頭皮に触れた瞬間に、何か異変が起きていることに気づく場合があるでしょう。
頭皮ニキビもその一つで、一度や二度は経験があるはずです。
自分の目で直接確認しにくいことから発見が遅れがちですが、薄毛につながるかもしれない状況を教えてくれる大事なサインを見つけたと心得なければいけません。
頭皮にできるふきでものが薄毛にもつながる
頭皮ニキビとは何かといえば、頭皮にできるふきでものです。
顔にできるニキビとあまり違いはありませんが、頭皮は皮脂の分泌量が多い部分なのが違いとなって現れてきます。
ニキビができやすい部分となりますが、皮脂の分泌量の違いを知るといかに大きな問題を抱えやすいかが分かるはずです。
一般的に皮脂が多いとされている部分として顔のTゾーンがありますが、頭皮はここの2倍もの皮脂を分泌します。
目につきやすい腕や脚の16倍とも言われるほど、皮脂を分泌しているのです。
乾燥から守らなければいけない頭皮を覆っている皮脂ですので、とても大切な存在ではありますが、常在菌であるアクネ菌の繁殖も手伝ってしまいます。
普段であればそこまで気になるものではありませんが、過剰分泌を始めるとニキビができてしまいやすくなるのです。
皮脂の分泌量が多くなると、頭皮の毛穴をふさぎやすくなります。
そこに追い討ちをかけるようにニキビができると、炎症を起こし始め、毛穴がさらに圧迫されてしまうのです。
かゆみも引き起こし、無意識のうちに書いてしまい悪化させるのも珍しくありません。
顔にできるニキビは、通気性が良いため湿度によって引き起こされにくい特徴を持っています。
ところが、頭皮環境は違います。
髪に囲われている頭皮は、汗をかいても簡単に乾燥しません。
通気性の悪さが雑菌の繁殖を手伝ってしまい、皮脂の分泌量以上にニキビができやすくなるのです。
シャンプーのし過ぎというリスク
頭皮にニキビができやすい原因は、皮脂による影響だけにあるわけではありません。
ニキビができやすい環境を自分で作り出しているかもしれないからです。
皮脂が分泌されるのは、頭皮によって当然の状況です。
肌から水分を乾燥しないように、油脂で被ってしまう役割を持っているからです。
油脂が多くなれば、当然髪や頭皮にべたつきを覚えるようになります。
そうなると次にとる行動は、シャンプーを使って落とそうとするでしょう。
これが大きな問題点です。
シャンプーを使って皮脂を落とすのは大切ですが、落としすぎはリスクを高めます。
頭皮の皮脂は大事な役割を持っており、強力なシャンプーを使ったりして落とせば、皮脂が不足してしまう状況が生まれるでしょう。
もちろん清潔に保つためには大事なことではありますが、落としすぎてしまえば、不足を補わなければいけません。
そのために頭皮は分泌を始め、さらにべたつきを覚えるようになります。
結果として悪循環を生み出してしまい、皮脂が大量に分泌されるのです。
シャンプーの間違った使い方というのも考えられます。
十分に洗えていない状況もありますし、頭皮にシャンプーが残っている状態が続いているのも、炎症を起こし頭皮ニキビが発生するのです。
シャンプーは大切ですが、頭皮にとっては異物でしかありません。
同じように整髪料の存在も頭皮にとっては負担にしかならず、しっかりと落とせていないと炎症を引き起こす引き金となるのです。
実際にシャンプーの成分もアクネ菌のエサとなりかねないため、頭皮ニキビを助長する可能性があります。
シャンプー後の髪の乾燥も大切です。
湿度が高い状況となれば、アクネ菌の繁殖が高まります。
本来常在菌として何ら問題の無いアクネ菌ですが、自然乾燥でじめっとした状態を作ると、異常繁殖を手伝ってしまうのです。
特に髪の長い女性は、ドライヤーを使いしっかりと乾燥させることが頭皮ニキビを防ぐ第一段階と言っても過言ではありません。
頭皮にもターンオーバーがある
肌のターンオーバーはよく知られていますが、頭皮にもあることを忘れてはいけないでしょう。
頭皮も人間の肌であり、他の場所と何ら変わりはありません。
ターンオーバーも起こしており、明日から新しい皮膚が押し出されていきます。
この時に古い角質は剥がれ落ちて、ふけとなって現れるのです。
勘違いしている人もいますが、ふけと皮脂は全くの別物になります。
ターンオーバーが乱れてしまうと、正常な皮膚が押し出されにくくなります。
まだ未成熟な肌が表面に出てくるため、簡単に炎症を起こしてしまうのです。
逆の状況も考えられます。
ターンオーバーが遅れてしまい、古い角質が残り続けると、厚く溜まり過ぎてしまい、毛穴を塞ぐ可能性が出てくるのです。
これが皮脂と連動することで、アクネ菌の発生を高めてしまいニキビができやすくなります。
同じような皮膚炎の可能性として、脂漏性皮膚炎が挙げられるでしょう。
こちらはアクネ菌が原因ではなく、真菌が炎症を引き起こしている可能性があります。
真菌はカビの一種であり、頭皮がカサついているのにも関わらず、大量のフケが出たりする症状が脂漏性皮膚炎の特徴です。
これは簡単に治せるものではないため、皮膚科で抗真菌薬を処方してもらう必要があります。
ニキビのように盛り上がった状態ができていなければ、特に注意しなければいけない状態です。
シャンプーの仕方を変える
頭皮ニキビの治し方はいろいろとありますが、原因を追って解決していくのが正しい対処方法です。
汚れが残っておりアクネ菌の繁殖を手伝っているのなら、しっかりと落としてしまえばいいでしょう。
シャンプーを使う場合には、髪ではなく頭皮を洗うような意識が必要です。
濡れた髪は摩擦に弱いためこすり合わせると切れてしまうかもしれません。
シャンプーはあくまでも頭皮にたまった汚れを落とすイメージで、揉みあげるようにすると毛穴に詰まった汚れも落とせます。
この時に爪を立てると傷を作り炎症を起こすきっかけを作るので、指の腹で優しく揉みあげるようにすると負担がかかりません。
シャンプーやコンディショナーなどもしっかりと落とします。
これらが残っていると炎症の元となるため、シャンプーの時間よりもすすぎの時間を長くするといったイメージが必要です。
この時も熱いお湯ではなく、少し温度を下げてゆっくりと洗っていきましょう。
温度を上げると皮脂を洗い落とし過ぎてしまうため、リスクが高まるためです。
シャンプーも高い洗浄力を持つものより、もっと肌に優しくデリケートなものを選ぶことで負担も下げられます。
生活の見直し
生活の見直しも必要です。
枕カバーを清潔なものに交換するだけでも、頭皮ニキビは改善できます。
汗や皮脂が溜まっていると、どうしても汚れがついてしまい、頭皮ニキビを助長する可能性が高まるからです。
頭皮ニキビには生活習慣が大きな影響を与えています。
油っぽいものを好むような食事を続けていると、どうしても皮脂の分泌が増える危険性が高まるのです。
さらに野菜不足によるビタミン不足や過剰な飲酒も原因につながります。
問題はバランスであり、すべてカットすることが良いことではありません。
普段の食生活だけではなく生活を見直しつつ、バランスが取れるように改善するのが解決方法につながるでしょう。
まとめ
頭皮ニキビはいろいろな原因が関わっています。
アクネ菌が真菌といった目に見えない存在がいたずらをしている場合もあるため、原因を作らないようにする一方で、薬などの対処方法も考えなければいけません。
実際にできることは数多くあるため、頭皮ニキビを治し薄毛に繋がらないようにするためには、ひとつずつ原因を見つけ解決していく必要があるでしょう。