現在は男性だけでなく、女性でも薄毛に悩んでいる方が増えていると言われています。
女性に起こる薄毛の症状のことを、女性男性型脱毛症、FAGAと言います。
もし生活習慣の改善などでも薄毛や抜け毛が改善されない場合、クリニックなどで専門的な治療を受けることも選択肢のひとつとして挙げられます。
実は薄毛の治療は日々進化しており、薄毛に高い効果を発揮する治療方法が次々と開発されているのをご存知でしょうか。
そこで今回は、さまざまな女性の薄毛の最新の治療方法を中心に、女性の薄毛の原因などについても見ていきたいと思います。
Contents
女性の薄毛の原因とは?
女性の薄毛の原因にはさまざまなものがありますが、女性に多いと言われているもののひとつが、髪が全体的に抜けて薄くなるびまん性脱毛症です。
びまん性脱毛症は、ホルモンバランスの乱れやストレス、無理なダイエット、不規則な生活習慣などが原因であると言われています。
その他にも、出産後のホルモンバランスの乱れが原因により起こる分娩後脱毛症や皮脂の過剰分泌により起こる脂漏性脱毛症、毎日同じ場所で髪を結ぶなど頭皮に負担がかかることで起こる、牽引性脱毛症などがあります。
女性の薄毛治療はどこでできるの?
女性の薄毛治療は、薄毛専門のクリニックの受けることができます。
治療だけでなく日々の生活の中で注意しなければならないことを相談できるのも、クリニックを受診するメリットであると言えます。
ただし、何らかの病気が原因で薄毛になっている可能性がある場合は、内科や皮膚科を受診した方がよいケースもあります。
特に体に何らの異変を感じている場合は内科や皮膚科を受診し、薄毛との関連性を知ることが大切です。
薄毛治療には健康保険が適用されないため注意
一般的に薄毛専門クリニックで治療を行う場合、健康保険が適用されないためかかる費用は全額自己負担となります。
これは、薄毛は命に関わる病気ではなくホルモンバランスの乱れやストレス、不規則な生活習慣などが原因となって引き起こされるものであり、自由診療に分類されるためです。
自由診療とは厚生労働省が未承認の治療法を用いた診療方法であり、クリニックごとに価格が異なります。
薄毛の種類によっては適用される場合も
ただし薄毛の種類によっては、健康保険が適用される場合もあります。
例えば円形脱毛症や脂漏性脱毛症、ひこう性脱毛症などは皮膚疾患であるとされ、保険が適用されるケースがあります。
ですから薄毛の治療にかかる費用に関しては、クリニックで治療を受ける前に医師にきちんと確認しておきましょう
女性の薄毛治療に使われる治療薬とは?
以下では、女性の薄毛の治療に使用される治療について、詳しく見ていきます。
パントガール内服薬
パントガールは、ドイツにおいて開発された世界初の女性用薄毛治療内服薬です。
臨床試験によると、パントガールを使用してから3ヵ月間で女性の約7割が 抜け毛や薄毛に対して何らかの効果を感じたとされ、さらに2割の方はほとんど抜け毛がなくなったと言われています。
パントガールには、髪の成長に欠かせないケラチンやパントテン酸カルシウム、ケラチンを構成するためのアミノ酸であるL-システインやビタミンB群が配合されています。
それらの成分が髪の成長に欠かせない毛乳頭細胞に届けられることにより、更年期による薄毛や抜け毛、びまん性脱毛症や出産後の脱毛などに効果が期待できます。
また、ケラチンは爪を形成する主成分の一つであるため、パントガール爪が割れやすい、また弾力が少ないなどといった症状にも効果を発揮すると言われています。」といった方にも効果が期待できます。
ミノキシジル外用薬
発毛剤などによく使用されているミノキシジルは、血管を拡張する効果があると言われています。
実は元々は高血圧の治療薬として使われていたミノキシジルですが、治療を受けた患者に発毛効果があることわかり、やがて発毛剤の成分として使用されるようになりました。
ミノキシジルにはサイクルを正常にする効果があり、髪の量を増やしさらに太く長い髪に成長させる働きがあります。
薄毛の最新の治療方法とは?
ここでは、クリニックなどで実際に行われている、最新の薄毛の治療方法について詳しく見ていきます。
LED発光ダイオードによる薄毛治療
最近注目されている薄毛治療の方法として、LEDを使った治療が挙げられます。
LEDの光の中でも薄毛に対して効果が期待できると言われているのが、波長の長い赤色LEDです。
この赤色のLEDには、610〜750ナノメートルという波長で頭皮の毛根部に光を届かせる働きがあると言われています。
赤色LEDを照射し、HGFやレプチン、VEGF-Aなどの髪の成長に関わる細胞増殖因子を誘導することにより、髪の成長を促しますす。
ヘアサイクルにより、人間の髪は一定の期間を経ると自然に抜け落ち、抜け落ちた場所から再び新しい髪が生えてきます。
毛母細胞が分裂し髪が伸びる成長期が数年間続いた後、数週間の退行期がきて髪は自然に抜け落ち、その後に休止期が3〜4か月続きます。
ヘアサイクルはこの過程を、だいたい4~6年かけて繰り返します。
加齢が原因による女性の薄毛は、この成長期が短くなり髪が短く柔らかいまま退行期に入ってしまうことが原因となっています。
そのため成長期の長くすることが、赤色LEDよる薄毛治療のひとつの目的となっています。
赤色LEDによる光の照射は痛みがなく、頭皮や髪への刺激も少ないのがメリットであり、比較的安全な治療方法であると言われています。
ヘアフィラー療法
ヘアフィラー療法は、数種類の機能性ペプチドを毛母細胞に注射して発毛を促すという治療方法です。
機能性ペプチドとは、特定の細胞に指令を与える役割を持った複数のアミノ酸からなる物質のことを言い、ヘアフィラー療法においては、オリゴペプチド、デカペプチド、オクタペプチドの3種類が使用されます。
これらの物質には、頭皮の血流改善や頭皮細胞へ発毛するよう刺激を与える効果があり、さらに発毛抑制因子を減少させる働きもあります。
再生医療PRP療法による毛髪再生治療
PRP療法とは、自分の血液中にある血小板の働きを利用して育毛を促進させ薄毛を防ぐ治療方法のことです。
PRPとは、血液中にある血小板の濃度を、濃縮して作成した高濃度の血小板のことを言います。
PRPを含む血漿を直接頭皮に注入することで、頭皮部分の組織を再生させ育毛を促進させます。
実は人間の血小板には、細胞の再生を促進する成分が多く含まれています。
この血小板の成長因子の持っている特徴を利用することで、育毛能力を取り戻すことが期待できます。
この治療法においては、自分の血液から精製した成分を利用するため、感染症やアレルギーのリスクがなく安全性が高いのがメリットであると言えます。
また細胞自体を活性させ、頭皮が健康な状態となるため治療の効果が長続きします。
また効果の現れ方が緩やかで急激な変化がないため、周囲に気づかれにくいことも良い点として挙げられます。
PRP治療法に関しては世界中で多くの研究者がその有効性を認めており、新しい再生医療として現在注目されています。
まとめ
今回は、薄毛の最新の治療方法について詳しくご紹介してきました。
薄毛の治療には健康保険が適用されないため、クリニックなどで治療する場合には、多額の費用がかかることも考えられるため、その点は心に留めておきましょう。
ですからまずは生活習慣や食生活の見直しなど身近でできることからはじめ、それでも改善が見られず重症化したり、病気が原因で薄毛を引き起こしている可能性がある場合には、ぜひ一度薄毛専門クリニックを訪れて見ることをおすすめします。