ここ数年の健康ブームにのって、「腸を元気にする」「腸内環境を整える」健康食品はスーパーでも買えるようになりましたね。
腸内環境を整えてくれるというこれらの食品は、実は薄毛対策にもいいということをご存知でしょうか。
腸と髪の毛、というと、一見何の関係もないように思われがちです。
でも実際にはとても深いかかわりがあるのです。
腸内環境が乱れてしまうと髪の毛の状態にも悪影響が出てしまい、薄毛が悪化してしまう恐れがあります。
今回は、腸と髪の毛の関係、そして腸内環境を整えるための方法を紹介します。
Contents
そもそも腸内環境が乱れるってどういうこと?
腸内環境とは最近よく聞く言葉ですが、そもそもどういう意味なのでしょうか。
私たちの腸には、善玉菌と悪玉菌という菌が住んでいます。
名前の通り、善玉菌は私たちの身体にとって良い働きをしてくれる菌です。
一方の悪玉菌は、基本的に健康に良くない影響を与える菌のことを指します。
善玉菌と悪玉菌は、お互いに増えたり減ったりしながらバランスを保っています。
腸の中に善玉菌が増えれば悪玉菌が減少し、腸内環境は良い方へと傾きます。
ところが、悪玉菌が増えてしまうと善玉菌が減り、便秘や下痢などのトラブルを起こしてしまうのです。
さらに悪玉菌が増加すると、大腸がんなどの深刻な病気を引き起こすこともありますので、健康のためにも腸を善玉菌優位にしておくことが大切なのです。
「腸内環境が乱れる」という言い方をよく耳にしますが、これは腸の悪玉菌が増えるということです。
身体を健康に保つためには、善玉菌を増やして腸内環境を整えることが大切なのです。
腸と薄毛の関係とは
では、腸内環境が良くなると、どうして薄毛予防になるのでしょうか。
腸と髪の毛、一見まったく関係がないように見えますね。
実は、とても深い関係があるのです。
そもそも腸には、栄養を体内に吸収するという重要な役割があります。
私たちが口から食べた食べ物は、胃で消化され、分解された後の栄養素は腸で血液中へ取り込まれます。
腸の善玉菌が増え腸内環境が整うことで、腸の栄養吸収効率がよくなるわけです。
食べたものの栄養をスムーズに身体の末端へと届けることができるようになるんですね。
そうなると、身体の器官はどこも正常に機能するようになります。
つまり、全身が健康的になるということです。
同時に、腸が元気になると、身体の血行も良くなることが分かっています。
頭皮の血行をよくすることは、薄毛対策にいいといわれますよね。
これは、育毛に必要な栄養が、毛を作る細胞にきちんと届けられるようになるためです。
腸内環境が改善されれば、栄養の吸収がスムーズになると同時に身体全体の血行がよくなり、健康な髪の毛の育成に必要な栄養素が頭皮にしっかりと届けられるようになるのです。
便秘は髪の毛にも良くない
腸に悪玉菌が増えて腸のバランスが乱れてしまうと、便秘や下痢になるといいました。
便秘になるとお肌が荒れたり、ニキビができるという人は多いと思います。
腸の細菌が悪玉菌優勢になると便秘になりますが、便秘の状態をそのままにしておくと、ますます悪玉菌が増えるという悪循環に陥ります。
腸の中で増えてしまった悪玉菌は、身体にとって有害な毒素を排出します。
腸はもともと成分を血液中に吸収させる働きを持っているので、この毒素も血液中に入って全身に運ばれるようになってしまいます。
これに伴い、お肌の調子が悪くなってしまうのです。
お肌だけでなく、髪の毛にとっても同じことです。
髪の毛を作る頭皮や毛根にも、毒素が届いてしまいますからね。
便秘の状態が続いてしまうと、肌トラブルが起こるだけでなく、頭皮や髪の毛にも悪い影響が出てしまうのです。
薄毛対策の一つの方法として、腸内環境を整えることが大切だということがわかっていただけたと思います。
では、腸内環境を整えるためには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
腸内環境を改善する方法
腸を元気にしてくれる食品を摂る
腸内環境を良くするためには、腸を元気にしてくれる食品を利用しましょう。
腸の善玉菌を含む食品や、善玉菌のエサになる成分を含む食品を摂取します。
腸の善玉菌が喜ぶ食べ物には次のようなものがあります。
乳酸菌やビフィズス菌を含む食品
腸の中に住んでいる善玉菌とは、乳酸菌やビフィズス菌のことです。
そのため、これらを含む食品を摂取することで、腸内環境を良くする効果が期待できます。
乳酸菌やビフィズス菌を含む食品には、ヨーグルトやチーズなどの乳製品、キムチや納豆などの発酵食品が挙げられます。
ただし、乳酸菌などは胃酸に弱いことがわかっています。
より効果的なアイテムを選びたいなら「腸まで届く乳酸菌」を配合しているものや、特定保健用食品に認定されているものを選ぶのがおすすめです。
*特定保健用食品あるいは「トクホ」とは:
私たちの健康に影響を与え得る成分を含む食品で、消費者庁長官の許可を得たものだけに表示が許されています。
食物繊維やオリゴ糖を含む食品
腸内の善玉菌が好んでエサとするのが、食物繊維やオリゴ糖です。
食物繊維は野菜や果物、海藻類、キノコ類など、多くの食品に含まれています。
オリゴ糖を含む食品には、バナナや大豆、玉ねぎ、はちみつなどがあります。
生活習慣を見直す
腸内環境を整えるには、生活習慣の改善も必要かもしれません。
規則正しい生活、バランスの摂れた食事、十分な睡眠など、いずれも基本的なことですよね。
要するに、健康的な生活をするということです。
この機会に、生活習慣を見直してみてはどうでしょうか。
適度な運動をする
腸内環境を整えるには、適度な運動をするのも効果的です。
運動といっても激しい運動をする必要はありません。
ウォーキングのような軽い運動でも十分です。
まとまって運動する時間が取れないという人は、できるだけ歩くように心がけるだけでもよいでしょう。
運動は、定期的に行うことが大切です。
ストレス解消にもなりますので、自分に合った方法で運動を取り入れてみてください。
ストレスを減らす
ストレスを完全になくすことは難しいかもしれません。
でも、腸はストレスに敏感に反応する器官でもあるのです。
できるだけストレスをため込まないようにしてみましょう。
好きな音楽を聴いたりアロマテラピーなど、自分にあったストレス解消の方法を身に付けておくのがおすすめです。
便秘や下痢などの腸トラブルに注意!
腸内環境をよくしておくことが美髪作りにいいということは分かっていただけたと思います。
でも、「腸内環境が整っている状態って、自分でどう判断すればいいの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
腸内環境がどんな状態かということは、お通じを観察することで把握できます。
腸内環境が乱れていると、便秘や下痢などの腸トラブルを招いてしまうためです。
分かりやすく言えば、女性に多い便秘を防ぐことで、腸内環境を良い状態に保っていることになります。
腸の悪玉菌が増えると便秘になりやすくなり、便秘がちな状態を放置することでさらに腸内環境は悪化してしまうのです。
お通じや便は健康のバロメーターともいわれます。
便秘がちかな、と思ったらそのままにせず、できるだけ早く便秘を解消するようにしましょう。
それが結果的に美髪につながるだけでなく、美肌作りにもなるのです。
腸内環境を整えて薄毛対策をしよう!
腸内環境が乱れてしまうと、薄毛にもよくない影響を与えてしまいます。
髪の毛のや頭皮のコンディションがよくないなぁと思ったら、腸が乱れているのかもしれません。
髪の毛や頭皮は、外からのケアだけでなく、内側からのケアも大切だということですね。
腸内環境を改善する方法を紹介しましたが、これらには即効性はありません。
普段から健康的な生活習慣を継続することが大切なのです。
ハリやコシのある髪の毛を維持するためにも、腸を元気にする生活を心がけておきたいですね。