特に欧米で注目を浴びた、栄養価が非常に高く健康・美容効果が高い食材を「スーパーフード」と呼びます。
日本ではアメリカのセレブが発信する情報から人気になることが多いのですが、ビーポーレンもセレブたちの間で評判になっています。
今回は、健康や美容にはもちろん、薄毛や細毛の予防効果も期待できるビーポーレンについて解説しましょう。
Contents
ビーポーレンとは
「ビー」は蜂(Bee)、「ポーレン」は花粉(pollen)、つまりビーポーレンはみつばちが集めた花粉のことで、
「花粉荷」とも呼ばれます。働き蜂が花から花へと飛んで蜜を吸い、身体についた花粉を足に集めながらその蜜や体内から分泌された酵素などで丸め、巣まで運ぶのです。
運ばれたビーポーレンは一旦巣の奥に集められ、ハチミツと一緒に働き蜂のエサとなります。
蜜を求めて1日50kmもの距離を飛び回る働き蜂のパワーは、ビーポーレンによるものなのです。
また、ローヤルゼリーは女王蜂の食べものですが、これはビーポーレンを食べた働き蜂が分泌する乳白色のクリームです。
ローヤルゼリーを食べられるのは女王蜂のみで、しかも女王蜂はローヤルゼリー以外食べず、1日2,000個もの卵を産み続けるのです。
このように、ビーポーレンは非常に栄養価が高い食品で、ローヤルゼリーを生み出すもとにもなっているのです。
ビーポーレンに含まれる栄養素
ビーポーレンは、はちみつとは全く違う栄養素を多く含んでおり、スーパーフード、ミラクルフードとまで呼ばれています。
完全栄養食と呼ばれるほど豊富な栄養素
はちみつの主成分は糖質ですが、ビーポーレンには炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミンA、B群、C、D、E、亜鉛、鉄、銅、カルシウム、マグネシウムなど150種類以上もの成分が含まれています。
成分は花粉を取る花によって違い、特にタンパク質に大きな差が出ます。
良質なものは同量の牛肉や鶏肉以上にタンパク質を含んでおり、さらにすべての食材の中でビタミンやミネラルが最も多くなっています。
これが、ビーポーレンが「スーパーフード」「完全栄養食」といわれるゆえんです。
抗酸化物質も豊富
ビーポーレンは集められた後、巣の奥に保存され、さらにはちみつを塗って保存性を高めています。
こうして熟成されたビーポーレンは、多くの抗酸化物質を含んでいます。
・フラボノイド…ポリフェノールの一種で、植物の色素や味の成分
・カロテノイド…黄・オレンジ・赤などの天然色素
・ケルセチン…玉ねぎなどに含まれるポリフェノールの一種
・ケンフェロール…生姜や玉ねぎ、リンゴなどに含まれるポリフェノールの一種
・グルタチオン…グリシン、グルタミン酸、システインという3つのアミノ酸から出来た化合物
このように、通常別々の食材に入っている抗酸化物質がビーポーレンに含まれているので、非常に高い抗酸化作用があるのです。
ビーポーレンが持つ働き
ビーポーレンはまだ解明されていない部分が多いのですが、すでにヨーロッパの複数国では医薬品として使用されているほどです。
現在の研究では、以下のような働きがあると考えられています。
花粉症の症状を軽くする
ビーポーレンは花粉が集まったものなので、花粉症をひどくすると思われがちです。
しかし実際の研究ではビーポーレンを含んだ製品によって、花粉症の治療薬を減らせる効果がわかっています。
研究によると、スギ花粉が飛散する前から摂取すると、花粉症治療薬の使用を1/10まで下げることができた、との結果が出ています。
この他、アメリカの研究ではビーポーレンには抗アレルギー作用があり、喘息や鼻炎を抑えたりかゆみ物質のヒスタミンの分泌を低下させりする作用があると報告されています。
シミの予防効果
シミの原因となるのは、紫外線です。紫外線を浴びると活性酸素が発生し、それを感知した皮膚細胞が真皮層でメラニン色素を作り始めます。
これは、メラニンによって紫外線を吸収させ、他の細胞の酸化を防ごうとする働きによるものです。
健康の観点からいえば、メラニン色素が多いほど皮膚細胞は守られているということになります。
その後は、本来であれば紫外線を吸収したメラニン色素は肌のターンオーバーとともに垢となって、洗い流されます。
しかし加齢によってターンオーバー速度が遅くなると、なかなか排出されなくなっていきます。
これが蓄積されたものがシミで、ターンオーバー速度はどんどん遅くなるため、シミが増えてしまうのです。
そこで、世界中のビーポーレンで実験をしたところ、様々な花から採取されたビーポーレンすべてに、メラニン色素の生成を抑える働きがあることがわかりました。
ビーポーレンを摂取することで、シミの予防効果が期待できるのです。
細胞分裂を助け老化を防ぐ
最近発見されたビーポーレン内の成分に「スペルミジン」があります。
これは全ての細胞内に存在しているポリアミンという物質の一つで、細胞分裂を促進して老化を防ぐ作用があることがわかっています。
また、古くなった細胞の老廃物を排出するオートファジーという働きを促進させ、細胞の寿命を伸ばすともいわれています。
そのため、スペルミジンが多いほど老化が遅く、しかも記憶力や学習能力を維持することができます。
ビーポーレンには、スペルミジンやそれが合成されたスペルミンが多く含まれています。
そのため摂取を続けることで、アンチエイジングや認知症予防に効果が期待されているのです。
肝臓の機能を向上させる
肝臓には有害物質を解毒・分解させる働きがあります。
しかしアルコールや有害物質が増え過ぎると解毒作用が追い付かなくなり、肝臓の機能が低下してしまいます。
すると体内に毒素が溜まってしまい、肝疾患を引き起こしやすくなるのです。
ビーポーレンに含まれるケンフェロールには、肝機能を強化する働きがあります。
老廃物の蓄積を防ぎ、さらに弱ってきた肝臓を回復させるといわれています。
髪の毛の成長を助ける
髪の毛の劣化や薄毛の大きな原因となるのが、活性酸素です。
特に髪や頭皮は一年中紫外線を浴びるため、活性酸素が発生しやすくなっています。
活性酸素は動脈から送られた血液を貯蔵する毛乳頭や、毛乳頭から供給された栄養素をもとに髪を作る毛母細胞を劣化させてしまいます。
すると髪の毛に充分な栄養が行き渡らなくなるため、細毛や抜け毛を引き起こしやすくなるのです。
また、紫外線に当たった頭皮は新陳代謝機能が劣化するため、古い角質が溜まってどんどん硬くなります。
するとその下にある毛細血管がつぶされてしまうため、血液が届きにくくなります。
ビーポーレンには何種類もの抗酸化物質が含まれているため、活性酸素の働きを強力に抑える作用があります。
その結果頭皮環境が正常になり、育毛に良い状態を作り出すことができるのです。
また、髪の毛はタンパク質からできており、必須アミノ酸9種類すべてが揃わないと健康な髪は生まれません。
必須アミノ酸が一つでも不足すると質の良いタンパク質が作られず、髪の毛に枝毛や切れ毛、細毛や抜け毛などのトラブルが起こりやすくなるのです。
ビーポーレンには必須アミノ酸すべてが含まれており、さらにアミノ酸を髪の毛のケラチンタンパク質に合成するために必要な亜鉛やビタミンB群も入っています。
従って、太くしっかりした健康な髪が育ちやすくなるのです。
ビーポーレンを摂取する際の注意点
ビーポーレンは日本では食品扱いで、特に規定はありません。しかし実際には以下のことに注意したほうが良いでしょう。
食物アレルギーがある場合は事前に医師に確認する
ビーポーレンはアレルギー抑制作用がありますが、まれにアレルギーを発症するケースがあります。
そのため、すでに食物アレルギーがある場合は、医師に相談しましょう。
花粉症の場合も医師に相談を
ビーポーレンの花粉は花粉症を引き起こすスギやヒノキなどの風媒花粉ではなく、虫媒花粉です。
そのため、花粉症の原因にはならないとされていますが、心配な場合は医師に確認するようにしましょう。
1歳未満の乳児には与えない
まれにボツリヌス菌が含まれている可能性があるため、乳児ボツリヌス症を避けるために1歳未満の乳児には与えないようにしてください。
また、妊娠中や授乳中の安全性が確認されていないため、この時期も避けましょう。
まとめ
ビーポーレンの研究はまた半ばですが、すでにヨーロッパでは医薬品として使用されているほどですから、様々な効能・効果が期待できます。
髪の毛に必要な栄養素がすべて含まれていますから、健康と美髪両方を手に入れたい方にぴったりな食品といえますね。