頭皮のチクチクと痛みを引き起こす原因
毛包炎
頭部にある毛包が細菌の感染で炎症を起こしてしまいます。
この毛包は皮脂の汚れが溜まりやすく小さなシコリがつくられその内部に膿が溜まって腫れ上がり痛みや熱を感じます。
悪化すると頭皮の奥に膿瘍と呼ばれるものができ、抜け毛となります。
頭皮神経痛
頭皮の後頭神経や眼窩上神経がなんらかの刺激で痛みを引き起こします。
はっきりとした原因が解明されていませんが、動脈硬化や肩こりなどが発症の引き金になっていると考えられています。
帯状疱疹
水疱や帯状疱疹ウイルスに感染しその後神経節内に隠れていたウイルスが免疫力が低下したときに活性します。
重症になると高熱や意識障害を引き起こすことがあります。
頭皮の乾燥
皮脂を落とすシャンプー剤の力が強すぎたり、肌質に合わないシャンプーを使うと頭皮乾燥につながりやすいです。
また、シャンプーのしすぎも余分に皮脂を落としすぎてしまいます。
頭皮が乾燥すると乾燥性の皮膚炎やフケ、粃糠性脱毛症の原因となります。
ストレス
ストレスで自律神経が乱れその影響で女性ホルモンや血行など様々なものに影響し、頭皮が痒くなったりかきむしったせいでチクチクと頭皮に痛みが走る場合があります。
頭皮に痛みが走った場合は頭皮の炎症などを起こしている可能性があります。
皮膚炎
皮膚炎にはアトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、ひこう性皮膚炎、接触性皮膚炎、皮脂欠乏症皮膚炎など様々な理由があります。
頭皮がチクチク痛かったり焼けるような痛みやものすごく痒みを伴う場合は皮膚科で受診しましょう。
アトピー性皮膚炎
アレルギー体質また、遺伝によってアトピー素因を持った方で4割の人が薄毛や円形脱毛症に発展しやすいと言われています。
さらにアトピー素因を持っている方の円形脱毛症は重度の円形脱毛症になることがあります。
通常円形脱毛症は五百円玉くらいのものですが、これは初期の段階でだんだん脱毛範囲が広がっていくことも円形脱毛症の典型的な例です。
段階としては
単発型
五百円玉程度の円形脱毛症
多発型
単発型の円形が2つ以上できる状態
蛇行型
生え際や本来薄毛になりにくい後頭部の下部の円形脱毛症で範囲は広範囲になります。
全頭型
脱毛範囲が頭部全体に及び髪の毛が全くなくなってしまう状態の円形脱毛症です。
凡発型
全頭型がさらに悪化し頭部全体のみならず眉などの体毛全てが抜け落ちてしまいます。
これら円形脱毛症のほとんどは遺伝やアトピー素因によるものがおおいのとまた、甲状腺などの関係もあります。
詳しくは最寄の皮膚科で受診をしましょう。また皮膚科で原因不明となれば内科などで精密検査を受けてみても良いです。
脂漏性皮膚炎
皮脂の過剰分泌によって頭皮での雑菌が過剰繁殖、特にマラセチア菌が増えすぎて頭皮の炎症を起こしてしまいます。
マラセチア菌は頭部の常在菌で、この菌は皮脂を餌に生息します。
通常だとマラセチア菌が皮脂を食べる際の刺激で頭部毛穴付近の代謝が促されるのですが、これが以上繁殖してしまうと痒みを伴いながら頭皮が炎症を起こします。
また脂漏性皮膚炎がひどくなり脱毛を発症するようになると脂漏性脱毛症と呼ばれ痛みも伴います。
ひこう性皮膚炎
主にホルモンバランスなどを崩して発症する乾燥性の皮膚炎で、カサカサしたフケを伴います。
このカサカサしたフケを常在菌や真菌が餌にして以上繁殖した際に頭部に乾燥性の炎症が起こります。
またこれが悪化してしまうと粃糠性脱毛症と呼ばれる症状に発展してしまいます。
接触性皮膚炎
カラーやシャンプー剤などが原因でアレルギー反応を起こし頭皮が炎症する皮膚炎です。
敏感肌の方はこの症状が出ることが多いです。
カラー剤や化粧品など化学化合物を使用する際は必ずパッチテストをしたほうが良いでしょう。
カラー剤のアレルゲンは主にジアミンという化学物質で頭皮にチクチク感やヒリヒリ感ひどい場合だと焼けるような痛みを伴います。
パッチテストは普通の美容院であればいつでもできます。
パッチテストがどういったものかというと腕の皮膚の弱いところに少量のカラー剤を塗布し48時間放置します。
放置中に痒みや痛み、またカラー剤を洗い流した後皮膚が赤く炎症を起こしてなければ大丈夫です。
お化粧品やシャンプー剤も同様のことが可能ですが、これらは一製品として販売されているためパッチテストだけをすることがむずがしいです。
専門の販売店でお願いしてみましょう。
皮脂欠乏症皮膚炎
皮脂の分泌が不足し炎症を起こす皮膚炎です。
皮脂は汗と混ざり保湿成分となります。
それが肌バリアの役割をするのですが、皮脂の分泌量が少ないと乾燥しやすい頭皮環境になります。
シャンプーのしすぎ
頭皮がチクチク痛みを伴ったり痒みを伴う場合は一度シャンプーのし過ぎを疑ってみてください。
シャンプーは通常1日に一回で良いのですが、それを1日に何度も繰り返していないか?
またシャンプーをするときに爪でガシガシ頭皮を引っ掻いていないかなどを見直してみてください。
意外にも見落としがちな項目です。
パーマ液やカラー剤
これもシャンプーのアレルギーと似ています。
こちらも接触性皮膚炎の一つですが、人の体は年齢や環境とともに変化していくので、ある日突然カラーやパーマ液に弱くなったということもあります。
また薬剤や金属、植物などのアレルギーは人によりけりなので、頭皮にチクチク感があるときは一度病院でアレルギー検査をしてみると良いでしょう。
肩こりや冷え症
髪の毛は血液から栄養や酸素を補給し育ちます。
また頭皮は毛細血管の集まりなので肩こりや冷え性といった血管の収縮によって血流が低下し痛みや抜け毛を伴うことがあります。
頭皮がチクチクした時の対処法
皮膚科や神経科で受診
一番は最寄の病院で検査を受けることです。
本来は症状が出る前にアレルギー検査をしていれば安心ですが、アレルギーが原因でない場合もあります。
ですから、頭皮がいつもと違って違和感を感じたらり、また痒みを伴う場合は早めに受診することをお勧めします。
頭皮の痒みの後は痛み、その後は必ず脱毛につながってしまいます。
日常生活での予防方法
日常生活では次のようなことを意識的に変えていきましょう。
紫外線の刺激を避ける
特に梅雨時期の紫外線は頭皮に悪影響です。
曇っていて紫外線が出ていないと思われてしまいがちですが、実は一年の中で一番紫外線が強いのが梅雨時期なのです。
頭皮に違和感を感じているときは曇っていても出来るだけ頭皮を直接紫外線にさらさないようにしましょう。
シャンプーをしすぎない
1日のシャンプーは1回がマストです。
よくありがちなのがスポーツジムや運動をよくする方です。
運動ごは汗をかいていてシャンプーをしたい気持ちも分かりますが、そこはぐっと堪えて湯洗いだけに留めておきましょう。
シャンプーの洗浄力は意外にも強く頭皮に良いものではありません。
またシャンプー時は指の腹を使い優しく頭皮を洗いましょう。爪でガシガシ洗ってしまうと炎症の原因になります。
ストレスや肩こり、冷えの予防
ストレスや冷えは自律神経から女性ホルモンの分泌までにも影響してしまいます。
また頭皮は毛細血管の集まりで血行が悪くなると血管が消滅しやすいです。
髪の毛はこの毛細血管を流れる血液から栄養や酸素を吸収し成長しているため毎日の日課として運動を取り入れ結構促進に努めましょう。