平安時代の女性たちというと長い髪を垂らして裾の長い着物を羽織っているイメージありますよね。
貴族の女性に関してはこの格好がよく絵に描かれていることがありますが、この格好にはモテるための絶対条件だったともいわれています。
今の時代ではあまり考えられない美人の条件があったようで、少しでも意中の男性にふりむいてもらえるように貴族の女性たちはままならぬお手入れをされていたようです。
その中でも特に髪に関してはとてもケアを念入りに行っていたようですが、平安時代の女子はどうしてそこまで髪の毛に強くこだわっていたのでしょうか。
それはこの時代ならではの男女関係が強く関係していました。
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普段女性の顔を見ることのできない男性にとっての美人ポイントは髪だった
貴族男性は気になる意中の女性の屋敷に出向いていくことが基本だったこの時代、女性は親しい人以外には顔を見せることはありませんでした。
なので平安時代の恋愛というのはお互いに顔を合わせることがなく、のれん越しでお互いのシルエットのみを見るくらいしかできなかったのです。
それにこの時代はお家柄や役職などが結婚の条件に上がってくることは当たり前の時代ですし、政略結婚もよくある話でしたが意外にも平安時代の恋愛は自由恋愛も多かったのですよ。
そんな気になる女性の姿を見ることができない男性は、のれんから少しだけ見える髪を見て美人かどうか判断したといわれています。
女性もきれいな髪の毛が美人の条件ということを分かっているので髪のお手入れにはかなり時間をかけていたと思われます。
お互いの距離が縮まり、ようやく顔を合わせられた時って婚約が成立しているころになっているでしょうし、顔よりも髪の毛に美人かどうかの判断ポイントになっていたようです。
そんな平安女子の髪の毛ってどういう風にお手入れされていたのでしょうか?
美人の象徴黒髪ロングはこうして保たれていた
平安女子の美人の象徴黒髪ロングは今の時代のように効果のよいシャンプーやリンス、お風呂の環境も整っていない時代ですので、かなりお手入れには時間を費やしていたそうです。
まず、髪の毛を洗う頻度としては年に数回ほどだったといわれています。
長い髪の毛で宮中を歩いてれば汚れがついて気になりそうですが、髪の長い人は自分の背丈ほどあるといわれており、思わず踏んでしまいそうな長さです。
しかし、その分髪を洗うのも1日がかりかかるため、髪の毛を洗う事が行事のように、年数回行われていたといわれています。
普段洗うことのできない髪はブラシをしたり、におい消しのお香を焚いてごまかしていたりしていたそうです。
髪を洗うときは一人で行うことが困難なため何人もの手を借りて髪を洗い、乾かすことも大人数で行われていました。
そして何よりも大変だったのが乾かすときです。
今の時代のように便利なドライヤーはありませんので、火を焚いたり、タオルでひたすら乾かし、この乾かす作業に半日から1日がかりで行われていました。
1日がかりの洗髪はとても大変だったそうです。ほぼ自然乾燥というわけですから、さぞかし苦労されたでしょうね。
髪の薄い女子はこうしてロングヘアを作っていた
すべての貴族女性がつややかなロングヘアだったわけではないのです。
体質もあってか、髪が薄い方、髪が伸びない女性、癖毛で髪がきれいではない方、色々な事情の女性もいたはずです。
実はこの時代からすでにカツラの存在があったのです。
髪に悩む貴族女性はかのカツラのようなもので美髪を偽っていたのです。
ちなみにこのカツラとなるものはどこから手に入れていたかというと実は髪を商売している人がいたといいます。
その商売人は死んだ女性の髪などを切って、それを商売道具などにしていたようです。
実際は絵にかいたような黒髪ロングを地毛に持つ女性が意外に少なく、貴族の女性はこの商売人から髪を買っていたといいます。
当時の食事は質素でしかも貴族の女性は宮中から外に出ることも基本出来なくて、体的にはひ弱で栄養不足な人が多くて、髪の毛もあまり健康的ではなかったといいます。
そのため顔はむくみがちだったとか。それでも髪の毛は産まれてからほぼ一度も切らないことが多いので長い人は7メートルを超える人もいたそうです。
当時の女性の平均身長は140センチ程度なので自分の背丈の何倍もある髪の毛を垂らしていたのですね。
今のロングヘアって長くても腰あたり程度ですが、一生髪を切らない人生って不衛生と思ってしまいますよね。
でもそれでも美人の絶対条件だったので着ることは暗黙のルールでできなかったのでしょうね。
髪以外の美人の条件とは
髪の次に大事になってくるのはお顔ですね。もちろんなかなか顔をみれない男性たちは気になる女性を射止めるためまずは情報収集から入るんだそうです。
その噂を知ってその女性に会いに行くといわれています。
ちなみに今の美人の条件って結構個人意見が多いのでばらつきありますが、目は大きめのほうが持てるイメージありますよね。
ですが、平安時代は今とは正反対といっていいほど条件が異なりました。
平安美人の条件は主に3つです。
・切れ長で引き目めがちな大きすぎない目
・小さな花と口 口はおちょぼ口がいい
・ふっくらした頬
主にこの3つが美人顔の条件になります。
当時はこのような顔立ちが人気があり、弥生時代の顔立ちに近いかもしれません。
全体的な特徴としては、か弱い感じの顔立ちが男性には受けたようです。
まとめ
美人の絶対条件に外せないのが黒髪のロングへである女子たちは日々嫌い磨きを怠らず、それだけでなく、教養面でもぬかりなく励んでいたのが目に浮かびます。
今のように便利ではない時代ですが、それでも恋愛をするという面では今も昔も変わらないですね。
ただ条件が今では考えられないものが多すぎて今のようにカラーリングしてショートカットにした女性が平安時代にタイムスリップしたら、男性はどんな印象を持つのでしょう。
そんなことをふと考えながら記事を書いてましたが女性たちは男性にモテるため、髪に命を懸けているようにも思えてきました。
自由というのが今よりも限られているからこそ、自分磨きというのに力を注げるのかもしれませんね。奥深き平安女子まだまだ知られざる姿がありそうです。