ヘアケア

薄毛が気になる女性の髪にも生理がある!?

髪の毛にも生理があることは皆さんご存知でしょうか?

女性の体で引きおこる生理は、生命を営むうえで大切な諸現象ですが、これは髪の毛でも同じことが言えるのです。

髪の毛が生えてから抜け落ちるまでの過程やそのサイクルについて解説していきますので、私たちの髪の毛がどのような成長を遂げているのか、興味がる方は是非最後まで読んでいってみてください。

髪の毛の発生

髪の毛はいったいいつから生えてくるのでしょうか?

生まれたばかりの赤ちゃんにはもう立派な髪の毛が生えています。

髪の毛は生まれる前に、すでにお母さんのお腹の中で生えているのです。

産毛

人の髪の毛は、生命が芽生えてから9~14週間で、皮膚ができてくるのと時を同じくして発生します。

そして胎生5か月くらいで、まず「産毛」と呼ばれる始めの髪の毛が完成します。

胎生8か月ごろからその産毛は徐々に「軟毛」という毛に加わり、軟毛のまま人は誕生を迎えます。

そしてさらに生まれて3~6か月目ぐらいには、「硬毛」に生え変わってきます。

現在皆さんの頭に生えている髪の毛は、この硬毛と呼ばれる髪の毛です。

ところで生まれる前に生えている産毛ですが、皆さんが日ごろ産毛と呼んでいる毛とは、また別のものです。

俗に産毛と呼ばれる毛は、軟毛のことを言います。

産毛と軟毛とよく似ており、とくに毛髄がなくやわらかい髪の毛で、色は茶色いのが特徴的です。

毛穴の数は赤ちゃんも大人も同じ

赤ちゃんの髪の毛と大人の髪の毛はずいぶん違いがあります。

それは量と髪質です。

髪質に関しては赤ちゃんの場合は軟毛で柔らかく、大人は硬毛で赤ちゃんよりも硬い髪質をしています。

量に関しては、大人の場合だと、一つの毛穴から、3本髪の毛が生えてくるのですが赤ちゃんの場合は一つの毛穴につき1本です。

毛穴の量は大人と赤ちゃんは同じで、生涯変わることがないのですが、毛穴一つあたりから生えてくるように相違がありますので、髪の量が大人の方が多いのです。

良く大人の方が毛穴が多いと思われがちですが、そんなことはなく毛穴の数は同じであるということを理解しておきましょう。

髪の毛の成長

髪の毛は、毛根部にある毛乳頭の基底細胞(毛母細胞)が分裂し、それが次々に押し上げられて成長していきます。

基底細胞から分裂した細胞は、毛包・メデュラ・コルテックス・キューティクルなど二分化しながら、角化するのです。

この時、基底細胞のところに存在する色素細胞(メラノサイト)が、角か細胞にメラニン顆粒を送り込み、その量や大きさの違いから髪の毛の色が異なってくると考えられています。

毛は成長と退縮を繰り返す

胎生期に出来上がった毛包は一定のリズムで成長と退縮を繰り返しています。

まず、「成長期」と呼ばれる細胞が盛んに増殖・分化する時期が続きます。

その後、この成長期が終了し、「退行期」へ移っていきます。

ヘアサイクル

人の頭髪の場合、成長期が2年~6年退行期が2週間から3週間休止期が約3か月です。

これをヘアサイクルと呼び、ヘアサイクルの割合は、約85%~95%が成長期、退行期毛が約1%、休止期毛が10%前後と考えられています。

しかし、人においても、動物と同様に成長期毛の比率は季節的に変動しています。

具体的には、春に高く、秋に低下するようになっているのです。

秋ごろから抜け毛が増えるという感覚になっている方もいるかもしれませんが、それは科学的に正しいことで、既に知られている季節的なヘアサイクルの変化を感じ取っているのです。

一方、同じ硬毛でもまつ毛は休止期が100日程度で成長期は30日~45日ほどしかありません。

髪の毛の伸びる速度

頭髪の伸びる速度は1日当たり0.4~0.5mmですが、成長期の長さにより毛の長さが決まり、毛乳頭の直径と毛の太さが比例します。

人の髪の毛は約10万本あるといわれていますが、このうち10%(1万本程度)が休止期です。

休止期から成長期に移行するまでの3か月の間に抜けるとすると、1日50本~100本程度が生理的な、つまり正常の生え変わりに伴う脱毛量となります。

軟毛の成長期毛の比率は30~50%程度で、50日前後が成長期、伸びる速度は0.03~0.1mmです。

もっとも、ヘアサイクルは色々な環境下で変化することが知られていますので、これらの数値がいつもピッタリ合うわけではありません。

人のヘアサイクルはモザイク型

人の髪の毛は、いつも量が一定に保たれています。

例えば犬や猫のように、季節ごとに一斉に脱毛して生え変わったりせず、髪の毛1本1本のサイクルは異なります。

だから一斉に抜けることなく、毎日自然に髪の毛が抜けていくのです。この人間のヘアサイクルのタイプを「モザイク型」といいます。

ヘアサイクルのタイプとして、以下のようなものがあります。

継続型

ヘアサイクルがなく、伸び続けるタイプです・

例として、アンゴラウサギ、羊、プードルなどが挙げられます。

波型

ヘアサイクルが一致している部分が頭部より尾の方へ、波のように移動しながら生え変わるタイプです。

例として、ラット、マウス、ハムスターなどが挙げられます。

モザイク型

1本1本の毛のヘアサイクルがランダムに異なり、時期ずれで生え変わるタイプです。

例として、人間、モルモット、サル、豚など。

白髪の悩み

毛根で髪の毛が作られるとき、通常はメラノサイト(色素細胞)で作られたメラニン顆粒が、髪の毛の中に送り込まれるために髪色が付きます。

白髪とは、何らかの原因によってメラノサイトが消失し、メラニン顆粒が送り込まれなくなり、髪の毛が白くなる減少です。

現状では、なぜメラノサイトが消失するかは十分に解明されていません。

白髪の実態

白髪は10代でもあるようですが、30代中ごろから急激に増加します。

部分的に白髪ある人では、頭頂部、側頭部で白髪が多くなっています。

白髪とヘアカラー

従は遺伝的な因子が大いに関係しますが、老化現象の一つであるともいえます。

30代中ごろより白髪保有者は急激に増え、加齢に伴ってその数は増します。

一方、ヘアカラーをしている人たちの割合は、白髪保有者の増加曲線とはほぼ同様に、30代中ごろより増えてくるのです。

白髪がないのにヘアカラーをしている人は、オシャレ染めのカラフルな色を楽しんでいる人たちですが、白髪が増えるにしたがって、白髪染めへと移行していきます。

日本では圧倒的に白髪染めが多く、カラフルなオシャレ染めはそう多くありません。

しかし、白髪染めも一生染め続けるわけではなく、50代後半になって髪の全体に白髪が多くなると染めるのを辞める傾向にあります。

歳をとっているのにもかかわらず、黒々とした髪の毛はかえって奇異に感じられることと、髪の毛全体が白髪になると、反対にオシャレな感じになることによると思われます。

【まとめ】髪の毛のサイクルを正常に働かせ元気な髪の毛を維持しましょう

いかがでしたでしょうか?

この記事では髪の毛の生え変わりの謎、髪の毛にも生理があるということを解説してきました。

髪の毛にはヘアサイクルといった周期があって、ある一定の期間で古い髪の毛が抜け落ち、新しい髪の毛がまた生えてくるので常に元気な髪の毛でいるように保っています。

特に人間は一気に髪の毛が抜け落ちるようなことはなく、毎日少しずつ髪の毛が抜け落ち、生え変わりを繰り返しています。

薄毛や白髪などの髪の毛の悩みを防ぐためには、日頃から生活習慣を整え、正しいヘアケア・頭皮ケアでヘアサイクルを正常に保つことが大切です!