髪を洗うのはシャンプー剤と思っていませんか?
最近、シャンプーの成分が髪や頭皮に良くないからと、お湯だけ、あるいは重曹で髪を洗う人が増えています。
今回は、市販シャンプーの問題点と、お湯や重曹で洗うメリットについて解説しましょう。
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市販のシャンプーは良くない?その理由とは
日本女性は髪をとても大切にしていて、市販のシャンプーもたくさんあります。
しかし、成分を見るとかなり危険なものが配合されているのです。
洗浄成分「ラウリル硫酸Na」「ラウレス硫酸Na」は刺激が強い
世界で最初に洗浄力のある界面活性剤として開発されたのが、「ラウリル硫酸」です。
この成分はカルシウムやマグネシウムが多く含まれる硬水でも十分泡立つように、ヨーロッパで作られました。
しかし日本の水は軟水で、この成分は強すぎて必要な皮脂まで落としてしまうのです。
そのため、使用を続けると頭皮が乾燥し、フケやかゆみ、血行不良、抜け毛などを引き起こしやすくなります。
「ラウレス硫酸」は、ラウリル硫酸の分子を大きくしてタンパク質変質作用を弱めたもので、アレルギーを引き起こす危険性はほとんどありません。
しかし脱脂力の強さはほぼ同じなので、やはり頭皮にダメージを与えてしまうのです。
シリコンもあまり髪には良くない
脱脂力が強すぎるので、そのままだと髪同士の摩擦が激しく、キューティクルが傷ついてしまいます。
そこで配合されているのがジメチコン、アモジメチコン、シクロメチコン、シリカ、シリルなどといったシリコンです。
摩擦を防いで指通りを良くしてくれるので、大手メーカーのシャンプーのほとんどに配合されています。
しかし、シリコンは吸着力が非常に強く、次のシャンプーで洗い流す際にキューティクルも一緒に取り去ってしまうといわれています。
するとさらにシリコンが多いものを使わないと髪がパサパサになってしまうため、どんどんキューティクルがなくなってしまうという悪循環になります。
また、頭皮につくと落ちにくく、毛穴を塞いでフケや抜け毛の原因になる可能性もあります。
メーカー側では、シリコンは網状になっているので毛穴を塞ぐことはない、と回答していますが、何層にも重なると網の目が塞がってしまうともいわれています。
ノンシリコンシャンプーが開発されたことからして、ある程度の信ぴょう性はあると考えたほうが良いでしょう。
お湯だけで洗う方法「湯シャン」とは
化学物質で作られたシャンプーを止めようという動きの中で注目されているのが、湯シャンです。
海外セレブや五木寛之氏、タモリ氏、福山雅治氏などが行なっているという湯シャンはどんなもので、どんな効果があるのでしょうか。
湯シャンの先駆者は五木寛之氏
湯シャンが注目されたのは、作家の五木寛之氏が湯シャン派だと公表してからです。
インド放浪中に、髪を洗う習慣がないインド人ほどふさふさな髪をしていることに気づき、シャンプーを使わずお湯だけで洗うことを実践してみたそうです。
最近は2ヶ月に一度シャンプー剤を使用するそうですが、以前は1年に4回程度だったとか。
その効果は、白髪ながら90歳近くなっても見事な髪を見ると、よくわかりますね。
湯シャンにはどんな効果がある?
・刺激が少なく頭皮にやさしい
前述したように、市販シャンプーには非常に脱脂力の強い成分が配合されており、肌荒れやフケ、かゆみ、抜け毛などの原因となります。
さらに、洗い残しがあると毛穴に入り込み、髪を生み育てる毛母細胞を傷つけてしまう危険性があります。
湯シャンならお湯だけなので、お湯の温度さえ気をつければ刺激がほとんどありません。
・必要な皮脂が残る
市販シャンプーだと、すべての皮脂を取り除いてしまいます。
皮脂には紫外線から頭皮を守るバリア作用があるため、なくなってしまうと紫外線の悪影響を強く受け、抜け毛や細毛などの原因となります。
また、皮脂は髪の根元から髪全体に送られ、天然のコーティング剤となって紫外線や外的刺激から守ってくれています。
湯シャンなら、必要な皮脂はしっかり残してくれるのです。
・皮脂量のバランスが良くなる
皮脂には肌を守る役割があるため、なくなると脳が指令を出してどんどん分泌されてしまいます。
脱脂力の強いシャンプーを使っているのに髪がすぐぺしゃんこになるのは、この作用によるものです。
そこで湯シャンをすると必要以上の皮脂が分泌されなくなるので、頭皮環境が悪くなりにくいのです。
湯シャンにはデメリットも
・最初の頃はべたつきや悪臭などが気になる
お湯のみでも、髪や頭皮の汚れの7割は落ちるといわれています。
しかし、3割は残っている訳ですから、それが蓄積されるとべたつきや悪臭の原因になります。
皮脂量のバランスが良くなるとそれらはなくなってきますが、そこに到達するまでには時間がかかります。
市販シャンプーで頭皮にダメージがある人ほど時間がかかり、1ヶ月以上我慢する覚悟が必要です。
・スタイリング剤が使えなくなる
スタイリング剤は、お湯だけでは落とせません。
そのため、いつも使用している人は髪型を変えるなど工夫が必要になります。
正しい湯シャンの方法
①時間をかけてブラッシングする
ブラッシングだけでも、髪表面の汚れはかなり落ちます。
また、頭皮に刺激を与えるので血行が良くなり、毛穴が開いて余分な皮脂が浮き上がりやすくなるのです。
丁寧に時間をかけてブラッシングし、髪のもつれがないようにしておきましょう。
②ぬるめのお湯で洗う
シャワーの温度設定を35~38℃程度にし、頭皮を中心に丁寧に洗います。
この時に爪を立てると頭皮が傷つくので、指の腹だけを使うようにしましょう。
時間は、最初のうちは10分程度、慣れて皮脂量が安定したら5分程度で大丈夫です。
重曹シャンプーは湯シャンでは物足りない人に好評
次は、重曹をシャンプー剤として使う方法です。
重曹はエコな洗浄剤としてすでに使われていますが、湯シャンではさっぱりしないという人の間で好評です。
重曹シャンプーの効果
・皮脂を適度に落とす
重曹は弱アルカリ性で皮脂を乳化して分解する働きがあるため、髪と頭皮の汚れを適度に落としてくれます。
・毛穴を開いて皮脂を浮かせやすくする
重曹は熱を加えると炭酸ガスを発生するので、頭皮に刺激を与えて毛穴を開きやすくします。
すると皮脂が浮き上がりやすくなるため、シャンプー剤を使わなくても毛穴内がきれいになるのです。
・殺菌効果で悪臭を絶つ
重曹には殺菌効果や消臭効果があるので、悪臭の元となる雑菌の繁殖を抑えてくれます。
重曹シャンプーのデメリット
・濃度を間違えると髪がきしむ
重曹は濃度が高くなるほどアルカリ度も高くなります。
皮脂を落としたいからと濃くしすぎると、髪のタンパク質を分解してパサパサになってしまいます。
・溶かす温度が難しい
重曹は同じ濃度でも、高温に溶かすほどアルカリ度が高くなり、一度その濃度になってしまうと冷えても下がりません。
・マッサージし過ぎると頭皮を傷める
重曹は研磨剤としても使われるものなので、ガシガシ洗うと頭皮を傷つけてしまいます。
正しい重曹シャンプーの方法
①乾いた状態でしっかりブラッシングする
これは湯シャンと同じです。
②ぬるま湯1リットルに重曹大さじ1を溶かす
洗面器に半分程度ぬるま湯を入れ、重曹を丁寧に溶かします。
しっかり溶かさないと粒が頭皮の刺激になることがあるので、完全に溶かしてください。
③湯シャンする
時間をかけて頭皮を中心にしっかり湯シャンします。
④溶かした重曹をかけ、マッサージする
湯シャンが済んだら、重曹のお湯を少しずつ頭皮にかけて、やさしくマッサージします。
⑤しっかり洗い流す
アルカリ性の重曹が頭皮や髪に残ると刺激となり、肌荒れや抜け毛の原因となります。
泡がないので感覚が掴みにくいのですが、3~5分程度かけてすすぎましょう。
すすぎ残しの多い耳の後ろや顔の周りは特に注意してください。
⑥クエン酸を薄めてリンスする
アルカリ性の重曹によって、髪のキューティクルは開きやすくなっています。
そこでしっかり閉じさせるために、酸性のクエン酸やお酢でリンスしましょう。
水500mlにクエン酸大さじ2杯程度を加えたものを原液にし、大さじ2杯程度を洗面器半分程度のお湯に入れて髪全体にかけ、シャワーで流します。
まとめ
市販のシャンプーが合わずシャンプージプシーになっている方は、一度湯シャンや重曹シャンプーを試してみてはいかがでしょうか。
ただし、いきなり完全に切り替えると、あまりの違和感に止めてしまう人が多いようです。
頭皮環境が落ち着くまでは皮脂分泌が過剰になってしまったり、シリコンで髪のダメージが隠れていたのに急にコーティングがなくなるためゴワゴワになったりするのです。
髪と頭皮の健康のためにやってみたい方は、シャンプーを2~3日に1回、その間は湯シャンや重曹シャンプーという方法からスタートし、徐々に切り替えていくことをお勧めします。