もし突然頭皮の赤みや痛みを感じたら、それは湿疹の症状が起こる前兆かもしれません。
頭皮に湿疹が出ると髪が抜け、やがてそれが薄毛につながる可能性もあるためくれぐれも注意する必要があります。
そこでこの記事では、頭皮に湿疹が現れた場合の症状や、その改善方法などについて具体的に見ていきます。
薄毛になる恐れのある頭皮の湿疹の症状とは?
以下では、薄毛や抜け毛を招く可能性のある頭皮トラブルの症状について詳しく見ていきたいと思います。
乾燥性皮膚炎は文字通り頭皮が乾燥してしまう症状であり、空気の乾燥する冬などによく現れるのが特徴です。
乾燥により頭皮を保湿するための皮脂が足りなくなり、肌を守るバリア機能が低下してかゆみや炎症が起きて頭皮環境が悪化して湿疹ができてしまいます。
元々乾燥肌で皮脂の分泌量が少なかったり、一日に何度もシャンプーするなどの間違ったヘアケアや不規則な生活などで起こると言われているため、くれぐれも注意する必要があります。
いわゆるかぶれと言われている接触性皮膚炎は、さまざま外部からの刺激により頭皮に炎症が起こるアレルギー反応の一種であり、赤みや水疱、湿疹などができるのが特徴となっています。
自分の頭皮に合わないシャンプーやコンディショナーを使用していたり、スタイリング剤などが発症の引き金になることがあります。
またヘアカラーなどでも起こりやすく、一般的なジアミンという強い薬剤を使うヘアカラーの方法だけではなく、特に植物性アレルギーがある方は、ノンジアミンで頭皮に優しいと言われているヘナ染めでも起こる可能性があるため注意が必要です。
皮脂の分泌量が増加することにより起こる脂漏性皮膚炎は、20代~30代の若い世代でも発症するケースがあると言われています。
頭皮を含めた人間の皮膚には、常在菌であるマラセチア菌が存在しています。
頭皮の皮脂が過剰分泌されると、それに伴いマラセチア菌も増加します。
この菌には皮脂を遊離脂肪酸に分解する働きがあるため、それが刺激となって頭皮に炎症が起こります。
このような状態になると、かゆみや湿疹が現れるだけではなく、フケが増えて目立つようになってしまいます。
また皮脂が酸化するため頭皮の臭いの原因となったり、抜け毛や薄毛を引き起こすきっかけにもなるため注意が必要です。
糖質や刺激物の過剰摂取やカフェインの摂りすぎ、また過剰な飲酒も引き金になると言われており、睡眠不足も皮脂を過剰に分泌させてしまうため、脂漏性皮膚炎の原因のひとつであるとも言われています。
またストレスの蓄積により、自律神経の交感神経の働きが優位になると、女性ホルモンの分泌量が減少するのに対して男性ホルモンの分泌量が増えるため、皮脂の分泌量も増加するとされています。
かゆみを伴う膿痂疹膿痂疹とは、いわゆるとびひと言われているものです。
頭皮に炎症が起こりかゆみが出た際に、かゆいからといって爪で頭を強かいて傷つけてしまうと、そこから細菌が入り感染して湿疹が出てしまいます。
この湿疹の発生には黄色ブドウ球菌や連鎖球菌などが関わっているとされており、小さな水疱の集まりが破れ、かさぶたが形成されるのが主な症状となっています。
アトピー性皮膚炎の場合、頭皮だけが乾燥しかゆみが起こるということはなく、全身に症状が現れるのが特徴的です。
生まれつき皮膚のバリア機能が弱いため、ダニやカビ、汗などが免疫細胞と結びつき、頭皮にかゆみや湿疹が出たり乾燥によるフケが発生しやすくなります。
頭皮の湿疹を改善し薄毛を防ぐための方法とは?
以下では、頭皮の湿疹の発生を抑えて抜け毛や薄毛を予防する方法について詳しく見ていきたいと思います。
頭皮は一定のサイクルで生まれ変わるため、新陳代謝の働きを正常に保ち毛母細胞が活発に分裂することにより、頭皮のバリア機能が高まり頭皮環境を改善することができます。
新陳代謝を正常に行わせるためには、栄養バランスの整った食生活や適度な運動、ストレスをうまく解消することなどが大切です。
十分に睡眠を取っているつもりでも、睡眠の質が低いと髪の成長に欠かせない成長ホルモンが十分に分泌されなくなってしまうため注意する必要があります。
そんな場合には、夕食は睡眠の3時間前までに、入浴は就寝する2時間前に済ませておきましょう。
入浴の際に上がった体温が下がる際に眠気が起こりやすくなるため、良質な睡眠を得ることができます。
自分に合ったストレス発散法を見つけて、その日に受けたストレスは、その日のうちに解消するように心がけましょう。
良質な睡眠や軽くストレッチなどを行うことも、ストレス解消につながるためおすすめです。
シャンプーを選ぶ際には、含まれている洗浄成分をしっかりチェックして自分の頭皮タイプに合った商品を使用することが大切です。
シャンプーは含まれている成分により、せっけん系や高級アルコール系、アミノ酸系などに分けられます。
せっけん系と高級アルコール系は洗い上がりがさっぱりしていますが、洗浄力が強いため、頭皮を守るために必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。
一方髪や頭皮に優しい洗浄成分が含まれているアミノ酸系を使用すれば、頭皮の乾燥などのトラブルを防ぎ湿疹を予防することができます。
頭皮のタイプは、大きく脂性肌や乾燥肌、敏感肌に分けられます。
基本的に頭皮は肌と同じ性質であると言われているため、普段から肌が乾燥しやすいという場合は乾燥肌、ベタつきやテカリが気になるようであれば脂性肌であることが多いため、それぞれのタイプに合ったシャンプーを選ぶようにしましょう。
また敏感肌の方は、弱酸性成分の配合されたシャンプーや、肌の敏感な方のために作られた商品などを使用するといいですよ。
髪と頭皮をぬるま湯で十分に予洗いしたら、シャンプーを手のひらで十分泡立てたら、爪を立てずに指の腹を使い、気持ちいいと感じる程度の力加減で頭皮を洗うようにしましょう。
シャンプーをそのまま髪や頭皮につけると、毛穴の詰まりの原因となるため避けるようにしてください。
シャンプー後は頭皮や髪に成分が残らないように丁寧にすすぎましょう。
ドライヤーをかける際には、あまり近くから温風を当てると頭皮や髪にダメージを与える可能性があるため、最低でも30cmは離して使うようにしましょう。
また、ドライヤーをかける前にしっかりタオルドライして水分を取っておくことで、ドライヤーを使う時間を短縮でき、髪や頭皮への負担を軽減することができます。
まとめ
頭皮の湿疹は、間違った方法でシャンプーを行ったり不規則な生活習慣などが引き金となることがあり、また悪化すると薄毛につながるため注意が必要です。
また現在使用しているシャンプーを見直してみることもひとつの方法です。
頭皮の湿疹は、一度できてしまうと完全に治るまでには時間がかかるため、普段から睡眠不足やストレスを溜めないように心がけたり、自分の頭皮の状態をチェックするなどすることが大切です。
湿疹の症状がなかなか治らず長引いている場合は、皮膚科などの専門医を受診することをおすすめします。