髪の状態は、見た目年齢に大きく影響を与えます。
たとえば、潤いがありつやつやした髪であれば、実年齢よりも若く生き生きとして見えるものです。
反対に、パサつきがひどい傷んだ状態では実年齢以上に老けて見えてしまうでしょう。
つやのある美しい状態を維持するためには、傷まないように気をつけるとともに、栄養をしっかりとって内側からケアすることが欠かせません。
とはいえ、どんな栄養をとると良いのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは、髪のためにとるべき栄養や、食事の際に何に気をつければ良いのかについて説明します。
Contents
髪の質を高めるために摂りたい栄養とは?
一昔前は、「髪を育てるには海藻が良い」とよくいわれていました。
海藻にはビタミンやミネラル、亜鉛などが含まれているので、髪に良いことは確かです。
しかし、髪の主成分であるたんぱく質が十分にとれないので、海藻だけをいくら食べても髪が増えることはありません。
髪の質を高めるためには、次の栄養素を特に意識してとると良いでしょう。
たんぱく質
ビタミン
ミネラル
それぞれ、どのような栄養素が見ていきましょう。
たんぱく質
髪のほとんどはケラチンというたんぱくが占めています。
ケラチンを構成しているのは18種類のアミノ酸です。
もっとも割合が高いアミノ酸はシスチンで、そのほかにグルタミン酸やアルギニン、スレオニン、セリンなどがあります。
18種類のアミノ酸のうち、半数が必須アミノ酸です。
これは体内で合成されないものなので、積極的に食物からとる必要があります。
たんぱく質を含む食物をとると体内でいったんアミノ酸に分解されてから、再びケラチンに合成されます。
ただし、たんぱく質によって必須アミノ酸が含まれている割合は異なります。
必須アミノ酸をバランスよく含むほど良いたんぱく質です。
良いたんぱく質を意識してとるとより良いでしょう。
良いたんぱく質かどうかを知る目安として「アミノ酸スコア」があります。
これは、食べ物に含まれるたんぱく質に必須アミノ酸が含まれる割合を示すもの。
100に近いほど良質なたんぱく質といわれます。
スコアが100になるものは動物性たんぱく質に多く、植物性たんぱく質は少なめの傾向があります。
100
【動物性たんぱく質】肉、魚、ヨーグルト
90以上
【動物性たんぱく質】プロセスチーズ
【植物性たんぱく質】枝豆、おから、豆腐
80以上
【動物性たんぱく質】あさり、えび
【植物性たんぱく質】大豆、ブロッコリー
70以上
【動物性たんぱく質】いか
【植物性たんぱく質】にら、とうもろこし
とはいえ、動物性たんぱく質ばかり食べるのも脂質のとりすぎとなり、栄養バランスが崩れてしまいます。
植物性たんぱく質を含む食品も適度にとりいれるようにしましょう。
ビタミンとミネラル
たんぱく質が体内でアミノ酸に分解されてケラチンなどに再合成される際、必要になるのがミネラルとビタミンです。
たんぱく質は肉や魚、卵など主菜となる食材から十分にとれるので、不足を心配することはありません。
それよりも、ビタミンとミネラルを意識して摂取することが大切です。
ビタミンB6
ビタミンB6は、アミノ酸がケラチンに再合成されるときに働く亜鉛を補助するのに必要です。
頭皮の皮脂の過剰分泌を抑えるなど、頭皮環境を整えるのにも欠かせません。
マグロやカツオ、牛レバーなどに多く含まれます。
ビタミンC
アミノ酸の代謝などに役立ちます。
抗酸化作用があり肌細胞が活性酸素で傷つくのを防いだりコラーゲンの生成を促したりするなど、頭皮の状態を整える働きがあります。
フルーツや緑黄色野菜に含まれます。
ビタミンE
血行を良くする作用があり、頭皮環境を整えます。
抗酸化作用もあります。
ナッツ類、ひまわりオイルなどの植物油に多く含まれます。
亜鉛
アミノ酸からケラチンを作るとき、欠かせない成分です。
頭皮の新陳代謝も促し、頭皮の状態を整えます。
亜鉛は不足しがちなので、意識してとるようにしましょう。
牡蠣や牛レバー、チーズなどに多く含まれます。
鉄分
鉄分は血液をつくるのに不可欠な成分です。
血液は細胞に栄養や酸素を送り届ける重要な役割があります。
不足すると頭皮の細胞に栄養が行き届かず、髪の成長が阻害されます。
レバーや納豆、あさりなどに含まれます。
マンガン
たんぱく質の代謝を助ける酵素を活性化させ、ケラチンの合成を助けるミネラルです。
ショウガや玄米などに含まれます。
サプリメントを活用するのもおすすめ
髪に必要な栄養を紹介しましたが、たんぱく質はともかくミネラルやビタミンを充分にとるのは難しい人も多いでしょう。
その場合は、サプリメントを活用するのもおすすめです。
ただし、さまざまな種類が販売されていて、なかには質の良くないものも含まれます。
信頼できるメーカーのものを選びましょう。
続けることも大切なので、経済的に無理のない価格のサプリメントを選ぶことも大切です。
過剰に摂取してしまうと身体に悪影響を及ぼすことがあるので、パッケージにかかれた用量を守って飲みましょう。
避けたほうが良い食べ物は?
どのような栄養素でも、食べると髪に悪いというものはありません。
栄養である以上、どんなものでも身体や髪を作るのに役立ちます。
とはいえ、とりすぎるのは特にさけたほうが良いというものはあります。
脂っこい物、甘い物
からあげやフライ、とんかつなど揚げ物が好きな人は多いでしょう。
甘いものが好きでしょっちゅう食べているという人もいるのではないでしょうか。
このような脂っこい食べ物や甘い物ばかり食べていると、皮脂の過剰分泌につながります。
皮脂の過剰分泌は、以下のようなトラブルのもとになる恐れがあります。
頭皮の毛穴が皮脂詰まりを起こし、髪の正常な成長を妨げる
過剰な皮脂をエサにして頭皮の常在菌が繁殖し、炎症やフケが発生する
べたつく、臭う
皮脂詰まりや頭皮の炎症が起きると、抜け毛を招き、薄毛を助長する恐れもあります。
つい食べ過ぎてしまう人は、食べる機会や量を意識して減らすことが大切です。
ただし、急に食べるのをやめるとストレスになり、かえって髪にとって良くないことになります。
極端にへらさず、徐々に減らしていくと良いでしょう。
アルコールの摂りすぎにも注意
適度なアルコールの摂取は、血行も良くなり、リラックスできてストレスの解消にもなるため悪いことではありません。
問題は、飲み過ぎてしまうことです。
アルコールを分解するときは、アミノ酸やビタミンがたくさん消費されます。
すると、髪をつくる分が不足してしまうので、発毛や成長の妨げとなってしまうのです。
適度なアルコールであれば問題ないので、禁酒までする必要はありません。
しかし、日頃飲みすぎる自覚がある人は、飲む機会や量を控えるよう意識することが大切です。
まとめ:バランス良い食事をとることが大切
つやのあるしなやかで美しい髪をつくるには、毎日の食事に気をつけることが大切です。
忙しくて食事を抜いたり、無理なダイエットをしたりすると、栄養不足で髪が育たずぱさついたり抜けたりするようになるでしょう。
髪に必要な栄養はたんぱく質、ミネラル、ビタミンなどです。
しかし、これらばかり意識して食べるのも、良くありません。
栄養に偏りが生じると、髪ではなくても身体のどこかが不調になる恐れがあります。
きちんと決まった時間に、栄養バランスのとれた食事をとるように心がけましょう。
アルコールや脂っこい物、甘い物のとりすぎにも注意が必要です。
食生活を見直し、美しい髪を手に入れましょう。