ヘアケア

薄毛女性も知っておきたい!オーガニックとボタニカルの違い

ヘアケア用品や雑貨を選んでいたり、CMなどでもよく聞いたりすることの多くなった「オーガニック」と「ボタニカル」。

「多分、植物系のもの…?」

と、なんとなく思ってはいるものの、その違いがなにかと聞かれると困ってしまいませんか?

この二つにはきちんとした違いがあり、特にお肌に直接使用するケア用品を購入の際は、きちんと理解していないと損をすることになるかもしれません。

この記事では、現役美容師の私が、今さら聞きづらい「オーガニック」と「ボタニカル」の違いについて、解説していきます。

ボタニカルとは?

ボタニカルとは、「植物」や「植物由来の~」といった意味をもちます。

植物全般を指してボタニカルと呼び、ヘアケア用品以外にもファッションなどにも使われる言葉です。

ちなみに由来は英語で、SNSなどでは「ボタニカル女子」と呼ばれる自然派を望む女性が増えたことでも話題となっています。

ボタニカルの基準は?

ボタニカルには明確な基準はありません。

植物系のもの全般がボタニカル商品を名乗ることができるので、雑貨などにも使用されます。

家具、インテリアなどにも使用されるので、気軽に身近に取り入れやすいのが特徴です。

オーガニックとは?

オーガニックとは、「有機栽培」という意味です。

植物のなかでも有機栽培された原料を使用したものをオーガニックと呼び、こちらも由来は英語の「有機的な~」からきています。

美容業界ではずいぶん前からこのオーガニック系の商品が出回っており、シャンプー剤やアウトバスなどのヘアケア用品を始め、各種育毛アイテムにも多く使用されています。

オーガニックの基準は国によって違う

日本では「有機JAS認定機関」がオーガニックであるかどうかの認定を行います。

各国によって厳しい基準を設けて認定を行っていますが、なかでも「BDIH」というドイツの団体は非常に厳しい基準によって認定されることから、その認証マークが表記されている化粧品や医薬品は、世界的にも高い評価をされているのが特徴です。

日本での基準は?

では、日本でオーガニックを名乗るためにはどんな基準が設けられているのでしょうか?

それは、

農薬(化学肥料)不使用

遺伝子組み換え技術の不使用

3年以上、有機肥料での土づくりを行った土地での生産

です。

ざっくりとこの3つの基準があり、これらの基準に当てはまったものが、オーガニックと名乗ることができるようになります。

植物系のなにがいいの?

オーガニックもボタニカルも、どちらも植物系の成分であることは間違いありません。

シャンプーなどのヘアケア用品には、多くの植物系成分が配合されています。

植物系のヘアケア用品についてのメリットを挙げていくと、

頭皮への刺激が少ない

補修効果

安全性が高いものが多い

となります。

頭皮や髪の毛は、紫外線や乾燥などによる刺激を受け、日常的にダメージを受けています。

植物に含まれる栄養素が配合されたヘアケア用品を使うことによって、そういったダメージを軽減してくれたり、刺激を受けて弱っている頭皮を優しくケアしてくれるのが、植物系の最大のメリットです。

選ぶときに注意すること

例えばシャンプー剤でボタニカルやオーガニックの商品をドラッグストアなどで購入しようとします。

これらは、「製品のなかに数パーセントでも入っていれば」ボタニカルシャンプーやオーガニックシャンプーと謳うことができてしまいます

これは非常に危険なことで、シャンプーで考えれば洗浄成分である界面活性剤などのその他の成分になにも関係がない、ということになります。

安価なシャンプー剤には「ラウレス硫酸」や「ラウリス硫酸」などの刺激の強い石油系の洗浄成分が使われていることが多く、強すぎる洗浄力によってバリア機能となる油分を過剰に取り除いてしまう恐れがあります。

こういった「硫酸系」と呼ばれる界面活性剤を使用したシャンプー剤に数パーセントのボタニカル成分やオーガニック成分が入っていたとしても、そのシャンプー剤は「ボタニカル系のシャンプー」であり、「オーガニック系のシャンプー」です。

シャンプー剤を選ぶときに一番重要なことは「洗浄成分はなにか?」ということですから、選ぶときには「アミノ酸系」のものを選ぶのがおススメです。

アミノ酸系の洗浄成分であれば、「ココイルメチルアラニン」や「ラウルロイルメチルアラニン」「ココイルグルタミン酸」などが一般的なものになります。

植物系だからといって安易に購入するのではなく、その他の成分がなにを配合しているのかも、きちんと確認するようにしましょう。

状況別の適した選び方

ボタニカルとオーガニックの違いが分かったところで、ではどちらを選んだらいいのか?となってくると、「状況によって変わる」ということになってきます。

状況別で適したものが変わってきますから、ここではその選び方について説明していきます。

ヘアケア用品を選ぶなら

シャンプー類や育毛アイテムなどのヘアケア用品を選ぶときは、オーガニック系の商品を選ぶようにしましょう。

植物系のなかでも厳しい基準をクリアしているオーガニックは、安全面でボタニカルよりも優れていると言えます。

特に頭皮や髪の毛はダメージを受けやすく、繊細な箇所ですから、出来る限り成分の優しいものを使う必要があります。

特に育毛剤などのもともとが繊細な用途に使用する商品では、特に注意して確認することが必要となります。

インテリアとして選ぶなら

お部屋のインテリアなど、鑑賞用のものを選ぶときは、ボタニカル。

観葉植物には、空気洗浄機のような役割もあり、カビやバクテリアの繁殖を抑えたりマイナスイオン濃度を上げたりしてくれる効果があります。

また、ストレスを軽減してくれるリラックス効果もあります。

コスメを選ぶなら

コスメ用品を選ぶときは、オーガニック。

ヘアケア用品と同じく、直接お肌に使う化粧水や乳液などは、優しいタイプの物を選ぶのがおすすめです。

金額面で高いのはどっち?

どちらかを購入しようか悩んだとき、判断のひとつとしては金額も大事になってきます。

商品によって差があるので、一概にどちらの方が高いということにはなりませんが、比較したときに高価なものが多いのはオーガニックです。

もちろん、オーガニックを謳っていながらも安価な商品もありますが、そういったものには上記したシャンプーの例のようなその他の成分に問題があることもあります。

高ければ良いというわけではありませんが、きちんとしているものは高価になる可能性は高い、と言えます。

オーガニック食品は安全?

日本では「食品衛生法」により安全が確認されたものだけが、スーパーなどに出回るようになります。

ですので、そもそも日本で販売されている食品は、オーガニックに限らず高い安全性を保っています。

ただ、含まれている添加物に問題が見つかる可能性は0ではありません。

事実、日本で現在使用されている添加物になかには、海外では危険性が考えられ、使用できないものもあります。

オーガニックはそもそも無添加のものになるので、こういった添加物での危険性は少なく、安全性は非常に高いものであると言えます。

まとめ

ボタニカルにしてもオーガニックにしても、頭皮や髪の毛、お肌にとって植物性のものが効果的なものということには変わりありません。

ですが、「植物性だから大丈夫」と安易に考えるのではなく、その時の状況に合ったもの、その他の成分もきちんと見極めた上での選択は必要なことです。

是非、ご自分のお肌や状況に合ったものを選んでいただければと思います。