女性の薄毛

薄毛女性も気をつけたいトリコチロマニアとは?改善する方法とは?

トリコチロマニア、いわゆる抜毛症は、人口の約1~2%にみられる病気であり、そのうちの約9割は女性であると言われています。

そこでここでは、トリコチロマニアとは一体どんな症状なのか、また改善するためにはどうすればいいのかなどについて、詳しく見ていきたいと思います。

トリコチロマニア(抜毛症)の特徴とは?

抜毛症の大きな特徴としては、髪などの体の毛を自分で抜いてしまうことが挙げられます。 

しかも何か目的があって抜くのではなく、本人も無意識のうちに毛を抜いてしまうこともなり、中には眠っている間に引き抜いてしまう方もいるようです。

特に女性の場合は、生理や排卵日など女性ホルモンの変動により症状が悪化する場合もあります。

一度抜き始めると止まらなくなり、また一ヶ所の毛を集中的に抜くためその部分の毛が薄くなり、円形脱毛症のように見えることもあるようです。  

髪の前頭部や側頭部、眉毛やまつ毛などの部位の毛を抜くことが多いと言われており、一日の中で毛を抜く作業に数時間を費やしてしまったりするケースもあります。

髪は自然と抜ける場合は毛根が白くなっていますが、無理やり引っ張るように毛を抜くと毛穴を傷つけてしまい、毛ほう炎を起こし髪が二度と生えて来なくなることもあるため、くれぐれも注意が必要です。

また抜いた毛をかんだり、そのまま毛飲み込んでしまうという方も少なくないようです。

実は抜毛症の症状が現れている方の40%ほどが、抜いた髪を噛んだり飲み込んだりしてしまう食毛症を併発しているとも言われています。

髪は消化されないため毛玉となって消化器官にたまり、腸閉そく、栄養失調などの体調不良の原因になることもあるため、気をつけなければなりません。

抜毛症の方は、自分でも髪を抜くことを恥ずかしいと感じているものの抜くことをやめられず、そんな自分に嫌悪感を抱いている方も多いようです。

抜毛を繰り返すことで頭皮が見えるほどになったり、まつげといった目立つ部分の毛が失われた際、その外見を恥ずかしいと感じる方もおり、仕事や学校などに行くことをためらいを感じるなど、日常生活に影響を及ぼすほど深刻化するケースも見られます。

トリコチロマニア(抜毛症)の原因とは?

トリコチロマニアの原因は、現在でもはっきりとは解明されていません。

抜毛症の方は、特に自分の外見に不満を感じているというわけではないと言われています。

ただし毛を抜く前に緊張や不安を感じていても、毛を抜くことでストレスから解放されて気持ちが安らぎ、満足感や快感のようなものを覚えるため、精神的なストレスが関係している可能性が高いと言われています。

また人によっては、毛を抜くことで頭皮のかゆみが緩和されるため、安心感を覚えるという方も存在します。

さらに家族や友人、恋愛や夫婦関係などのさまざまな悩みに起因するものが多いと言われており、何らかのストレスがかかるとその反動で毛を抜いてしまう行動を起こすようです。

特に大人が発症する場合は、強迫症やうつ病などの精神疾患が隠れていることがあるため注意が必要です。

髪を抜くことを止めれば髪は自然と生えてくることは自分でも十分に理解していますが、自分で抜く行為を止めるのがなかなか難しいというのが現状のようです。

こんな方はトリコロチマニアになりやすいため注意!

人間は誰でも多少のストレスは抱えているものですが、ではストレスが溜まりやすく抜毛症になりやすい方にはどんな特徴が見られるのでしょうか。以下で詳しく見ていきたいと思います。

食生活が乱れている

人間はストレスを感じると、体内の亜鉛が量が減少すると言われています。

そんな時に、食生活が乱れ栄養バランスが偏った食事ばかり取り続けていると、頭皮環境が悪化につながるだけでなく、亜鉛不足がますます助長され、さらにそれがストレスになるという悪循環に陥ります。

またジャンクフードやアルコールの過剰摂取は、皮脂を過剰に分泌させて毛穴を詰まらせる原因となるため注意が必要です。

慢性的な睡眠不足である

ゲームやインターネットなどをして夜更かしするため、いつも睡眠不足であるという方は、ストレスが溜まりやすくなります。

また髪の成長ホルモンが分泌されにくくなり、頭皮や髪がダメージを修復できかったり、髪が成長しにくくなるため注意が必要です。

髪と頭皮を健康に保つためには、成長ホルモンの分泌量が最も多いとされる22時~2時の間には就寝し、しっかり睡眠を取りストレスを溜めないようにしましょう。

運動不足である

定期的な運動は実はストレス発散にもなります。

ですから運動不足の方はストレスが溜まりやすくなり、さらに体の血流が悪くなるため、頭皮も血行不良になり髪に必要な栄養が行き届かなくなり、毛が抜けやすい状態となります。

特に、デスクワークでパソコンなどに向かって座っている時間が長いという方は、長時間同じ姿勢でいるためさらに血流が悪化しやすくなります。

また仕事によりイライラしたり人間関係に悩んだりすると、ストレスが溜まり抜毛症の引き金になる可能性があるため、くれぐれも気をつけましょう。

トリコチロマニア(抜毛症)の治療や改善方法とは?

トリコチロマニアは、その原因となっているストレスや精神的な障害を取り除くことやストレス発散方法を見つけることが重要ですが、まずは自分が病気であると認め、自覚を持つことが症状の改善につながります。

病院での具体的な治療方法としては、まずは検査により脱毛症の症状がトリコチロマニアによるものなのか、または円形脱毛症や真菌症であるかの判別が行われます。
  
円形脱毛症は円形状に脱毛が見られるのが特徴で、症状が進むと脱毛した部分がつながり、広範囲に渡ることもあります。

昔はストレスが原因によってよって起こると言われていましたが、今は自己免疫疾患の可能性が高いと言われています。   
  
  
トリコチロマニアは、頭皮に途中から切れた髪が残っていて、顕微鏡で見ると毛がちぎれているところがはっきり見ることができます。

一方で円形脱毛症は、脱毛した部分の頭皮がつるつるしており、毛の根元が細くなっているのがその特徴となっています。

さらに真菌症の場合は、円形脱毛症のように一部に脱毛が見られる他にも、毛孔に黒い点が見られたり髪が途中で折れていたりするなどの特徴が見られます。

また顕微鏡で検査をすると真菌を見つけることができ、このように病院でよく検査をしないとトリコチロマニアであっても円形脱毛症や真菌症と間違えられることがあるため、注意しなければなりません。

トリコチロマニアには、一般的な脱毛症のように発毛を促進する薬を使用するのではなく、心理検査やカウンセリングなどいくつかの検査を行い、医師と相談としながらSSRIのようなセロトニンの量を増やす抗うつ薬を使い治療を行います。

精神的なストレスや不安がトリコチロマニアの引き金になっていると考えられるため、薬を使ってストレスを軽くして不安を取り除いていきます。

薬だけでは思ったような効果が現れない場合は、認知行動療法も同時に行います。

医療機関を受診するのがおすすめ

トリコチロマニアは、自分で自分の毛を抜いてしまう症状が起こる疾患です。

発症する原因について詳しいことは分かっていませんが、ストレスや不安が引き金になっていると考えられています。

抜毛症かもしれないと感じたら、一人で何とかしようとするのではなく、できるだけ早い段階で精神科または神経科などの受診を検討し、医師の指示を仰ぐことをおすすめします。

病院では、検査やカウンセリング、薬物療法や心理療法などを行います。

髪の専門家である医師による問診や検査などを受け、適切な治療を行いその原因を取り除くことで、症状の改善が期待できます。

「もしかしたらもうこの癖は治らないかも」と不安に思う方もいるかもしれませんが、けして恥ずかしいと感じたり隠したりせずに、医師に相談して適切なアドバイスを受け、髪の悩みから解放され健やかな毎日を過ごしましょう。