしたい!自分の理想とする美髪を保ちたい!残り香にこだわりたい!と、シャンプーへの要望は細かく多様化してきました。
更に、この年代は働いている女性も多く(平均年収も全女性の中でピークにあります。)、美髪のためなら、高価帯のシャンプーも購入可能というわけですね。
またスキンケアと違って、自分の髪に合わなければ、結んでしまったり、ヘアスタイルを変えてしまえば良いので、新しい商品に次々と乗り替えやすかったということもあります。
②40~60代女性の需用が増えてきている。
かつてこの世代は、家庭におさまり、美への意識が薄れつつある年代でした。
当然ホルモンの関係で、ケアをしなければ、髪はパサつき、まとまらなっていきます。
それを誤魔化すために、ベリーショートヘにしたり、おばちゃんパーマをかけていたわけですね。
しかし、今の40~50代は、雑誌の「Hanako世代」といわれており、美意識が高く、年齢を重ねても若く見られたい、美しくきれいに見られたいという意識が強くあります。
そのため、髪のツヤや潤いにこだわり、更年期による抜け毛対策のために、髪の土台である「頭皮」のケアにもこだわる女性が増えてきました。
それにアンチエイジング願望が加わったのです。
まさに、化粧品に対する要望と同じですね。
身近に見かける年配女性のように分け目を目立たせ、べっちゃんこでバサバサな髪になりたくないと…自分専用のシャンプーを買うようになり、熱心にケアをする女性が増えてきたわけですね。
今は、①の世代ほどではなくでも、この世代も働き、自分のために美容費を捻出できるようになっていることも後押ししていますね。
もしかしたら、この世代の女性が一番、今のシャンプー市場の拡大と高級化を強くプッシュしているかもしれませんね。
③男性の意識も変わってきた。
かなり昔から、男性も中年になって薄毛に悩み始めると、シャンプーにこだわる人はいました。
今は、それが低年齢化しており、若い20、30代から予防のためにと、頭皮ケアや育毛シャンプーを取り入れる男性が増えてきています。
以上より、家族でシャンプーを共有する時代は終わりを迎えつつあり、それぞれの願望のもと、マイシャンプー時代に突入したのです。
それにより、大手メーカーの安価なファミリータイプのシャンプーは、売り上げが減少してきています。
がその一方で、各世代、男女別に様々な要望に応えたシャンプーが、より多く出回るようになりました。こだわりのある商品は当然、価格も上がりますよね。
よって、シャンプー市場は拡大し、更に高級シャンプーが増えてきたというわけですね。
ただし、高級シャンプーのこだわりといえば、成分へのこだわりになるはずですが、そこが曖昧になっている現実があります。
そこで次に、高級シャンプーと低価格シャンプー違いについてお話ししするとともに、粗悪品を間違って購入しないための見極め方をご紹介したいと思います。
高級シャンプーと低価格のシャンプーの違いとは?見極め方とは?
高級シャンプーといえば、天然成分を謳っているアミノ酸系のものが代表的ですよね。
育毛やスカルプケア、ダメージケアといった呼び名のものもあります。
どれも共通して、ほどよい洗浄成分か売りになっています。
というのも、頭皮には適度な皮脂量が必要なためです。
皮脂汚れが残ってしまっているのは論外ですが、実は皮脂の取りすぎも問題なのです。
皮脂が根こそぎ取られてしまうと、頭皮が乾燥し、かゆみや炎症の原因となります。
頭皮環境が悪化すれば、髪が痩せ細ったり、抜け毛や白髪の要因となるのです。
ほどよさが重要にポイントになるわけですね。
ところが残念なことに、高級シャンプーを謳っていながら、天然成分はほんの僅かで、粗悪な成分が大多数のを占めている製品も出回っているのです。
では一方で、低価格のシャンプーはどうなのでしょうか?
価格を抑え、大量生産を可能にするために、石油由来の界面活性剤が使われています。
そのようにして、人工的に作られた洗浄成分は、非常に強く、頭皮をボロボロにして乾燥させ、ダメージを与えてしまうのです。
特に、年齢的に新陳代謝が衰え、ちょっとした刺激にも弱く、デリケートになりつつある40代以降の方にはお勧めできません。
では、きちんと価格に見合うシャンプーを見極める最善の方法としては、「成分表示を見ること」になります。
それは簡単ですよね。値段ではなく、表の謳文句でもなく、裏面の成分表を確認するだけなのですから。
具体的にお話しするなら、「グルタミン酸」や「メチルアラニン」は良い成分ですよ。
一方で、高級アルコールなんていわれている「~硫酸」とつく成分は危険です。避けるようにして下さいね。
お店の棚に高級シャンプーが増え始めてきた理由についてお話しをしてきました。いかがでしたか?
シャンプーという切り口ではありますが、案外、世相を反映していることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
どの年代も、かつてシャンプーとは、単に髪が洗えれば良いと考えられていました。
今はそれだけでは飽きたらず、その一歩先を求めるようになってきたのです。
まさに日本が豊かになってきた証拠ですね。
今は人生100年時代です。
あなたの残り半分の人生を、美髪とはほど遠い状態で過ごしたくはないですよね。
それならば、早めにケアをするに越したことはありません。
お店には溢れるばかりのシャンプーが揃っています。
あなたご自身で成分をきちんと確かめた上で、高級シャンプーを上手に使い、年齢に負けない頭皮と髪を長く保持してみませんか。