女性の薄毛

女性の薄毛と甲状腺の関係

女性に多い甲状腺疾患。

その甲状腺疾患が原因で薄毛になることをご存知でしょうか?

もしかしたら、その薄毛は加齢ではなく甲状腺疾患が原因かもしれません。

なぜ、甲状腺疾患だと脱毛してしまうのか、どんな関係があるのかなどを、解説していきます。

これから甲状腺疾患による脱毛症をご紹介していきますので、少しでもお役立ていただければ幸いです。

甲状腺とは?

そもそも甲状腺ってなんだかよくわからない、という方も多いですよね。

甲状腺は喉にあります。

喉仏にあたる部分の少し下に、気管支を包むような感じでくっついている臓器が甲状腺です。

左右対称で蝶々のような形をしています。

甲状腺ホルモンといって、体の新陳代謝を促すホルモンの分泌する働きがあります。

甲状腺疾患って何?

甲状腺疾患は、甲状腺異常で起こる疾患の総称です。

甲状腺疾患には

・甲状腺ホルモンの分泌過剰による甲状腺機能亢進症
・分泌不全による甲状腺機能低下症
・急性・慢性甲状腺炎
・単純性甲状腺腫
・甲状腺がん
・バセドウ病
・橋本病

などがあります。

甲状腺の病気は、

・ホルモンの合成や分泌が過剰になってしまう機能亢進症
・ホルモンの合成・分泌が低下する機能低下症

によって症状が違ってきます。

症状には

・甲状腺の腫れ
・動機・頻脈
・多汗
・微熱
・暑がり
・ふるえ
・筋力の低下
・下痢
・過食
・眼球が飛び出してくる
・目つきがきつくなってくる
・まぶたが腫れる
・ものが二重に見える
・集中力の低下
・イライラする
・生理不順
・無月経
・むくみ

などの症状があります。

1つ1つの症状はよくある症状だったり、些細なものですが、少しでもおかしいな、と思ったら病院での診察をおすすめします。

甲状腺疾患は検査でわかる?

甲状腺疾患が疑われる場合は検査と問診で判断します。そこで、甲状腺疾患だと診断されれば治療を開始します。

問診

問診では家族に甲状腺疾患の人がいるか、上記のような甲状腺疾患の症状があるかどうか、いつごろから症状が出てきたのか、アレルギーはあるか、などを聞かれます。

気になることや症状があったら、それが些細なものでも伝えるようにしましょう。

いきなり質問されても伝え忘れてしまう場合などもありますので、どんな症状があるのか、気になることなどを事前にメモしていくといいですね。

触診

甲状腺のある喉の部分を触診で診察していきます。

腫れがあるか、しこりなどはないかなど、触診でわかる部分は診察していきます。

強く押したりなど、痛い触診ではないので安心して力を抜いて、診察を受けましょう。

血液検査

血液検査では、血中に含まれている甲状腺ホルモンの数値などを知ることができます。

また、自己免疫機能が低下してしまうため。自分で自分を攻撃してしまうことがあります。

そのため、抗体検査をすることで病気の診断をより、確実なものにするために行うことが多いです。

2つの検査を一緒にしてしまえば、採血は1回ですみます。

採血が苦手な人は医師に1回ですむように相談してみましょう。

エコー検査

超音波検査で内部を確認します。

調べたい部分にジェルを塗り、プローブという超音波探触子を軽く当てて、モニターに内部を映します。

ジェルがヒヤッとしますが、痛みなど一切ない、妊婦さんにも使用できる安全な検査方法です。

調べたい部分をリアルタイムで観察することができるのがメリットです。

検査時間も10分から20分もあれば終了します。

細胞診

しこりや腫れが確認できた場合、その腫瘍部分に針を刺して細胞を採取します。

採取した細胞を顕微鏡で観察し、その腫瘍が悪性なのか、良性なのかを見極める検査となります。

痛みもチクッとする程度で、麻酔などは必要ありません。

時間も数分程度で採取できますので、あっという間に終わります。

入院などの必要もなく、日帰りでできる検査になります。

甲状腺疾患でなぜ薄毛になるの?

では、なぜ甲状腺疾患になってしまうと、抜け毛や薄毛の症状が出てきてしまうのでしょうか?

甲状腺ホルモンは体の代謝に関係するホルモンです。

全身の細胞に作用する働きがあります。

・脳の発達
・器官の成長・発育
・心血管系に対する作用
・脂質・糖質代謝作

など全身にわたります。

当然ながら、髪の毛の代謝にも関わりがあります。

髪の毛を生成する毛母細胞の代謝にも影響してくるので、新しい髪の毛が作られない、毛が抜けてしまう、ということが起こると考えられています。

甲状腺疾患になるとどのくらい抜けるの?

甲状腺疾患による脱毛は、1日に400本ほど抜けると言われています。

健康な人でも毎日髪の毛は生え変わっているため、抜けますがその本数は50本〜100本程度になります。

400本というのは明らかに異常な量であるということがわかりますね。

・髪の毛が抜けやすくなる
・髪の毛が多く抜ける
・新しい髪の毛が生成させない
・髪の毛が細くなってくる

などが重なり合って、脱毛の症状となってしまうのです。

甲状腺疾患の薄毛は治療で治る?

甲状腺疾患になってしまったら、脱毛や薄毛は諦めるしかないのでしょうか?

甲状腺疾患による脱毛は、ホルモン治療で改善することができます。

早めに治療を始めれば、それだけ改善も早いので、脱毛に関しては気にしなくてよさそうですね。

ホルモン治療は内服薬で行うことができるので、痛みもなく治療することができます。

服用回数も、だいたいの場合は1日1回の服用なので、負担も少なくてすみます。

また、腫瘍が小さい人は服薬の必要もない場合もあります。

薬は必要なくても、経過観察のために数ヶ月に1回ほど診察を受けます。

そして、腫瘍が大きかったり、喉に圧迫感があったりする場合は手術で切除する可能性も。

甲状腺疾患はその程度により、症状も治療法も違いますので少しでも違和感を感じたら診察を受けましょう。

甲状腺疾患が原因の薄毛は何科で治療できる?

甲状腺疾患による脱毛は内科で治療できます。

甲状腺疾患の診察がすでに終わっている場合は、甲状腺疾患でかかっている科で治療を受けてください。

検査の場合は皮膚科などでも血液検査をしてもらうことができます。

ただ、症状があって検査をするという場合には、皮膚科だと検査の結果を見て、内科や内分泌代謝科や甲状腺外科、耳鼻科、頭頸部外科などに行き、また検査をしなければならないこともあります。

症状がある場合には最初から専門医にかかって検査をしてもらうほうが、治療を早く始めることもできますし、検査を何回も受けずに済むので、体にも経済的にも負担が小さくてすみますね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

甲状腺と薄毛は、一見なにも関係がないように見えますが、実は密接な関係にあることがわかりました。

髪の毛は命には直接関わりはありませんが、髪の毛の出すサインによって命の危険を防ぐことも可能です。

通常であれば1日に抜ける髪の毛は50本〜多くて100本程度です。

明らかにそれよりも多い量の抜け毛で、上記で説明した症状などがある場合は医師の診察を受けましょう。

甲状腺疾患であれば、ホルモン治療で抜け毛が止まります。

健康状態、栄養状態や時に精神状態までも教えてくれる髪の毛を大切に、そして教えてくれるサインを見逃さないように日頃のケアを欠かさないように注意したいですね。