ヘアケア

薄毛の女性も使える草木染めで白髪を染めてみませんか?

ジアミン系染料を用いている一般的な白髪染めに違和感を持ち始めている貴女。

草木染め」ってご存知ですか?

最近は、美容院の店頭や施術メニュー一覧なんかでもよく見かけるようになってきましたよね。

香草カラーやハーブ、天然由来なんて言われることもあります。ボタニカルカラー(英語)なんて言われていることもありますよね。

ただ、草木染めって本当に染まるの?
何で染めているの?
どんなふうに染まり、持ちはどうなの?

と色々疑問は尽きないかもしれません。

そこで今回は、草木染めで使われる染料の原材料やその種類、色合いについてお話しするとともに、そのメリットやデメリットについてもご紹介しますよ。

是非、参考になさって、貴女も草木染めで気になる白髪もおしゃれに染めてみませんか?

草木染めの原料・種類・色合いについて

天然成分の草木染めといえば、ヘナを真っ先に思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

しかし実際は、様々な植物の実や花、樹皮、葉っぱ等が原料になっています。

具体的な原料としては、

・赤色系 コチニール、紅麹、蘇芳(すおう)
・茶色系 アカミノキ
・黄色系 黄蘗(きはだ)、槐(えんじゅ)、ウコン
・青色系 藍

などがあります。

ヘアカラー名としては、

・ヘナ    オレンジ色に染まります。
・ラズベリー 赤色が強めのオレンジブラウン
・イディゴ  ブルー
・紫     パープル系
・ターメリック イエローグリー
・アンバー   マットなブラウン

などがあります。

単色で使う場合もありますが、ご紹介した染料を混ぜ合わせて使用される場合もあります。

では次に、そんな草木染めで白髪を染めた場合のメリットとデメリットについてお話ししたいと思います。

草木染めのメリット・デメリットについて

新しいことを始めようとしたら、まずは、そのメリットとデメリットをしっかり把握することは大切ですよね。何よりの成功の秘訣になります。

そこで改めて、草木染めで白髪を染めることのメリットとデメリットを整理してみました。

≪メリットは?≫

・ジアミンアレルギーがあったり肌が弱い方でも施術できる

一般的な白髪染めの染料には、ジアミン系のものが使われています。
(ただし、髪の表面をコーティングするタイプの白髪染めである、ヘアマニキュアやヘアカラートリートメントやシャンプーには使用されていません)

一方で、天然成分100%の草木染めには、もちろん使用されていません。

ちなみにジアミン系染料は、一度パッチテストで問題なければ私は大丈夫!ではなく、繰り返し使用していると、ある日突然、頭皮が火傷したような状態になり、アレルギーを起こす場合があります。

その点、草木染めは天然成分の染料を用いているので、ジアミンアレルギーの方や肌の弱い方にもお勧めです。
ただ、その使用されている植物のアレルギーを持っている方は使えないので、ご注意を!

・髪が弾力を取り戻しツヤがよみがえる

染料として使用されている植物が持つ油分や、グルコースといった糖質が髪表面のキューティクルを整え、またタンニンが髪内部に溜め込まれている栄養分が流れ出るのを抑えてくれるため、髪がよみがえりますよ。

まさに、トリートメントを施したような状態になります!白髪を染めると同時に、髪のケアもでき、一石二鳥ですね。

・髪を傷めない

一般的な白髪染めは、強い薬剤により、髪表面のキューティクルを開かせた上で、ジアミン系の染料を髪内部に染み込ませていきます。
当然繰り返し行えば、髪はどんどんダメージヘアへとまっしぐらです。

その一方で、草木染めはそのような処置を行わないですし、天然成分の染料を用いているので、髪を傷めることはありません。

・色落ちが緩やか

一般的な白髪染めの場合は、一気に色落ちし、白髪が目立ってきますよね。

草木染めですと、まるでデニムが徐々に色落ちしていくかのように、退色のスピードがゆっくりになります。その加減には味わいさえありますよ。

ですから、色が落ち始める時期は、草木染めの方が早いですが、完全に退色するスピードは緩やかなので、結果的には草木染めの方が持ちは良いという見方もできるかもしれませんね。

・色を混ぜても濁らない

一般的な白髪染めは、染料を混ぜ合わせると、色が濁って、美しいカラーになりません。

草木染めは、先にご紹介した染料(オレンジ・黄・赤・青・茶色系)を混ぜ合わせてもくすまず、透明感のあるカラーを出すことができます。

その加減次第で様々な色味出すことも可能です。

≪デメリットは?≫

・地毛と同じ色にならない

いくらバリエーションは豊かといっても、草木染めの染料には限りがあるので、残念ながら地毛と全く同じ色にはなりません。

草木染めされた白髪の色をヘアスタイルのアクセントとして考えられる方にはうってつけですよ。

・明るい色にできない

ベースになる色は、先にご紹介した5色なので、いくら混ぜ合わせても、髪全体を明るい色味にすることはできません。
ただ濁りは出ないので、深みのある色合いという感じになりますね。

・その他色味について

一般的な白髪染めと違い、はっきりこの色にしたいという要望は難しいです。また時により、均一な色にならないならないこともあるので、その点は承知の上で行う必要があります。

・色が定着するのに時間がかかる

一般的な白髪染めは、その場で色が落ち着きますが、草木染めは2~3日かかります。

ただ、その色が変化する期間を楽しむくらいの余裕がある方なら、問題ないかもしれませんね。

また色の定着に個人差があるため、何度か続けて染める必要がある方もいます。

・色持ちが悪い

一般的な白髪染めの色持ちが、1ヶ月半~2ヶ月ほどと言われているのに対して、草木染めは1ヶ月ほどと言われています。
ヘアマニキュアと同じくらいですね。

以上、草木染めのメリットとデメリットをご紹介してきました。これらは、きちんと天然成分をうたっている草木染めの場合です。

残念ながら、それに反する草木染めもどきがあるのも事実です。

草木染めと一言でいっても注意すべきこととは?

草木染めとして、一番有名といっても過言ではないのは「ヘナ」になると思います。

ただ、前章のデメリットでお話しし通り、白髪がオレンジ色に染まったり、最初は2~3回間を空けずに染めないと色が定着しにくいというデメリットがあります。

それゆえに、

・その特性をなかなか理解していただけず、1回行っただけで、やめてしまう方が多い
・新鮮なインド産のハナヘナを使用しないと色が美しく出ない

という2つの理由から、簡単に染まるようジアミン系染料や塩基性染料(低刺激染料と言われていますが、化学合成のものです)が含まれているものが存在しているのも事実です。
せっかく天然成分をうたっているのに、これでは全く意味がありませんよね。

また、ヘアカラートリートメントでよく目にする、昆布やワカメを原料に用いているものですが、残念ながら、これらの原料では白髪を茶や黒色に染めることはできません。
これらもまた、先にご紹介した化学合成の染料が含まれている可能性が高いです。

草木染めの施術前には美容師さんに成分確認をしたり、セルフなら、商品表示を必ず確認する必要がありますね。

ただし、ハナヘナ100%ではなくても、インディゴの青色を混ぜていたり、その他の草木染めでも媒染料(日本古来の染色技術で使用するアルミや鉄)を混ぜているものもあります。
これらは化学合成の染料ではないので、問題ないと言えますよ。

さいごに

草木染めで白髪を染めることについてお話ししてきました。いかがでしたか?

天然成分ゆえに、メリットとデメリットがはっきりしています。これを選択するかどうかは、貴女が白髪を染めるにあたって、何が譲れないのかによります。

頭皮や髪の健康を第一に考えるか、または、地毛と同じ色で染めたいのかですね。

ただ、人生100年時代です。そう考えると、まだまだ道半ばですよね。

白髪ももちろん気になりますが、それ以上に、頭皮を傷めてしまうと、今後の髪の成育に問題が生じ、女性であっても薄毛を誘発しかねません。

ここは頭皮を傷めないためにも、草木染めについて一度本気で考えてみませんか。