「ここ最近、髪の毛が急に細くなってきた気がする…」
「カラーのしすぎなのかな…」
女性は35歳を過ぎてくると、「エイジング世代」と呼ばれる頭皮環境や髪の毛が弱くなる時期になります。
この世代になってくると、「薄毛」「細毛」「ハリ、コシがなくなる」などの髪の毛の変化が起きてきますが、なかでも気になりやすいのが「細毛」です。
髪の毛が細くなってしまうと、ヘアスタイルも上手く決まらないし、見た目にも貧相な印象に。
そんな悩みをお持ちの方に向けてこの記事では、元カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、髪の毛の細くなる原因とその対策について、解説していきます。
Contents
髪の毛の変化は頭皮環境の乱れ
「頭皮は髪の毛を作る土壌」です。
肥えた土壌に良質な作物が育つように、髪の毛にも同じことが言えます。
加齢
ストレス
生活環境の乱れ
などの原因によって頭皮環境が乱れてしまうと、細毛や薄毛などの髪の毛の変化として現れます。
こうなった頭皮は「栄養不足」や「血行不良」になってしまっている状態です。
これらの原因を現代社会で全て解消していくのは現実的には難しいところ。
心身ともに健康的な生活を心掛けることが大事な要素となります。
どうして髪の毛が細くなるのか?
髪の毛は3層の組織で構成されています。外側から順に
キューティクル(毛小皮)
コルテックス(毛皮質)
メデュラ(毛髄質)
の3層です。
髪の毛はのり巻きと似た構造になっており、表面の海苔の部分がキューティクル(毛小皮)、ごはんの部分がコルテックス(毛皮質)、具の部分がメデュラ(毛髄質)とイメージしてもらえると、分かりやすいと思います。
エイジング世代になり、細くなってしまった髪の毛は、この具の部分のメデュラが弱くなってきている状態です。
カラーやパーマにより傷んだ状態とは違う
美容室でお客様からご相談されるときにもよく言われることですが、この加齢によって髪の毛が細くなった状態は、カラーやパーマによって傷んでしまった髪の毛の状態とは異なります。
薬液による傷みは、主にキューティクルが剥がれ、コルテックスが漏れ出てしまっている状態です。
コルテックスは本来、水分を多く含む組織です。
薬液によって海苔の部分となるキューティクルが剥がれてしまうことで、蓋をすることができず、コルテックスの内部にある水分が漏れ出てしまうことにより、髪の毛はダメージを受けた状態になります。
エイジング世代の影響で髪の毛が細くなってしまった減少とは、そもそもの変化している組織が違うので、トリートメントなどによって細毛を解消することはできません。
髪の毛が細くなった時の対策
細くなった髪の毛を解消させるためには、育毛アイテムを使用する方法が有効です。
育毛アイテムには
育毛剤
育毛シャンプー
育毛サプリメント
などがあります。
それぞれに特徴があり、使用方法も異なりますが、どの育毛アイテムを使用するにしても、一番大事な事は「継続する」ということ。
ご自分の生活スタイルを思い返し、無理なく継続できるアイテムを選ぶことが重要です。
対策1 育毛剤を使用する
育毛剤は、育毛アイテムのなかでも一番効果的なものです。
内容成分が多岐に渡り、その成分によって価格も変わります。
1本数千円で購入できるものから、2万円強のものまで、価格帯にも幅があります。
大事なのはその使用方法です。
育毛剤は一日に2回、朝夜使うもの。
鼻を通った頭部の正中線上に、生え際からつむじの下までにかけて4プッシュ。
その後、両サイドにそれぞれ3プッシュずつの計10プッシュを塗布します。
その後、生え際やつむじなどのご自分で気になる箇所に5~10プッシュし、頭部全体に育毛剤を馴染ませるようにマッサージします。
これを毎日、朝夜の2回欠かさず行います。
効果が出るまでには個人差があり、その期間はおよそ3か月~半年。
その間、同じ育毛剤を2~3本は必要になってきますので、根気強く継続していくことが重要です。
対策2 育毛シャンプーを使用する
普段の生活に今までになかった「育毛剤を使用する」というルーティンをプラスするのは意外と大変なもの。
そんな時は育毛シャンプーがおススメです。
シャンプー自体に育毛効果のある成分が入っているのがこの育毛シャンプー。
今まで使用していたシャンプー剤をこの育毛シャンプーに変えるだけで済むので、今までの生活スタイルに自然に溶け込ませることができます。
近年は多くの育毛シャンプーは販売されてきていますが、育毛効果だけで考えると育毛剤よりは効果は薄いものが多いのが現状です。
価格帯としては1本5,000~10,000円ほどのものが多く、育毛効果以外にもハリやツヤが出やすいものが多く販売されています。
細毛が原因によるトップのボリュームダウンなども解消してくれるシャンプーが多いので、ヘアスタイルが決まりやすくなる、というのも特徴ですね。
対策3 育毛サプリメントを使用する
乱れてた頭皮環境を身体の中から整えてあげよう、というのがこの育毛サプリメントです。
多くは錠剤タイプになっており、髪の毛を元気にさせる為に必要なタンパク質や亜鉛などの成分と、育毛効果のある各種成分が配合されています。
なかには「プラセンタ」などの美容成分が配合されている商品もあり、女性に嬉しいお肌のケアも一緒にできるのが多いのも特徴です。
飲んで摂取するタイプの育毛アイテムなので、育毛剤や育毛シャンプーに比べると使用に不安のある方もいるかと思います。
育毛効果自体は育毛剤、育毛シャンプーと比べると低いものが多く、「美容効果を多く含んだサプリメントのなかに育毛効果もプラスしている」というイメージ。
アレルギーなどで合う、合わない、が出やすいのも経口タイプの特徴なので、ご自分の体質を考えて選ぶ必要があります。
美容室で出来る細毛ケア
美容室によっては、施術によって細毛を解消するメニューもあります。
代表的なのが「ヘッドスパ」。
育毛アイテムが「栄養不足」を補うものであるのに対し、ヘッドスパは「血行不良」を解消させるために特化した施術です。
血行不良を起こしている頭皮は硬くなっている状態です。
ヘッドスパは、硬くなった頭皮をマッサージによって柔らかくし、血行促進を促してくれます。
肩や腰と同じく頭皮も意外とコリやすい箇所なので、定期的にヘッドスパを受けることで頭皮環境を整え、細毛ケアをしていくのも有効です。
見た目だけでもすぐに細毛を解消させる方法
普段のケアや美容室でのヘッドスパなど、方法は様々ありますが、そのどれもが長期的に行っていかなければならないもの。
「見た目だけでももっと簡単にすぐに解消したい…」
という方には、「パーマ」がおススメです。
トップのボリュームを出すように根元に立ち上がるクセをつけてあげれば、全体的にふんわりとした印象になり、細毛が目立ち辛くなります。
また、ロングヘアの方であれば、毛先にウェーブを出すようにパーマをかけることによって全体的なボリュームアップも可能です。
薬液によるダメージは起きてしまうので根本的な細毛対策とは別に髪の毛のダメージケアも必要になってはきますが、すぐにでも細毛を解消したい、という方には気軽にできる対策となります。
まとめ
細毛の悩みは放っておくと、その後薄毛などのもっと深刻な悩みに発展しやすいもの。
なによりも早めのケアが重要です。
内容によっては金銭面で高価になってくるものもありますので、無理なく継続していけるものを選んで頂ければと思います。