更年期を迎えたあたりから、分け目や生え際の薄毛が気になるけれど…
AGA専門クリニックにかかるのは、少し気が進まず、まずは体質改善を目指して、東洋医学の力を借りてみたいなとお考えのあなた。
それは、良い試みです!
実は、一般的に知られている薄毛の原因は、西洋医学の考えであって、東洋医学ではまた違う考え方があるのです。
あなたが、東洋医学から見た薄毛のどの原因に当てはまるか見極めてから、専門医や薬剤師は、漢方薬を処方します。
すると、薄毛と体質改善の両方を見込めるわけです。
ここでは導入として、東洋医学から見た薄毛原因とそれに見合った漢方薬をそれぞれご紹介したいと思います。
是非、参考にしてみて下さいね。
Contents
まずは西洋医学から見た薄毛の原因とは?
まずは、東洋医学との比較のためにも、よく言われている西洋医学から見た薄毛の原因をご紹介します。
加齢によるホルモンバランスの乱れ
年齢を重ね更年期を迎える頃には、自然と女性ホルモンが減少していくものです。
その中でも、女性の髪の成長やツヤ、コシを出してくれる「エストロゲン」の減少が、強く影響していると言われています。
ストレス
更年期の年代は、女性にとって一番忙しい時期と言っても過言ではないですよね。
現代は、仕事をしている方も多いですし、高齢出産をされたなら、まだ育児の真っ只中にあったり、思春期のお子さんのことや介護のことで悩まれている方も多く、
とにかく、ストレスを感じやすい世代です。
すると、神経が収縮して血流が悪くなり、髪の土台となる頭皮にまで栄養が行き渡らなくなることで、薄毛が進行してしまうのです。
生活習慣の乱れ
外食が増えて、高脂肪高カロリーな食事ばかりをしていると、頭皮に皮脂が溜まりやすくなり、髪が生えにくくなります。
睡眠不足や、不規則な就寝時間による睡眠の質の低下は、成長ホルモンが出され、せっかくの髪が生えるゴールデタイムをみすみす逃してしまいます。
その他にも原因はありますが、上記が西洋医学からの見地になります。
東洋医学から見た薄毛の原因をご紹介!
前章で、西洋医学から見た薄毛の原因をご紹介しましたが、東洋医学から見たものは、また違います。
というのも、東洋医学では、髪の毛は「血の余り」と言われているのです。
全身を血液が巡り、その余ったものが髪の毛になる考えられているというわけです。
また、髪の毛は体の一部であり、五臓六腑が管理している「腎の華」なので、髪の状態を正したいなら、体の元から正さなければならないという考えもあります。
そこで、具体的な体質別の薄毛の原因を4つご紹介します。
血虚(けっきょ)
髪の毛の元となる血液が不足している状態です。
このタイプの人は、髪の毛にハリやコシがなく、パサつきがです。髪が細いために、薄毛に見えやすいタイプでもあります。
同時に冷え性や乾燥肌、めまい、立ちくらみ、不眠などの症状があり、また、不安感の強い人が多いのも特徴です。
腎虚(じんきょ)
腎は内臓全般のことを指します。これらが弱っている、虚弱体質の方です。
髪の毛は腎深い関係があります。その腎は、成長や生殖を司り、ホルモン代謝や生殖器、自律神経、免疫、造血と、あらゆる体の機能に影響を与えています。
それゆえに、腎機能が低下すると、新陳代謝が悪くなり、ホルモンバランスが崩れ、体か老化していくわけです。
薄毛だけではなく、白髪も多く、実年齢より老化が進んでいます。
気虚(ききょ)
「気」とは、生命活動のエネルギーのことを言います。様々な要因により、気持ちが落ち込んでいる状態のことを言います。
気を乱して代謝が悪くなると、精神にも影響を与えます。すると、ストレス過多になったり、不眠に陥るのです。
当然、髪の成長も滞ってしまいます。
以上、「気」「血」「水(腎のことを意味します。)」の3つが、体を正すために必要なこととなるのです。
更に、もう一つ原因として考えられているものがあります。
湿熱(しつねつ)
体内に水を溜め込み過ぎている状態を言います。
滞った熱や湿気が頭皮環境を悪化させ、皮脂分泌を多くするのです。
このタイプの人は、頭皮がべとついているため、髪がうまく生えなくなります。
同時に暑がりですが、のぼせやすく、汗かきで、化膿性のニキビができやすいのが特徴です。
食生活の乱れが直結した症状なので、高脂肪高カロリーの食事を見直したり、軽度の運動を取り入れるなど、改善が必要ですね。
タイプ別に漢方薬をご案内
まずは、知っていただきたいことがあります。
それは、漢方には「未病」という概念があるということです。要は、東洋医学では、身体全体のバランスが整った状態を健康と言います。
西洋医学では病気として扱われず、治療対象にならないような
ストレス過多
冷え性
血行不良
ホルモンバランスの崩れ
自律神経の乱れ
といった女性にありがちな不調も、病気と捉えるのです。
漢方という自然の生薬の力を借りて、少しずつ乱れた身体のバランスを整えつつ、気になる症状を取り除いてくれるというわけですね。
ですから、ここでは薄毛のタイプ別に、気になる症状の改善「体質改善」を取り入れつつ、薄毛対策もできる漢方をご紹介したいと思います。
血虚
血を補う漢方薬がお勧めで、具体的には
当帰芍薬散(貧血気味で婦人科系トラブルに効果があり、女性ホルモンを整えてくれます。また、冷え性にも効果があります。)
婦宝当帰膠
十全大補湯(特に虚弱体質の人向けに)
参茸補血丸(特に胃腸が弱い人向けに)
または、当帰(血の巡りを良くしてくれます。)や鹿茸(体を温めてくれます。)が入っている漢方薬
などです。
腎虚
効能別に
六味地黄丸(のぼせやすい人向けに)
八味地黄丸(冷え性の人向けに)
補中益気湯(全体的に腎が弱っている虚弱体質の人向けに)
何首烏末
紅雪冬花(髪に良い亜鉛が含まれています。)
または、何首烏を中心に冬虫夏草と紅雪冬花を掛け合わせたり、更に補腎薬をプラスしても良いですね。
ちなみに、八味地黄丸と補中益気湯は、新陳代謝を高め、腎の働きを良くしてくれる効果もありますよ。
漢方薬ではありませんが、健康食品として東西オイスターもお勧めです。
気虚
気の乱れを整える
紫胡加竜骨牡蛎湯(高ぶった神経を鎮め、自律神経を整えてくれます。)
桂枝加竜骨牡蛎湯
などがあります。
湿熱
体の熱を取り去り、解毒作用のある
瀉火利湿顆粒
黄連解毒湯
などがお勧めです。
ただ注意点としては、
副作用の少ないと考えられている漢方薬とはいえ、自己判断で、良いと思われるものを複数同時に飲み合わせるのは危険です。
必ず、漢方医や薬剤師に相談してから飲むようにして下さいね。
また、少し横道にそれますが、この漢方薬に似た考えに基づくもので、鍼灸・指圧・マッサージがあります。東洋医学で言うツボを刺激して、髪の成長を促す方法です。
漢方薬と組み合わせてみても良いですね。
西洋医学と東洋医学それぞれから見た薄毛の原因をお話ししてきました。
東洋医学の「髪は血の余り」という考えは、その独特な表現もあり、驚かれるかもしれません。
その意味を理解すれば、何も特別なことを言っているわけではないことに気付かれると思います。
要は、きれいな血が体の隅々まで巡ることで、人は健康になり、髪も当然体の一部ですから、その血に影響されているということです。
加齢で衰えつつある体は、食生活や運動、睡眠といった基本的な生活習慣を見直すことで整えるよう心掛けながら、更に足りない部分を東洋医学で処方される漢方薬で補いましょうというわけです。
是非、漢方薬に興味を持たれたなら、専門医や薬局に足を運んでみてはいかがでしょうか。