頭皮にも深刻な問題を与える状態は、いろいろとあります。
そのひとつとして糖化という言葉が取り上げられるようになりました。
女性の薄毛にも通じる問題であり、さまざまな影響を及ぼしてしまうため、将来に備える意味でも、理解しておかなければいけないでしょう。
人間の体が焦げる糖化とは
糖化とはそもそも何かといえば、老化現象のひとつです。
加齢とともに起きてくる現象で、体の中にあるタンパク質と余剰な糖が結合することで起きる状態をさしています。
この時にたんぱく質が劣化してしまい、蛋白糖化最終生成物と呼ばれるAGEsが作られてしまうのです。
このAGEsの何が問題かといえば、分解することが非常に難しい性質を持っています。
老化を進行させてしまう物質であり、分解することが難しい性質から体調不良などの疾患を起こしてしまう原因にもつながるのです。
その疾患とは糖尿病や高血圧、癌のもとになるとの研究も進んでおり、非常にリスクの高い生成物と言ってもいいでしょう。
体の養生な糖が結合するというだけではなく、脂肪の多い食事を繰り返しているだけでもリスクが高まります。
よく指摘されるようになったのがファーストフードを好んで食べるような状態であり、ここに運動不足や睡眠不足が重なった時に危険度が高まるのです。
人間の体は老化から逃れられませんが、糖化する状態を作ってしまえば、自分の手で老化を早めてしまうことにつながります。
実際の年齢よりも体が衰えてしまっているのは、この糖化反応が原因だったりもするのです。
紫外線などの影響により体が酸化してしまうことを、錆びると表現する場合があります。
これに対し糖化は焦げると呼ばれるようになりました。
頭皮もこの影響を受けやすく、老化が進めば抜け毛が増えていき深刻な薄毛が現れてくる可能性が出てくるのです。
知らないで進んでしまうと、後で後悔しても間に合いません。
糖化しない状態を作るためにも細かに対策を施していく必要があるでしょう。
頭皮の糖化が及ぼす大きな影響
そもそも人間の体にとって糖は大事なエネルギー源です。
たんぱく質も欠かすことができない物質であり、不足すれば体を維持できなくなります。
特に糖はエネルギー源として活用されるだけではなく、余剰分はたんぱく質と結合しやすい性質を持っているのです。
必要がない時には肝臓に蓄えられており、いざという時にはエネルギー源として使われていきます。
問題はこのリミットを超えた状態の糖を蓄えた時と言っていいでしょう。
余剰を抱え込むとしても限界があり、これを越えればたんぱく質と結合し糖化してしまう可能性が出てくるからです。
結合して出来上がったAGEsは、肌の中でも真皮と呼ばれる部分のコラーゲンに蓄積していきます。
肌の弾力を失わせるだけの力を持っており、だんだん老化が進み、たるみが見られるようになるのです。
しわもできるようになるのは、それだけ老化が進んでいる状態を示しています。
これが頭皮でも起きるのです。
頭皮の真皮もハリをもたらすために重要な役割を持っています。
表面にある表皮に比べ、厚みが15倍から40倍もありますが、糖化が進むことにより厚みがある分だけ大きな影響を与えるるでしょう。
この真皮の部分に、髪を作り出す毛包などがあります。
弾力を失ってしまうと、毛包の周辺部分でもハリを失い硬化するのです。
頭皮の血管は非常に細い毛細血管であり、ハリがなくなると血液が送られてきた時に広がる隙間が無くなります。
血流の悪化も招くようになり、髪を育てる力がどんどん下がっていくのです。
悪循環にさらに悪循環を重ねるような状態となり、抜け毛も増えることになります。
髪も糖化する
髪の成長を担っているのは、毛包の中にある毛乳頭です。
この毛乳頭が細胞分裂を起こすことによって、髪が作り出され成長していきます。
成長と呼ばれますが、細胞分裂して作り出された時に細胞自体は死滅しており、そこから成長したり変化することはありません。
傷ついた髪が元に戻らないのも、細胞が死滅しているからであり、後からどんなケアをしても変化しないのです。
AGEsが蓄積してくると、毛乳頭とも母細胞の働きがうまくいかなくなっていきます。
細胞分裂をしても広がる場所がなくなり、伸びていけなくなる可能性も出てくるでしょう。
清澄不十分の段階で伸びていく可能性もあり、ヘアサイクルの狂いが生じ抜け毛が増える状態も出てくるのです。
さらに白髪が増える要素もう出てきます。
毛母細胞はメラニン色素を取り込み黒い髪を作り出していきますが、AGEsの影響によりメラニン色素が供給されにくくなるのです。
つまり、色素が取り込めなくなりながら髪を作らなければならず、白髪が増えていく要素につながります。
いろいろなことをしていても、まともに対策に繋がらない理由が隠れていたりすると言えるでしょう。
糖化するのは頭皮だけではありません。
髪自体も糖化する可能性が出てきます。
なぜならば、たんぱく質と糖が結びつくことが原因というところにポイントがあるからです。
髪は複数のアミノ酸が結合して作られているたんぱく質で構成されており、頭皮で起こったようなことが起きる可能性が出てきます。
当然しなやかな状態は失われてしまい、ハリやコシを失った針金のような状態になると言えるでしょう。
髪の成長を阻害しているのと伴い、老化がハッキリと見られるようになり、薄毛に繋がるのは必然となるのです。
生活習慣が重要
糖化を抑える方法は、生活習慣の中に隠れています。
たんぱく質を結びつく糖を抑えられれば、必然的に糖化を下げることができるでしょう。
人間の食事にはいろいろな糖分が含まれていますが、体の中で変化する炭水化物なども控えていく必要が出てきます。
最近よく知られるようになった糖質制限ダイエットも効果を上げる方法のひとつです。
他にもお菓子や清涼飲料水などを避けるだけでも、予防につなげられます。
だからといって、朝食を抜いたりするのは逆効果です。
食べる習慣を減らすだけでも効果が上がりそうに見えますが、1食減らすだけで体は低血糖状態が長く続きます。
この後に食事をとると、血糖値の上昇が一気に見られる状態ができるのです。
この血糖値を下げなければならないため、体はインスリンを大量に分泌しなければいけません。
そうなると今度は血糖値が一気に下がり、糖を代謝するためのホルモンが極端に変動してしまうのです。
これが糖化を進める大きな原因となるため、食事のリズムはきちんと保たなければいけません。
他にも多くの病気を引き起こすきっかけとなるため、朝食はしっかりととり、1日のお食事もバランスよく保てるようにする必要があるでしょう。
他食べる順番も大きな影響を与えると考えられています。
ベジファーストと呼ばれる言葉ができていますが、野菜を先に摂取することで、体の中で繊維質が膨張しお腹をみたしやすくしてくれます。
血流も良くなるため、糖化の予防にとても役立つ方法なのです。
紫外線対策も重要で、この刺激が糖化を促進してしまうのが分かっています。
普段から帽子をかぶったり、日傘をうまく活用するなど、紫外線を浴びないようにもしていきましょう。
まとめ
人間の体が焦げると呼ばれている糖化は、さまざまな方面から注目を集めるようになりました。
老化を早めてしまう結果となるため、体のダメージをどんどんと増加させる問題でもあるからです。
その結果として薄毛など深刻な問題を与える可能性も指摘されているため、普段の生活から注意し糖化を防ぐようにするべきでしょう。