仕事のプレッシャーが大きい、人間関係がこじれて辛いなど、何かとストレスが溜まっている人は多いのではないでしょうか。
過度のストレスは、胃の傷みや寝つきの悪さなどを引き起こすだけでなく、抜け毛や薄毛を招く原因ともなります。
しかし、そもそもストレスはどうして薄毛の原因になるのでしょうか。
ここではその理由や対策方法について説明します。
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そもそもストレスとはどういったもの?
ストレスとは、もともとは外部からの圧力によって歪みができた状態を指す言葉です。
心理学の領域においては、心身にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、それに対する反応をストレス反応と呼んでいます。
特に、人間関係のこじれや仕事上のプレッシャー、家庭不和などの心理的、社会的ストレッサーによって引き起こされる歪みをストレスということが多いです。
目には見えないけれど、現代社会に生きる多くの人が確かに感じているもの、それがストレスなのです。
ただし、悪い面ばかりが強調されがちなストレスですが、必ずしも悪いばかりではありません。
たとえば、適切な目標を掲げてがんばろうとするときはストレスを伴いますが、気持ちにハリが出て達成に向けてがんばる力になります。
これは成長を促す良いストレスです。
一方、たとえば仕事でどうがんばっても難しい目標を無理やり課されたり、努力しても報われないことが続いたりしたとしましょう。
これはプレッシャーとなり、苦しくなります。
これは悪いストレスです。
悪いストレスが溜まったとき、心身にさまざまな影響がでるようになります。
ストレスが及ぼす心身への影響
ストレスが溜まると、自律神経が乱れやすくなります。
自律神経とは循環器や消化器、呼吸器などがスムーズに機能するように働いている神経です。
交感神経と副交感神経の2種類あります。
交換神経は活動するときに優勢になり、副交感神経は休息時に活発になります。
この2つが切り替わることで、私たちは健康に生活できるのです。
過度のストレスは、この大切な自律神経のバランスに乱れを引き起こします。
すると、身体機能の調節がうまくいかなくなり、さまざまな不調を引きおこすようになります。
たとえば、情緒が不安定になって不安やうつうつとした気持ちが続く、眠れなくなる、頭痛や耳鳴り、胃腸炎が起こるなどです。
そのほか、筋肉の緊張状態が続いて肩こりや節々の傷みが起きたり、血行不良につながったりすることもあります。
女性ホルモンの分泌のバランスも崩れやすくなります。過食に走ったり、反対に食欲不振に陥ったりすることもあるでしょう。
ストレスが抜け毛につながるわけ
髪の成長に必要な栄養が届かない
髪が健やかに成長するためには、栄養が必要です。
栄養が不足してしまうと髪がしっかり育たず、抜けやすくなって薄毛につながります。
そのため、栄養をしっかり摂ることが大切です。
しかし、いくら栄養を摂っても、細胞に届かなければ意味がありません。
細胞に栄養を運ぶのは血液なので、ストレスの影響で血行不良になると栄養がスムーズに届かなくなってしまいます。
その結果、抜け毛や薄毛を招きます。
女性ホルモンが不足してしまう
女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンの2つがあります。
このうち、エストロゲンは女性らしい丸みを帯びた体つきを作ったり、髪の成長に関わったりします。
女性ホルモンは視床下部から卵巣に指令がでることで分泌され、量のバランスが保たれています。
しかし、視床下部はストレスの影響を受けやすく、その影響で女性ホルモンの分泌量が減ってしまうことがあり、結果として髪が抜けやすくなってしまうのです。
成長ホルモン不足
私たちの体は、睡眠中に成長ホルモンがもっとも分泌されます。
成長ホルモンというと、子どもの成長に関わるものというイメージを持つ人も多いでしょう。
しかし、実は多くの組織に作用して新陳代謝を促す働きがあり、大人にとっても大切なものです。
髪の主成分であるケラチンの合成にも関わっています。
そのため、成長ホルモンがしっかり分泌されていると髪の健やかな状態が維持しやすくなります。
ストレスが溜まると、イライラしたり不安になったりして良質な深い睡眠がとれないことがしばしば起こります。
これは睡眠不足を引きおこし、成長ホルモンが十分に分泌されないことになって髪の弱りにつながります。
ストレスは溜めこまず適度に発散を
上で見てきたように、ストレスは髪の健全な成長を妨げます。
抜け毛や薄毛が気になりだすと、ヘアケアをがんばったり育毛剤の使用を検討したりしがちです。
それも大切ですが、まずはストレスを適度に発散するようにしましょう。
ストレスの発散方法は人それぞれです。
例として次のような方法があります。
意識してゆっくりと深く呼吸する
外を散歩し、太陽の光を浴びる
声をだす、歌を歌う
辛ければ我慢せず泣く、あえて悲しい映画を見たり本を読んだりして泣くのもあり
運動をする
好きなものを食べる
上記はあくまで例です。
運動がきらいな人がストレス解消になるかもと無理してやると、余計にストレスを溜めかねません。
運動したり散歩したりするより、部屋で静かに好きな本の世界に没頭しているほうがストレス解消になる人もいるでしょう。
自分なりの発散方法を見つけ、ストレスとうまくつきあうことが大切です。
また、抜け毛や薄毛に悩みすぎたり、人目を気にし過ぎたりするのもよくありません。
髪が抜けたり薄くなったりすることは誰でもあることととらえ、あまりくよくよ悩まないようにしましょう。
ストレス解消と同時にするべきこと
薄毛を予防するためには、ストレスをうまく解消することも大切です。
薄毛だけではなく心身が不調に陥るのを防止することもできるでしょう。
ただし、ストレス発散だけでは薄毛の予防や対策としては不十分です。
それ以外にも注意することが大切です。
生活習慣を整える
仕事や育児、家事にと忙しく、不規則な毎日を送っている方は多いでしょう。
忙しいのはわかりますが、生活の乱れは心身に良くありません。
当然、髪の毛の成長にも関係してきます。
毎日なるべく同じ時間に起床、就寝するともに、できるだけ睡眠時間を確保するようにしましょう。
ホルモンバランスや自律神経が良好に働くようになることで、頭皮も健康になり、髪が健やかに育ちやすくなります。
食生活に気をつける
先に述べたように、栄養をしっかり摂ることも髪の成長には欠かせません。
食事から補給することが大切です。
髪に必要な栄養はたくさんあり、そのなかでも次の3つが重要な役割を果たします。
たんぱく質:髪の主成分であるケラチンのもと。肉、魚、卵、大豆製品、牛乳などに多く含まれる
亜鉛:ケラチンの合成に役立つ。牡蠣、レバー、肉、チーズなどに含まれる
ビタミン類
ビタミンA:新陳代謝を促し、頭皮環境を整える。緑黄色野菜やレバー、うなぎに多く含まれる
ビタミンB群:たんぱく質の代謝を助ける。血行を促進する。B2は豚肉や魚、卵など、B6は魚や肉、レバーなど
ビタミンC:コラーゲンを産生し頭皮環境を整えるサポート、ストレス解消にも役立つ。野菜や柑橘類など。 赤ピーマンやレモン、柿
ビタミンE:抗酸化作用や血行促進作用があり頭皮を整える。アーモンドや植物油、うなぎなど。
たんぱく質は特に意識しなくても、不足することはあまりないでしょう。
亜鉛やビタミンは不足しがちなので、食事からだけでは難しいときはサプリメントで補うのも1つの方法です。
ただし、これもきっちり栄養を摂らないと!と意識しすぎるとストレスにつながり、良くありません。
バランスの取れた食事をとるようにしましょう。
美味しい食事をしっかり食べると、ストレスの解消にもなりますよ。
まとめ
ストレスと上手につきあい薄毛を予防しよう
日常生活を送っていると、ストレスが溜まることはよくあります。
ストレスが過度に溜まると心身に悪い影響を及ぼし、薄毛にもつながるため、そのままにしないことが大切です。
自分なりの発散方法を見つけ、適度に発散しましょう。
ストレスを溜めこまないようにするだけではなく、生活習慣を整える、バランスの取れた食事をとることも薄毛の予防には大切です。
健康な生活を送るようにするとストレスに負けないようになれますよ。