この世に若返りの薬があったらどんなに良いだろう…女性なら誰でも願うことですよね。
実は近年発見されたホルモン「DHEA」に、アンチエイジング効果があると評判になっているのです。
まだ研究半ばではありますが、すでにアメリカではサプリメントとして販売されていて、多くの人が利用しています。
今回は、アンチエイジング作用が期待できるホルモン「DHEA」をご紹介しましょう。
Contents
DHEAとは
DHEAは正式名称を「デヒドロエピアンドロステロン」といい、主に副腎皮質から分泌されるホルモンです。
男性ホルモン(テストステロン)や女性ホルモン(エストロゲン)の材料となることから、「ホルモンの母」「マザーホルモン」とも呼ばれています。
DHEAの働き
男性ホルモンや女性ホルモンの材料となる以外に、以下の効能・効果があるといわれています。
・男性・女性更年期障害の緩和
・疲労感、倦怠感の緩和
・性欲の増加
・不妊症改善
・食欲抑制
・筋肉増強
・免疫力向上
・糖尿病予防
・動脈硬化予防
・ダイエット効果
・シミやそばかすの改善
・コラーゲン合成促進
・髪の毛の成長促進
・ストレス緩和
・抑うつ症状の改善
・不眠改善
・アルツハイマー型認知症予防改善
このように、肉体にも精神にも作用し、生活習慣病やメタボの予防改善、精神の安定、美肌や美髪の維持に効果が期待できるのです。
DHEAは加齢とともに減少する
このように心身に良い働きをするDHEAですが、加齢とともに減少することがわかっています。
6歳頃から増え始め、20歳前後で分泌量がピークとなり、それ以降は減少していきます。
40代で約半分、70歳前後でピーク時の約2割まで減ってしまうことがわかっているのです。
そのため、DHEAを含む食品を意識して摂取することが大切です。このことに関しては、後述します。
なお、アメリカではDHEAがサプリメントとして販売されていますが、日本では医薬品扱いとなっており、市販されていません。
加齢以上にDHEAを減少させる「ストレス」
DHEAは副腎皮質から分泌されますが、同じく分泌されるものにコルチゾールがあります。
どちらも抗ストレスホルモンと呼ばれ、ストレスが溜まると分泌されるようになっています。
ストレスを受けて最初に分泌されるのはコルチゾールホルモンで、血糖値を上げる役割があります。
血糖値を上げることによってブドウ糖がエネルギー源となり、ストレスに立ち向かおうとするのです。
しかし、コルチゾールは大量分泌されると血圧の上昇、免疫機能の低下、記憶力の低下、不妊などを引き起こしてしまいます。
そこでこの働きを抑えるのがDHEAです。DHEAには血圧の上昇を防ぎ、免疫力を向上させる働きがあるのです。
しかし、ストレスがあまりに強いと副腎皮質はコルチゾールを作り続けてしまうため、副腎が疲労してDHEAの分泌量が減ってしまいます。その結果、老化が進んでしまうのです。
DHEAと髪の毛の関係
若返りホルモンと呼ばれるDHEAは、髪にどのような影響を与えるのでしょうか。いくつかご紹介しましょう。
女性ホルモンによって髪の寿命が長くなる
女性ホルモンのエストロゲンは、髪の毛の寿命を伸ばす働きがあります。
男性に比べ女性の髪の寿命が2~3年長いのは、このホルモンの働きによるものです。
しかし、加齢とともにエストロゲンを分泌する卵巣の機能が低下するため、30歳前後をピークに分泌量が減っていきます。
特に45歳以降一気に減少し、更年期の約10年が過ぎる頃には分泌量はわずかになってしまいます。
そこでDHEAを摂取すると、女性ホルモンの分泌が高まるため、加齢による薄毛や抜け毛の防止効果が期待できるのです。
ストレスの解消で血流が良くなる
人間はストレスを感じると交感神経が活性化し、ストレスに対処しようとするようになっています。
その時には血管が内臓に血液を集めて逃がさないようにするため、硬くなります。
すると血流が悪くなり、頭部まで届きにくくなります。
髪の毛は、毛細血管から届いた血液によって毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで、成長します。
そのため、ストレスが続くと髪の毛の成長が止まり、抜けやすくなってしまうのです。
しかしDHEAには血管の収縮を抑え、血流が悪くならないように働きかけてくれます。
そのため、DHEAが多いと抜け毛や薄毛の増加を防ぐ助けとなるのです。
不眠の改善で成長ホルモンの分泌量が増える
DHEAにはストレスを鎮める作用があるため、不眠症や質の悪い睡眠の改善に効果があるとされています。
睡眠中は成長ホルモンが分泌されますが、このホルモンには脳内の情報を整理したり、細胞の新陳代謝を促して肌の老化を防いだり、髪の毛の成長を促進したりする作用があります。
しかし、このホルモンは就寝後30分~3時間の間の熟睡中にのみ大量分泌されるため、不眠症や質の悪い睡眠で熟睡時間が減ると分泌量も減ってしまいます。
そこでDHEAを摂取すると熟睡しやすくなり、肌や頭皮・髪に良い影響をもたらすのです。
DHEAを増やしてアンチエイジングに役立てるには
さて、このように健康にも髪にもとても良い効果が期待できるDHEAですが、体内にあるものは加齢とともに減少し、しかも日本ではサプリが販売されていません。
そこで、普段の生活でできる方法をご紹介しましょう。
血糖値を急激に上げる糖質を控える
糖質を摂取すると、血糖値が急激に上がります。
すると膵臓からインスリンが分泌され、血糖値が下がります。
この時に血糖値が下がり過ぎないように働くのが、副腎皮質から分泌される糖質コルチコイドホルモンです。
このようなメカニズムによって、血糖値が上がり過ぎたり下がり過ぎたりしないようになっています。
しかし、糖質の摂取量が多くなると糖質コルチコイドの分泌も多くなるため、副腎皮質が疲労し、DHEAを合成できなくなってしまうのです。
こういった状態を避けるためには、野菜→タンパク質の順に食べ、ご飯やパンなど主食は少なめに摂ることを心がけましょう。
また、朝食を抜くと、次に食事を摂った時に血糖値が非常に上がりやすくなることがわかっています。
牛乳やチーズ、卵などのタンパク質を中心に、少しでも良いので朝に食べるようにしましょう。
自然薯や長芋を食べる
DHAEは、「ヤムイモ」というアフリカ原産の山芋に非常に多く含まれています。
日本では自然薯(ヤマノイモ)や長芋、オニドコロなどのヤムイモがあり、特に自然薯にはDHEAが多く含まれています。
抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEも豊富なので、できれば自然薯を摂るようにしましょう。
下半身を使った適度な運動をする
同志社大学の研究によると、運動、特に太ももの筋肉を重点的に使うスクワットなどの筋肉トレーニングをすることによって、DHEAが飛躍的に増えることがわかりました。
スクワットを1日20回、10日続けただけでDHEAが35%もアップした例もあるのです。
太ももを使った運動を行なう時は、できるだけゆっくり行なうことがポイントです。
太ももに意識を集中し、一回の動作を丁寧に行なうようにしましょう。
DHEAサプリメントは信頼できるメーカーのものを
現在のところ、日本のメーカーはDHEAのサプリメントを販売しておらず、手に入れる場合は個人輸入ということになります。
そこで注意していただきたいのが、その商品のDHEA含有量です。
アメリカ食品医薬品局が調査したところ、表示量どおりの含有量だったものがほとんどなく、ひどいものはゼロ%だったそうです。
多少の誤差は仕方ないとしても、偽薬も多く販売されていますから、個人輸入する場合は必ず信頼のおけるメーカーから購入しましょう。
また、日本で医薬品扱いになっていることからもわかるように、この成分は長期間大量に摂取すると副作用が出る危険性があります。
そのため、記載された用量以上の服用は絶対に止めましょう。
まとめ
DHEAは、アンチエイジングを始め様々な効能・効果があると米国などで認められている成分です。
髪の毛の成長にも効果が期待できるため、積極的に摂りたいですね。
食事の見直しやスクワットなどの運動で増やして、美しい髪をキープしましょう。