様々なケア方法が考えられてきた中で、注目されるようになったのはアルガンオイルです。
保湿に使われてきましたが、抗酸化作用も認められるようになりました。
非常に貴重なオイルではありますが、頭皮環境の改善にも役立てられる可能性を持っているのです。
希少性の高いアルガンオイル
アルガンオイルとは、アルガンの木から取れる実から抽出されているオイルのことです。
モロッコの南西部でしか産出されない木であるのが特徴で、貴重な天然オイルとして注目されるようになりました。
非常に限定された地域だけで算出されるオイルですが、高濃度のオレイン酸とビタミンEを含有していることが注目されたポイントです。
美容に活用されてきたのは日本での話で、料理にも活用できます。
肌につければ保湿性を高めることができ、活性化させられる力を持っているのです。
一般的にオイルの中にはビタミンEなどが含まれています。
果実から取れるオイルであれば、様々なビタミンも期待できるからです。
オレイン酸やリノール酸といったものも含まれていますが、アルガンオイルにはオリーブオイルの数倍のビタミンEが含まれています。
オレイン酸やリノール酸も非常に豊富であり、利用価値の高さが注目されるようになったのです。
アルガンの木の実がなぜこのような力を持っているのかといえば、その生育環境に秘密があります。
乾燥したモロッコの南西部で育つアルガンは、水分を吸い上げていくために地中深く根を伸ばす必要があるのです。
その深さは7m以上にもなるケースがあり、非常にしか深いところから水分を得られる仕組みを持っています。
この仕組みがあるからこそ1年以上雨が降らなかったとしても、枯れずに維持できるだけの力を持っているのです。
これだけの耐久性を兼ね備えているということは、豊富な栄養についていると同義であるといってもいいでしょう。
非常に過酷な状態であっても木を守り実をつけられるのは、それだけの力を内部に蓄えられるからです。
アルガンの実を簡単に内部から抽出できるようなものではありません。
過酷な環境下でも子孫を受け継いでいかなければいけないため、非常に強力な守りを持っているからです。
オイルを抽出するための仁核と呼ばれる中心部は、簡単には割れるような殻には守られていません。
この強固な殻を割ってからすりつぶし、そこでやっと種の重量に対して1%程度のオイルが抽出できるのです。
その量は200粒からやっと50mlのオイルが生成できる程度でしかありません。
非常に手間がかかりますが、これを収入源としてきたのはモロッコの女性達で、働く女性の象徴としても利用されてきました。
緑化プロジェクトとしても利用されるようになったのも、それだけの強力な生命力を持っているからです。
過酷な環境下であっても、葉をつけ実を結ぶ結ぶアルガンは、欠かすことができない植物となりました。
ナッツのような香り
アルガンオイルの成分を見てみるとオレイン酸やリノール酸を中心としていますが、カロテンやトコフェロール、キサントフィル、トリテルペンアルコールと言った成分を微量ながら含んでいます。
この中でもトリテルペンアルコールがビタミンEなのです。
非常に強い抗酸化作用を持っており、オイルの欠点である酸化に強い性質を持っています。
アルガンオイルにも種類が二つ存在します。
これは大きく分けてですが、抽出するために実を煎ってつくるローストタイプと加熱せず作るノンロースです。
大きな違いは加熱ですが食用にするのは、ローストタイプの方になります。
生のままでは食用にしづらいからです。
仁核から抽出するため、風味としてはナッツのような感覚になります。
癖はそこまであるようなオイルではなく、かなりストレートな味わいです。
非常に貴重なオイルではありますが、モロッコではフライに使ったりすることもあるほど使われています。
日本ではあまり使用方法としては考えられていませんが、それほどを食用として珍しいものではないと言ってもいいでしょう。
化粧品用として作られているアルガンオイルは、食用として適切なものではありません。
もしも、食用として利用する場合には、精製方法も食用に合わせたものを選ばなければいけないでしょう。
なじみやすい特性をうまく使う
非常に能力の高いアルガンオイルですが、使い方が難しいというわけではありません。
浸透が良いというのが特徴で、肌につけると染みこんでいく感覚がわかります。
だからといって、縫ったところがベタついたりするわけではなく、吸収してしまうため代わりのさらっとした状態になるのです。
伸びの良いオイルでもあるので、数滴でも十分肌へ浸透させられます。
肌に使う場合には、抗ニキビや抗老化といった目的で使われてきました。
火傷の跡なども残さないように、手当の一つとしてアルガンオイルが利用されてきたのです。
美白効果も期待できるとされており、くすみやシミのもととなるメラニンの生成を抑えてくれるのがだんだんとわかってきました。
しっかりとした保湿効果もあり、角質から水分が蒸発してしまうのを防いでくれます。
これは他のオイルよりも高価ですが、角質の持つバリア機能自体を浄化してくれるリノール酸が上手に働いてくれるのです。
これがアルガンオイルの特徴であり他との違いといってもいいでしょう。
何よりも抗酸化作用が強く、アンチエイジングに役立てられます。
肌にオリーブオイルを塗った人との比較実験がありますが、弾力が改善してくることが分かっているのです。
肌の老化現象にあがらうことができるようになる大事なきっかけとなるでしょう。
頭皮のマッサージとともに
アルガンオイルは肌だけに使われるものではなく、髪や頭皮のケアにも役立ちます。
使い方は簡単でシャンプーやトリートメントの中に混ぜて一緒に利用するだけです。
その他にも、入浴後に直接頭皮になじませてみるのも良いでしょう。
頭皮も肌の一部であり、同じ感覚で利用できます。
髪のケアとして塗る場合には、タオルで水分を拭き取り乾燥させた後になじませるのは簡単です。
大量に利用する必要はなく、数滴つけてなじませるだけで十分に伸びていきます。
オイルですので熱に強い特性を持っており、ドライヤーの前に塗布しておけば熱対策になるのです。
髪は熱に弱い特性を持っていますので、カバーしてあげるにはぴったりの素材になるでしょう。
頭皮につけた場合には、一緒にマッサージしておくのがオススメです。
マッサージの方法は難しいのではなく、オイルを塗布してから両手を広げ指の腹で柔らかく揉みあげていきましょう。
爪を立てると傷がついてしまうため、出来るだけ優しく揉みあげていくのがポイントです。
もみあげて行く方向は、生え際から頭頂部へ向かってもみあげていくようにします。
これでオイルの成分を浸透させると共に、血行を回復させるきっかけになるのです。
マッサージをすると毛穴に詰まった汚れなどをもかき出せるようになり、清潔な状態を保てます。
入浴の度にする必要はありませんが、定期的にやっておくと頭皮環境の改善に役立てられるのです。
まとめ
アルガンオイルは、非常に活用の幅のあるオイルであるのは間違いありません。
希少性の高いオイルとなりますが、うまく使えば頭皮環境の改善に役立てられます。
食用と美容用は異なる製法の場合もありますので、使用する場合には十分注意して活用するのがポイントです。