カラーリングは頻繁にしなければならないもの。
特に白髪染めをしている方は、根元が伸びてくる度にうんざりしてきますよね。
「美容室で毎月やってもらうのは金銭的にちょっと…」
と、ホームカラーをしている方は多いのではないでしょうか。
ドラッグストアーなどでカラー剤を購入してご自宅でやれば、空き時間に手軽にできますし、なにより安く済みます。
でも、なかなか上手に白髪を染められないのもホームカラー。
この記事では現役美容師の私が、楽に出来て上手に染められるホームカラーの方法を、解説していきます。
Contents
そもそもどうして上手く染まらないの?
ご自分でホームカラーをする際、「意外と上手に塗れてるかも…?」と思ったことはありませんか?
実は、よっぽど不器用な人でなければ、大体の人は薬剤自体はしっかり塗ることができています。
その証拠に、「
染めたのに髪の毛が光って見える
」ことがよくあるはず。
これは薬剤自体は白髪についてはいるものの、何らかの理由で発色が弱く、しっかり染まらなかった髪の毛です。
この「何らかの理由」が何なのか?が大事になってきます。
しっかり発色させるために大事なこと
白髪染めは白いままの状態で生えてきてしまった髪の毛に、人工的にメラニン色素を入れ込むための薬剤です。
なので、「髪の毛のなかに薬剤をしっかり入れ込む」ことができれば、白髪は発色し、問題なく染まり上がります。
そのためには、
適切な量の薬剤を塗布する
髪の毛のなかに入るように揉みこむ
キューティクルを開く
ことが必要になります。
ひとつずつ見ていきましょう。
適切な量の薬剤を塗布する
本職の美容師であれば、施術するお客様の髪質や毛量などを見て適切な薬剤の量を塗布します。
ですが、これは一般の方には難しいところ。
単純に、「できるだけ多く薬剤をつける」と考えて問題ありません。
例えばホームカラー用の薬剤でよく見るクリームタイプの白髪染めの場合、基本的にどのメーカーのものであっても、圧倒的に内容量が足りません。
セミロング
毛量=普通
毛先まで全体的に染めたい
という要望のお客様がもし美容室に来店された場合、基本となるカラー剤の量は「1液80g」「2液80g」の計160gです。
これに対し、ほとんどのメーカーのカラー剤は「1液40g」「2液40g」の計80gしか入っていません。
さらに、美容師のようにしっかりと白髪の部分に無駄なく塗布する技量も一般の方にはありませんから、リタッチ(根元染め)をしようとしてもカラー剤1本だと頭部前面の見える部分だけになってしまうでしょう。
「できるだけ多く薬剤をつける」ようにするには、最低でも2本カラー剤を購入する必要があります。
髪の毛のなかに入るように揉みこむ
髪の毛の表面はその1本1本がキューティクルによって保護されています。
本来、キューティクルは髪の毛の内部の水分が漏れないようにガードしたり、外的刺激から髪の毛を保護したりするためにあります。
カラーリングによって髪の毛を発色させるためには、このキューティクルを開き、なかまで薬剤を浸透させる必要があります。
このために大事なのは「揉みこむ」こと。
揉みこむことによって髪の毛内部に薬剤がしっかり浸透し、発色しやすくなります。
さらに、頭皮のマッサージをする感覚で頭部全体を揉みこむようにすると、自然と塗り残し箇所にも薬剤がつき、ムラも起きづらくなります。
キューティクルを開く
髪の毛は本来弱酸性であり、アルカリの強いカラー剤によってキューティクルを開き、薬剤を浸透させています。
なので、キューティクルを開かせてから薬剤を塗布するようにすれば、しっかり発色します。
こう書くと、なんだか難しそうに思いますが、ただ「水で濡らす」だけでOKです。
スプレイヤーなどで髪の毛の中間~毛先に少し湿ってると思うぐらいまで濡らし、くしで均等にしてあげましょう。
その後、カラー剤を全体的に塗布するようにすると、乾いたままの状態で染めていくよりも髪の毛の内部に薬剤が入りやすくなります。
濡らしすぎは禁物。
びちゃびちゃな状態で塗布してしまうと、カラー剤の発色が悪くなります。
放置時間にはラップを使用する
全体的に塗布が終わり、放置時間をおく時には頭皮全体をラップで覆ってあげましょう。
頭皮の体温を利用して発色をよくする目的があり、これは実際に美容室でも当たり前にしている作業です。
このとき、生え際を覆ったラップでしっかり押さえてあげるのがポイント。
生え際の産毛や、硬くて「ピョンッ」と出ているような白髪は、押さえてあげることでしっかりとカラー剤がつくようになります。
泡カラーの染めかた
近年よく見る「泡カラー」。
このタイプのカラー剤は、しっかり染めるためのコツがあります。
ポイントは「固くてモコモコな泡をつくる」こと。
泡になる前の薬剤が柔らかく、ほぼ液体の状態なので、しっかりとした泡になりきれていない状態だと塗布中に液ダレが起きてしまいます。
また、泡が柔らかいと発色も悪くなります。
固くてモコモコな泡をつくるためのポイントを挙げていきましょう。
混ぜる前に湯煎で温める
クリームタイプのカラー剤と同様に、泡カラーも1液と2液に分かれて梱包されています。
これらを専用のポンプに入れて混ぜ合わせることによって泡を作っていくのですが、このとき、混ぜる前に1液と2液それぞれを湯煎で少し温めてあげましょう。
特に冷暗所でしばらく保存していた後に使用する場合や、冬場にドラッグストアーなどで購入し、自宅に帰ってすぐに染める場合、薬剤が冷えていることがあります。
カラー剤はどんなものでも、熱に反応して発色するように出来ている薬剤です。
熱くさせすぎる必要はありませんが、人肌くらいに温めてから混ぜることにより、かなりモコモコな泡になりやすくなります。
1液と2液は混ぜすぎない
なんとなく「しっかり混ぜた方が染まる気がする」と思い、1液と2液を何度もシェイクして混ぜすぎてしまうのはNG。
混ぜすぎることによって薬剤同士が分離しやすくなり、モコモコな泡になりづらくなってしまいます。
薬剤を混ぜたら軽く振って、中身があまり泡立たないように意識しましょう。
全体的に空気を入れるように揉みこむ
空気を入れ込むことによってよりモコモコな泡にすることができます。
ある程度髪の毛と頭皮にカラー剤をつけたら、頭皮全体をマッサージするように揉みこんであげましょう。
できるだけしっかりと満遍なく空気を入れてあげるのがポイントです。
最後に手袋に残った泡を生え際に塗布する
全体的に塗布が終わり、しっかりと空気を入れ込むことができたら、最後に手袋についている泡を顔周りなどの白髪の気になる箇所に塗布します。
塗布開始時から使用していた手袋には、かなり固くなっている状態のモコモコな泡が既にできている状態のはず。
これを一番気になる顔周りに最後に改めて塗布することにより、カラー剤を流したあとの仕上がり感が変わります。
放置中にラップは使わない
クリームタイプのカラー剤は、頭皮の体温を利用して反応させるように塗布後のラップをして放置しますが、泡カラーの場合はラップの使用はNG。
こもった熱によって泡が水気を帯びてしまい、せっかく作った泡がゆるくなってしまいます。
放置中はラップは使わずに自然放置し、そのままの状態で30~40分ほど待つようにしましょう。
まとめ
基本的にカラーの技術はなかなか難しいものです。
美容師が行うカラーと比べてしまうと当然仕上がりは違いますが、今回説明した内容を使っていけばこれまでよりは格段に良い仕上がりになると思います。
是非、試してみてください。