ハーブティが健康や美容に効果を発揮することはよく知られています。
また、ハーブの入ったスキンケアやヘアケアの商品を使っている人も多いでしょう。
すっかり私たちにとって身近な存在となったハーブですが、その中には髪の毛や頭皮に良い影響を与えるものがあることについて詳しく知っている人はまだ少ないように思います。
加齢に伴い、男性だけでなく女性にとっても深刻なものとなっていく薄毛を改善する上で、ハーブは大きな手助けになってくれるでしょう。
この記事では、ハーブの美容効果や健康効果に注目しつつ、頭髪や頭皮に良い影響を与えるハーブの種類や取り入れ方についてご紹介していきます。
Contents
女性の薄毛の原因はホルモンバランスの乱れと血行不良
女性の薄毛は、男性に多い、生え際などが部分的に薄くなるタイプではなく、髪全体がスカスカになるタイプのもの(「びまん性脱毛症」)が多いと言われています。
女性の薄毛が、男性の脱毛症と大きく違うのは、その原因にホルモンバランスの乱れが考えられるという点です。
ホルモンバランスが乱れると、女性ホルモンのエストロゲンが減少し、髪の毛のハリやコシがなくなったり抜け毛が増えたりすることで、結果的に髪全体のボリュームが失われます。
ホルモンバランスの乱れは、一般的には、ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れ、体の冷えなどによって引き起こされると言われています。
また、血行不良も頭皮や髪に悪影響を与え、薄毛の原因となります。
なぜなら、血のめぐりが悪くなると頭皮が硬くなり、髪の毛に十分な栄養素が行き渡らなくなってしまうからです。
ハーブの育毛効果
ハーブティには、美容や健康に良い成分がたくさん含まれています。
使うハーブによって効能が異なるので、ここでは、髪や頭皮に効果のあるハーブについてご紹介したいと思います。
フィーバーフュー
ヘアケアや頭皮ケアに意識の高い女性たちの間で最近話題なのが、フィーバーフューというハーブです。
和名は「ナツシロギク」というこのハーブは、パルテノロイドという育毛効果がある成分を含んでいます。
このパルテノライドは、髪を作るもとになる毛母細胞を活性化する作用があり、育毛・増毛効果が期待できます。
ローズマリー
ローズマリーは、若返りのハーブとして、その美容効果を謳われてきました。
ローズマリーには、悪玉男性ホルモンを発生させてホルモンバランスを乱す5α‐還元酵素の働きを阻害する効果があります。
そのため、抜け毛予防にとても効果があり、育毛効果が期待できると言われています。
また、飲むだけでなく、ローズマリーの精油(エッセンシャルオイル)には抗酸化作用や血行促進効果があり、オイルを使ったマッサージやシャンプーによって健康な髪が生成されます。
セージ
AGA(男性型脱毛症)の原因物質として知られている「DHT」(ジヒドロテストステロン)は、女性ホルモンのバランスを崩す働きもあり、FAGA(女性男性型脱毛症)の原因にもなります。
AGAを発症した男性やFAGAを発症した女性は、DHTにより健康な髪の成長が阻害されます。
抜け毛が増えたり、髪が弱々しくなったりするのはこのためです。
セージは女性ホルモンの分泌を促す効果があると言われています。
セージには、ボルネオールやカンファーなどの有効成分が含まれており、血行促進や副腎皮質を刺激する働きがあります。
これにより、女性ホルモンのバランスを整えてくれます。
薬草のような味わいでクセがあるので、ハーブティとして飲むなら他のハーブとブレンドすることをおすすめします。
フェンネル
フェンネルもまた、女性ホルモンの分泌を促し、抜け毛対策にオススメできるハーブです。
少しスパイシーですが、ほんのりとした甘みがありますので、ハーブティとして飲むならセージよりも飲みやすいと評判です。
バタフライピー
日本で「青いお茶」として話題になったバタフライピーは、主にタイで栽培・流通しているハーブです。
抗酸化作用が高く、お茶としてはもちろんシャンプーなどのヘアケア用品に使われています。
また血行促進効果が高く、白髪や抜け毛に効果があると言われています。
薄毛に悩んでいる人にはぜひ試していただきたいのですが、子宮収縮効果があり、血液がサラサラになりすぎるため、妊娠中や生理中は避けた方が良いでしょう。
ペパーミント
最も身近なハーブとも言えるペパーミントですが、セージと同じシソ科に属する植物です。
最近の研究では、ローズマリーやセージと同様に男性ホルモンを増やす働きを阻害する働きがあることが解明しました。
先述したように、男性ホルモンの増加は、男性だけでなく女性にとっても薄毛の原因になり得る因子ですので、ペパーミントも積極的に摂ることでその育毛効果が期待できます。
ハーブの活用法
ハーブティ
一番手軽なハーブの活用法は、ハーブティでしょう。
お湯出しでも効果はありますが、より高い効果を引き出すなら煮出したほうが良いでしょう。
鍋に入れて火にかけ、沸騰したらしばらく弱火で煮出して、火を止めて蓋をします。
30分ほど時間を置いて、茶こしなどでこしましょう。
甘味を足したいときは、ハチミツを入れることでさらなる育毛効果が期待できます。
ハチミツには、抗酸化作用のあるビタミンCだけでなく、数種類のビタミンB類やミネラル、ポリフェノールが含まれており、髪や頭皮を健やかに保つ働きをしてくれます。
ヘアケアに取り入れる
ローズマリーやバタフライピーの説明で少し触れましたが、ハーブを飲用するだけでなく、塗布したりシャンプーに入れたりするヘアケアに活用することでも育毛効果が期待できます。
もちろん、ハーブの有効成分が入った市販のヘアケア用品を使うのもいいのですが、セルフケアに応用することもできます。
煮出した後で冷ましたハーブティにお好みでハチミツを入れて、シャンプー前の予洗い後のヘッドマッサージに使います。
よく濡らした地肌に、ハチミツ入りのハーブティを浸し、程よい強さで頭皮をマッサージします。
その後、シャンプーをしてよく洗い流しましょう。
同じ液を、トリートメント前につけてヘアパックをしてもかまいません。
肌に刺激を感じたらすぐに使用をやめてください。
食事に取り入れる
フレッシュなハーブが手に入るなら、料理に使うのもオススメです。
野菜とハーブをふんだんに使ったサラダは、薄毛を解消し、育毛効果を高めると言われています。
生野菜やグリル野菜にハーブを混ぜて、お好みのドレッシングをかけましょう。
たんぱく質は髪の成分となる大切な栄養素です。
ゆで卵やチキン、ローストビーフなどもトッピングして、食べ応えのある一皿にしましょう。
またハーブは、肉や魚の臭み消しや風味づけにも使えます。
ソテーやグリル、炒めもの、マリネに、ハーブを加えてみましょう。
ローズマリーが使いやすくてオススメです。
また、料理に使うハーブを自分で栽培し、それを使うようにすると、常にフレッシュなハーブを口にすることができます。
ハーブを使うときの注意点
ハーブの効果が高いほど、その副作用について注意が必要になります。
医薬品を使うときと同じく、妊娠中や病気療養中の方は、そのハーブを使用して問題がないかを確認してから使うようにしてください。
特に今回紹介したハーブは、妊娠中は避けた方がよいものがほとんどなので注意してください。
まとめ
ハーブは、美容と健康に優れた効果をもたらしてくれる魔法の食材です。
今回の記事で紹介したハーブはいずれも薄毛に効果があるものですので、数種類を合わせて、積極的に毎日の食事やティータイムに取り入れましょう。
また、飲用や食用としてだけでなく、頭皮マッサージやヘアパックとしてハーブを使う方法をご紹介しました。
ハーブの持つ力を最大限に引き出して、活用してみましょう。