女性の薄毛は、年齢とともに進行していく可能性が高まります。
どうしても避けられない部分がありますが、なぜ進行していくのかを知ることにより、少しでも対処する方法が出てくるのです。
ホルモンのバランスの影響もありますが、食生活などでカバーできる部分もあるため、知識として持っておくことが大切と言えるでしょう。
更年期障害とヘアサイクル
閉経の前後10年間を更年期と呼ぶのは、周知の事実です。
この時期になると女性ホルモンのバランスが変化し、様々な影響が生まれてきます。
その影響も人によって違い、自覚症状がある時期もあれば、気がつかずに進行している場合もあるのです。
その中で起きる影響の一つとして薄毛が挙げられます。
髪には、ヘアサイクルが存在します。
成長しやがて抜け落ち、力を蓄える時期に入り、また成長に戻るというサイクルです。
成長期、退行期、休止期と呼ばれていますが、このサイクルが正常に回っていなければいけません。
ヘアサイクルが正常でなくなると、薄毛が進行していくことになります。
単純に考えてみた場合、退行期に入ると髪の毛は抜けていきます。
1日100本程度抜けても、成長期に入っている髪の数が多いため、帳尻が取れているのです。
ところが、ヘアサイクルが乱れ、抜け毛の本数が増えてしまえば、成長期に入った髪が追いつきません。
逆に成長期が短くなってしまうと、細く弱々しい髪が出来上がり、伸びる前に抜けてしまうのです。
このような状態が加齢とともに起きて来やすくなります。
抜け毛が目立つようになるだけではなく、髪が細くコシがなくなりツヤのない髪が増えてくるのも、同じような影響です。
このような状態になれば、髪全体のボリュームにも支障が出てくるでしょう。
なんとなく地肌が見えてきたと思うのは、ボリュームが減ってしまっているからです。
このヘアサイクルには、女性ホルモンであるエストロゲンが関係しています。
エストロゲンが減少すると、ヘアサイクルに異常が出始め、成長期が短くなってしまうのです。
成長期が短くなれば、健全な髪は生まれません。
細く短く力のない髪ができるだけで、産毛のような状態で抜け始めてしまうのです。
成長する前に抜け落ちてしまう状態で、髪はあるけれども薄く見える状態ができます。
全ての髪がこのような状態になるわけではありませんが、密度はどんどん低くなり、薄毛が目立つようになるのです。
新陳代謝の影響
女性が更年期に入ると、これまで正常に行われてきた新陳代謝にも狂いが出てきます。
肌の状態に変化が出てくるのは、更年期の影響が考えられるのです。
頭皮も肌であることを忘れてはいけません。
新陳代謝に異常が出てくると、髪にも影響が生まれます。
10代の頃は、肌は28日程度で生まれ変わって行きますが、年齢とともにどんどん伸びていくのです。
やがて50代になると45日もかけて成長していきます。
この差は非常に大きく倍近くになっているのがわかるでしょう。
これだけの時間がかかれば、ダメージを回復するのも手間がかかります。
その間に薄毛はどんどんと進行し、対処が遅れて行ってしまうのです。
ヘアサイクルにも影響が生まれ、抜け毛もさらに増加して行きます。
新陳代謝の低下は、紫外線などのダメージの回復にも影響を及ぼすため、これまでは大して影響がないと思っていた内容も深刻な状態につながるのです。
このような勘違いも、薄毛を進行させる要因となるでしょう。
歳とともに、どんどんと回復能力が衰えていくことを自覚しなければいけません。
自覚していればこそ、対処できる方法も見つかるのです。
薄毛の進行が避けられないのではなく、進行していく現実と状況から目を背けていたことが問題です。
誰にでも必ず訪れる状況ですので、対処方法を頭に入れていかなければいけません。
頭皮環境の改善に育毛剤
女性にとって更年期障害を回避することは不可能です。
これはどうしても避けられないとして考えなければいけません。
しかし、薄毛の進行という面では色々と対処方法が出てくるのです。
まずやらなければいけないことは、頭皮環境の改善にあります。
新陳代謝が遅れるようになり、ターンオーバーの周期が長くなっていくのであれば、それに合わせて環境も変えていく必要があるでしょう。
例えば育毛剤を使い、頭皮の状態を改善していくのは、大変有効な手段です。
育毛剤と言うと、薄毛を感じてから使われるように思われますが、健康な状態を維持するために使うとさらに価値があがります。
注意点は、発毛剤ではなく育毛剤であるというところです。
女性専用のものが発売されていますので、健康的な髪を生み出すためにも利用するといいでしょう。
食生活の改善と栄養素
食生活という面でも、改善を考えていく必要が出てきます。
規則正しい生活を送れば、自律神経のバランスが整います。
そのぶんだけ更年期の負担も減るので、体の負担も少なくなるでしょう。
精神的な負担も自律神経のバランスを整えれば減るので、総合的に見ても薄毛の対策となります。
髪が何からできているのかを考えれば、重要な栄養素が見えてきます。
髪も人間の体の一部であり栄養がなければ、成長ができません。
成長するためには、タンパク質が欠かせない栄養素です。
食事の中に良質なタンパク質を増やしていくことは、ヘアサイクルを正しく維持するためにも欠かせません。
さらにビタミンやミネラルといった要素もなければ、タンパク質を再合成できなくなります。
人間はたんぱく質を摂取した後に、一旦分解してしまいます。
タンパク質のままでは運びにくいということもありますが、必要な場所まで血液に乗せて送られ、そこで再合成するのです。
再合成する時にはさまざまな栄養素が必要で、ビタミンやミネラルが欠かせません。
つまり、タンパク質だけではなく、栄養素のバランスをとらなければいけないことがわかります。
リラックスして睡眠時間を確保する
睡眠時間もしっかりとることが、更年期障害の影響を抑える手段です。
精神的なバランスをとるためには、自律神経が鍵を握ります。
自律神経には、交感神経と副交感神経があり、バランスがとれた状態にならないといけません。
交感神経が活発化して優位に立つと、人間は興奮状態に陥り、睡眠もしっかり取れなくなります。
副交感神経を優位に立たせるためには、リラックスした状態を作るしかありません。
更年期障害が起き始めると、どうしてもバランスが崩れやすくなります。
普段から睡眠不足になったりしないようにコントロールが必要で、ゆったりとした時間を多くすることにより副交感神経が活発化していくのです。
悪循環を断ち切るという意味でも、睡眠は最低でも6時間、できるなら7時間は取れるようにすると良いでしょう。
睡眠不足になると、新陳代謝が鈍り、頭皮にも影響を与えてます。
健全な髪が作り出せなくなるので、普段から注意が必要です。
ストレスも重要な要素となるため、ウォーキングや軽い運動をして結構を高めつつ、発散を目指していくといいでしょう。
過度な運動は逆効果になりますが、軽い運動であれば、睡眠もとりやすくなります。
血行が改善していくのも感じられるようになり、頭皮にも栄養が行き渡ります。
こうした生活を繰り返していけば、少しでも更年期障害を軽くできるのです。
まとめ
女性にとって避けられない更年期障害ではありませんが、薄毛の影響を含め軽減する方法は色々とあります。
女性ホルモンの代わりをしてくれるような、大豆食品を摂るといった食生活の改善も行なっていかなければいけません。
良質なタンパク質につながりますが、少しずつ生活も改善していくことで、ストレスも減り薄毛の影響も少なくできます。
色々とトライしてみることで精神的な負担も減らせますので、悩むよりも行動した方がいいでしょう。