女性の薄毛

口呼吸が薄毛の原因に?つい口で呼吸してしまう女性は気を付けて

つい口呼吸してしまう…そんなことはありませんか?

特にマスクをしていると、口呼吸してしまう人が増えるようです。

しかし、口呼吸によって健康トラブルが起きやすいことがわかっており、その影響が髪の毛に出ることもあるのです。

口呼吸の何が悪いのか、そしてどういう問題が起こりやすいのか解説します。

なぜ口呼吸してしまう?

口呼吸の原因には、歯並びや口周りの筋力の低下、鼻炎などのアレルギーによる鼻づまりといった、何らかの治療を必要とするものもあります。

しかし近年増えているのが、以下の原因です。

筋力の低下で口呼吸が習慣化してしまっている

鼻で呼吸する場合、小さな2つの穴に吸い込む時に気道抵抗が起こります。

しかし口呼吸の場合吸い込み口が大きいので、鼻呼吸よりずっと楽です。

呼吸の際には横隔膜や外肋間筋などの筋肉を使うため、それらの筋力が低下していると呼吸がしにくくなります。

すると手っ取り早く呼吸できるよう、口を使ってしまうのです。

普段運動しない人が、ちょっと身体を動かしただけで呼吸が荒くなり口呼吸になってしまうのは、そのせいです。

しかも、この習慣が続くと横隔膜や外肋間筋はますます弱くなり、口呼吸が習慣化してしまいます。

姿勢が悪い

口呼吸の習慣化の原因となっているのが、悪い姿勢です。

特にスマホを長時間使用していると、猫背になります。

すると肺が圧迫されてしまい、さらに肋骨あたりの筋肉を使わないため固くなってしまうため、スムーズに鼻呼吸できなくなってしまいます。

それが続くと少しでも楽に息を吸い込むために、口呼吸になってしまうのです。

この原因となるのが、スマホによるストレートネック、俗にいうスマホ首です。

首が前に飛び出すと呼吸がしにくくなり、呼吸能力が約2割減少するといわれています。

それを補うために、口呼吸になるのです。

口呼吸になると起こるトラブルとは

無意識にやってしまう口呼吸ですが、実は様々なトラブルの原因となります。

代表的なものを以下に挙げました。

・細菌やウイルスが侵入しやすくなる
鼻の粘膜には非常に細かい綿毛がびっしりと生えていて、これが呼吸とともに入り込んでくる細菌やウイルスをシャットアウトします。

さらに鼻の粘液はねばりがあり、これも有害物質を付着させて侵入しないようにしています。

しかし、口内部にはそのようなガード機能がないため、口呼吸する人ほど風邪やインフルエンザにかかるリスクが増えてしまうのです。

・病巣疾患が起こりやすくなる
「病巣(びょうそう)疾患」とは、ある部分に慢性的に炎症があると、全く違う部分に何らかの障害が起こることを指します。

鼻と口の奥にはリンパ組織があり、細菌やウイルスが入り込むのを防いでいます。

しかし口呼吸しているとこの組織がオーバーワークとなり、炎症を起こしてしまいます。

これが慢性化して慢性扁桃炎になると免疫異常を引き起こし、皮膚炎やアトピーの原因となることがわかっています。

・胃腸のトラブルが起きやすくなる
いつも胃の調子が良くない…そんな場合、口呼吸を疑ってみましょう。

口腔内で分泌される唾液にはアミラーゼという酵素が含まれていて、炭水化物の消化を助けてくれます。

しかし口呼吸をしていると唾液が乾燥してしまい、機能を果たせなくなってしまいます。

すると食べた物はすべて胃腸が消化しなくてはならないため、負担がかかります。

その結果、胃腸の調子が悪くなりやすいのです。

・肺の免疫力が下がる
鼻呼吸と口呼吸では取り込まれた時の空気の温度が数℃違い、鼻呼吸のほうが高くなります。

そのため、口呼吸で空気を取り込むと冷えた空気が肺に入り込むため、肺の機能が低下してしまいます。

その結果、肺の免疫力が下がって肺炎などを起こしやすくなるのです。

しかも、一度弱った肺の免疫力は簡単には戻らず、抗生物質を用いても効果は限定的となり、最悪の場合死亡というケースもあります。

・自律神経が乱れる
横隔膜の付近には、自律神経が集まっています。

そのため、横隔膜の働きが弱くなると呼吸が浅くなり、自律神経が乱れやすくなります。

呼吸が浅くなると活性化するのが交感神経で、イライラやストレス、肩こり、便秘、下痢、冷え性などの原因となります。

また、呼吸が浅い状態が続くと脳が酸欠状態になるため、集中力や記憶力が低下しやすくなります。

・唇が荒れやすくなる
気づきにくいのですが、実は鼻から分泌される鼻水は1日1リットルにもなるといわれています。

これは鼻を通って体内に入り込む空気にたっぷり湿気を与える働きがあり、正常であれば湿気は90%にもなります。

しかし、口の中にはそれほどの水分はないため、口呼吸すると口腔内が乾燥しやすくなります。

その結果、空気の出入口である唇が荒れやすくなるのです。

・歯並びが悪くなる
日本人は子供の頃から口呼吸のケースが多く、それが歯並びの悪さの原因ではないかと指摘されています。

常に口を半開きにしていると、歯に唇からの適度な圧力がかからなくなります。

その結果、歯が自由に動きやすくなり、歯並びの悪さにつながるのです。

・顔の老化にもつながる
常に口を半開きにしていると、顔の緊張がなくなってきます。

するとほうれい線が出来やすくなったりフェイスラインがたるみやすくなったりして、老け顔につながってしまうのです。

口呼吸が薄毛の原因になる可能性も

このように、口呼吸は口腔内はもちろん、色々なトラブルの原因になります。

では髪の毛に関してはどうなのでしょうか。

・活性酸素が増えて毛母細胞が劣化する
前述のように、鼻内部や喉奥のリンパ組織には細菌やウイルスが侵入するのを防ぐ働きがあります。

しかし口呼吸ばかりしていると喉奥のリンパ組織の機能が低下し、有害物質が入り込みやすくなります。

それを攻撃してくれるのが、体内の活性酸素です。

活性酸素には外敵を攻撃する作用があるのです。

しかし、常に口呼吸をしていると活性酸素が増え過ぎてしまい、正常な細胞まで攻撃するようになります。

これが老化の原因となります。

髪の毛の場合、毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで髪が健康な状態で伸びていきます。

しかし活性酸素によって毛母細胞が攻撃されてしまうと、髪が伸びなくなったり太くしっかり成長しなくなったりして、抜け毛や薄毛の原因となるのです。

・消化機能が落ちて髪の成分が不足する
もう一つの原因となるのが、胃腸の機能低下です。

元々唾液にはタンパク質を消化する働きはなく、胃によって消化されます。

しかし常に口呼吸していると炭水化物を消化するアミラーゼ酵素まで不足してしまうため、胃にかかる負担が非常に大きくなってしまい、タンパク質が充分分解されなくなってしまいます。

髪の毛の主成分はケラチンというタンパク質で、これは食べたタンパク質が一旦分解されてアミノ酸となり、再度18種類のアミノ酸が結合したものです。

しかし胃の消化機能が低下しているとタンパク質を充分取り込めなくなるため、ケラチンの質が悪くなってしまいます。

その結果、ハリやコシのない弱い髪の毛になってしまい、薄毛になりやすくなるのです。

自律神経の乱れは女性ホルモンの低下につながる

女性ホルモンには、髪の毛の寿命を伸ばし健康を維持させる働きがあります。

しかし口呼吸によって自律神経が乱れると、同じ脳の部分でコントロールされている女性ホルモンも影響を受け、分泌量が減ってしまいます。

その結果、髪の毛の成長期が短くなり、成長途中で抜けやすくなるのです。

意識して鼻呼吸しましょう

 
このように、何気なく行なっている口呼吸が、大きな健康被害や髪のダメージに繋がります。

マスクをすれば口呼吸でも湿度が高くなるため、細菌やウイルスの侵入をある程度は防ぐことができます。

しかし、マスクをつけていない時に口呼吸してしまうのであれば、やはりリスクは高くなります。

口呼吸している人は、最初のうちは意識して鼻呼吸するように心がけましょう。

1週間もすれば、自然に鼻呼吸ができるようになるはずです。

また、鼻炎などが原因で口呼吸になってしまう人は、耳鼻科を受診することをおすすめします。

口呼吸には、何のメリットもありません。

健康を維持し、抜け毛や細毛、顔のたるみを防ぐために、今日から鼻呼吸に切り替えましょう。